五部
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「心の中に罪悪感があれば、無意識にどこかで『ブレーキ』をかける能力になる。だがこいつは『残酷さ』を楽しみそれを生きがいにしている。だからこんな能力になってるんだ」
近くにいた父子がカビへ感染して崩れていく。バイクへ乗っていた者がバイクを止める事も出来ずに崩れ落ちた。叫び声を聞いて道路を見下ろそうとした建物の住人がカビに感染して落下する。
それらの被害はどんどんと広まっていく。訳も分からないまま対抗策も把握出来ずに一般人が巻き込まれていくのだ。
だがそれを、ヘリを操縦している本体は何とも思わないのだろう。ジョルノが言った通り、奴は罪悪感も無くこの惨状を楽しんでいるから。
更にはこのまま、奴はコロッセオで待っている者も始末してしまうだろう。放置しておけば、ローマ中の住民を巻き込んで。
ミスタが止めようとして銃を撃つが、その弾はもう一人のスタンド使いによってヘリからはじき返された。そのスタンド使いがヘリから飛び降りて地面へと潜り込む。
おそらくスタンド能力は地面に潜り込めるとか、トリッシュのそれの様に地面を柔らかくできるとかそういうものだろう。トム達の足下もスタンド使いが潜り込んですぐに柔らかくなったので、地面を泥状にするとかそういうことか。
再び撃ったミスタの銃弾が、建物の屋上付近からジョルノの能力によって木の枝を伸ばしヘリへと絡み付いていく。
「ブチャラティ。地中の男は任せていいんですね?」
「……行けジョルノ! 走るんだミスタ、トム!」
「トム! 亀を頼む」
ジョルノに渡された亀を抱え、トムも走り出した。泥の様に靴をめり込ませていた地面は暫く走ると沈むこともなくなり、地中男の能力射程範囲から脱したのだと悟る。
ジョルノとミスタの後に続いて建物の外階段を駆け上り、ヘリが植物に絡み付かれている屋上へと向かった。登り切った階段の先では絡み付いていた木の枝が巨木へと成長していて、完全にヘリを動かなくしている。
プロペラは回っているものの飛んで逃げることも着陸することも出来なくなっているヘリに、トムは匣へ収めていたナギニを出した。
ナギニがすぐさま身体をくねらせて『杖』の形を取る。その杖を掴んで、トムは杖の先をヘリへと向けた。
「クルーシオ!」
ヘリの中から醜い叫び声があがる。それに思わずといった様子でジョルノ達が足を止め、トムを振り返った。
トムは片手に亀を抱え、杖を構えたままゆっくりと巨木へ拘束されたヘリへと歩み寄る。
「――……私がこう考えるのはお門違いだろうが、貴様は私の琴線へ触れた」
近くにいた父子がカビへ感染して崩れていく。バイクへ乗っていた者がバイクを止める事も出来ずに崩れ落ちた。叫び声を聞いて道路を見下ろそうとした建物の住人がカビに感染して落下する。
それらの被害はどんどんと広まっていく。訳も分からないまま対抗策も把握出来ずに一般人が巻き込まれていくのだ。
だがそれを、ヘリを操縦している本体は何とも思わないのだろう。ジョルノが言った通り、奴は罪悪感も無くこの惨状を楽しんでいるから。
更にはこのまま、奴はコロッセオで待っている者も始末してしまうだろう。放置しておけば、ローマ中の住民を巻き込んで。
ミスタが止めようとして銃を撃つが、その弾はもう一人のスタンド使いによってヘリからはじき返された。そのスタンド使いがヘリから飛び降りて地面へと潜り込む。
おそらくスタンド能力は地面に潜り込めるとか、トリッシュのそれの様に地面を柔らかくできるとかそういうものだろう。トム達の足下もスタンド使いが潜り込んですぐに柔らかくなったので、地面を泥状にするとかそういうことか。
再び撃ったミスタの銃弾が、建物の屋上付近からジョルノの能力によって木の枝を伸ばしヘリへと絡み付いていく。
「ブチャラティ。地中の男は任せていいんですね?」
「……行けジョルノ! 走るんだミスタ、トム!」
「トム! 亀を頼む」
ジョルノに渡された亀を抱え、トムも走り出した。泥の様に靴をめり込ませていた地面は暫く走ると沈むこともなくなり、地中男の能力射程範囲から脱したのだと悟る。
ジョルノとミスタの後に続いて建物の外階段を駆け上り、ヘリが植物に絡み付かれている屋上へと向かった。登り切った階段の先では絡み付いていた木の枝が巨木へと成長していて、完全にヘリを動かなくしている。
プロペラは回っているものの飛んで逃げることも着陸することも出来なくなっているヘリに、トムは匣へ収めていたナギニを出した。
ナギニがすぐさま身体をくねらせて『杖』の形を取る。その杖を掴んで、トムは杖の先をヘリへと向けた。
「クルーシオ!」
ヘリの中から醜い叫び声があがる。それに思わずといった様子でジョルノ達が足を止め、トムを振り返った。
トムは片手に亀を抱え、杖を構えたままゆっくりと巨木へ拘束されたヘリへと歩み寄る。
「――……私がこう考えるのはお門違いだろうが、貴様は私の琴線へ触れた」