五部
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全身にカビが生えかけたナランチャと入れ替わりにブチャラティが外へと出て行く。そうしてスタンド能力のカビへ注意しながら階段の上にあった車を盗みに向かう。
上へ行く分にはカビは反応しない。ということはトムが箒へ乗るなり飛ぶなりして移動したらもっと安全な気がする。その為にはまず箒が必要だが。
こういう時父のアマネの転移能力が羨ましくなる。そもそもあの人はカビも関係ないのだろうが。
「カビの除去にはアルコールがいいんだけど、スタンド能力のカビにも効くと思う?」
「冷蔵庫へ酒があったわ。ミスタ達が飲み干してなければだけど」
「一滴でもあれば増やせるけど。……試しにナランチャを拭いてみるか」
冷蔵庫の中にはウイスキーが入っていた。それをとる程度ならなんとかカビは生えず、トムはそれを布へ染み込ませてナランチャへと近付く。ソファへ横になっているナランチャに付着していたカビは、今のところ広がる様子はない。
しゃがむのは平気なようなので腰を屈めてナランチャのカビを拭いてみる。
「冷てっ!」
「叩くように拭くんだっけ? こんな事なら父さんの大掃除もっと手伝っておけば良かった」
家事が得意な父だ。
カビにアルコールはあまり効果が無かった。ウイスキーだからなのかスタンド能力によるものだからかは分からない。
車を盗むことに成功したらしいブチャラティに呼ばれてジョルノが外へ出て行く。そのジョルノへ言われてトムもタオルを持って上半身だけ亀の外へ出た。
亀の中への出入りがかびの生える条件である『下がる』ことになるのかは分からないが、ナランチャが亀の中へ入ってもカビが増えていないことを考えると亀の出入りは大丈夫なのかも知れない。
傷をジョルノへ治してもらったミスタが出血を押さえながら仮眠をとる。疲れたのと負傷したのとですぐに寝入ってしまったミスタに、ジョルノが運転席にいるブチャラティへ話しかけた。
が、ブチャラティは答えない。
急カーブを走る車にジョルノがバランスを崩し、ブチャラティの肩を叩こうとしていたジョルノの手がブチャラティの首筋へ触れた。ジョルノが何かへ気付いたように息を飲む。
「――ジョルノ」
「……トム」
青ざめた顔をしてジョルノがトムを見た。ブチャラティが気付いたのかバックミラー越しにジョルノを見やり、それから自分の右手の深い傷に気付く。
彼の右手の傷は折れた骨が突き出しており、普通なら運転なんてしていられないほど痛いはずだった。
「もうあまり、時間がなくなってきたな」
上へ行く分にはカビは反応しない。ということはトムが箒へ乗るなり飛ぶなりして移動したらもっと安全な気がする。その為にはまず箒が必要だが。
こういう時父のアマネの転移能力が羨ましくなる。そもそもあの人はカビも関係ないのだろうが。
「カビの除去にはアルコールがいいんだけど、スタンド能力のカビにも効くと思う?」
「冷蔵庫へ酒があったわ。ミスタ達が飲み干してなければだけど」
「一滴でもあれば増やせるけど。……試しにナランチャを拭いてみるか」
冷蔵庫の中にはウイスキーが入っていた。それをとる程度ならなんとかカビは生えず、トムはそれを布へ染み込ませてナランチャへと近付く。ソファへ横になっているナランチャに付着していたカビは、今のところ広がる様子はない。
しゃがむのは平気なようなので腰を屈めてナランチャのカビを拭いてみる。
「冷てっ!」
「叩くように拭くんだっけ? こんな事なら父さんの大掃除もっと手伝っておけば良かった」
家事が得意な父だ。
カビにアルコールはあまり効果が無かった。ウイスキーだからなのかスタンド能力によるものだからかは分からない。
車を盗むことに成功したらしいブチャラティに呼ばれてジョルノが外へ出て行く。そのジョルノへ言われてトムもタオルを持って上半身だけ亀の外へ出た。
亀の中への出入りがかびの生える条件である『下がる』ことになるのかは分からないが、ナランチャが亀の中へ入ってもカビが増えていないことを考えると亀の出入りは大丈夫なのかも知れない。
傷をジョルノへ治してもらったミスタが出血を押さえながら仮眠をとる。疲れたのと負傷したのとですぐに寝入ってしまったミスタに、ジョルノが運転席にいるブチャラティへ話しかけた。
が、ブチャラティは答えない。
急カーブを走る車にジョルノがバランスを崩し、ブチャラティの肩を叩こうとしていたジョルノの手がブチャラティの首筋へ触れた。ジョルノが何かへ気付いたように息を飲む。
「――ジョルノ」
「……トム」
青ざめた顔をしてジョルノがトムを見た。ブチャラティが気付いたのかバックミラー越しにジョルノを見やり、それから自分の右手の深い傷に気付く。
彼の右手の傷は折れた骨が突き出しており、普通なら運転なんてしていられないほど痛いはずだった。
「もうあまり、時間がなくなってきたな」