五部
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「四本目!?」
思わずトムが叫ぶと、通信の向こう側で相手が少し間を置いた。
『今、『四』本目ト言ッタカネ? 組織ニアッタノハ一本ダロウ?』
「何故お前がこれを持っている!?」
『……ワタシノ話ヤ過去ハ後デ聞カセテアゲヨウ。君タチはワタシノトコロまでコレヲ取リに来ルノダ』
相手はスタンドの矢に秘められた叡智があり、それこそが組織のボスを倒すたった一つの最後の手段だという。
スタンドの矢は人を選び、選んだ者へ磁力の様にひきつき時には自発的に刺さってはスタンド使いを生み出す。それがトムの知っている事だ。矢に貫かれた者へ素質があれば生き残り、スタンド能力を手に入れる。
通信相手は、そのスタンド使いを生み出す『矢』の材質が、グリーンランドにあるケープヨークで採れる隕石だという。
ケープヨークは昔から隕石が大量に飛来していた地とされており、実際そこの鉱物資源調査中に死んだ者の中へスタンドに似たものと思われる能力へ目覚めかけた者もいたらしい。
そうしてその隕石から作られたのが、『スタンドの矢』である。
「ボスが『矢』を軽く扱っていたのは確かだ。既に破壊されている。だがアンタはこれをどうやって手に入れた?」
『説明シタ様にこの『ウイルス』は人を選ぶ。この世に矢が何本あるのかは知らないが、『矢』の方が素質ある者を引きつけるのだ。わたしはエジプトで偶然手に入れた』
「――待って! 今『エジプト』って言った!?」
パソコンの通話口へ身を乗り出す。トムのいきなりの行動にブチャラティ達が驚いているが、構っていられない。
「エジプトって事は、『エンヤ婆』から買ったの!?」
『! ――君ハ誰だ。何故その名前ヲ』
「答えて!」
『……エンヤ婆からではない』
「トム? エンヤ婆とは誰だ?」
ブチャラティが尋ねてくる。
「……。僕は今の写真を含めて四本の『矢』を知ってる。一本は貴方が持ってる奴。二本目は組織のボスが持ってた物。後の二本は一本が壊れて、もう一本はとある場所に保管されてる」
二年前、スピードワゴン財団へ回収された一本と、同時期に日本で破壊された一本。実物などトムだって箱へ納める時にチラリと見た程度ではあるが、確かに見ているし知っている。
「その『二本』を売ったのがエンヤ婆という老婆だったって聞いてる。エジプトで……十二年前、父さんの知人が倒した」
通信の相手が息を飲むように黙りこんだ。
「父さんは矢も探してる。貴方が矢のことを知ってるのなら、僕は貴方へ会いたい」
思わずトムが叫ぶと、通信の向こう側で相手が少し間を置いた。
『今、『四』本目ト言ッタカネ? 組織ニアッタノハ一本ダロウ?』
「何故お前がこれを持っている!?」
『……ワタシノ話ヤ過去ハ後デ聞カセテアゲヨウ。君タチはワタシノトコロまでコレヲ取リに来ルノダ』
相手はスタンドの矢に秘められた叡智があり、それこそが組織のボスを倒すたった一つの最後の手段だという。
スタンドの矢は人を選び、選んだ者へ磁力の様にひきつき時には自発的に刺さってはスタンド使いを生み出す。それがトムの知っている事だ。矢に貫かれた者へ素質があれば生き残り、スタンド能力を手に入れる。
通信相手は、そのスタンド使いを生み出す『矢』の材質が、グリーンランドにあるケープヨークで採れる隕石だという。
ケープヨークは昔から隕石が大量に飛来していた地とされており、実際そこの鉱物資源調査中に死んだ者の中へスタンドに似たものと思われる能力へ目覚めかけた者もいたらしい。
そうしてその隕石から作られたのが、『スタンドの矢』である。
「ボスが『矢』を軽く扱っていたのは確かだ。既に破壊されている。だがアンタはこれをどうやって手に入れた?」
『説明シタ様にこの『ウイルス』は人を選ぶ。この世に矢が何本あるのかは知らないが、『矢』の方が素質ある者を引きつけるのだ。わたしはエジプトで偶然手に入れた』
「――待って! 今『エジプト』って言った!?」
パソコンの通話口へ身を乗り出す。トムのいきなりの行動にブチャラティ達が驚いているが、構っていられない。
「エジプトって事は、『エンヤ婆』から買ったの!?」
『! ――君ハ誰だ。何故その名前ヲ』
「答えて!」
『……エンヤ婆からではない』
「トム? エンヤ婆とは誰だ?」
ブチャラティが尋ねてくる。
「……。僕は今の写真を含めて四本の『矢』を知ってる。一本は貴方が持ってる奴。二本目は組織のボスが持ってた物。後の二本は一本が壊れて、もう一本はとある場所に保管されてる」
二年前、スピードワゴン財団へ回収された一本と、同時期に日本で破壊された一本。実物などトムだって箱へ納める時にチラリと見た程度ではあるが、確かに見ているし知っている。
「その『二本』を売ったのがエンヤ婆という老婆だったって聞いてる。エジプトで……十二年前、父さんの知人が倒した」
通信の相手が息を飲むように黙りこんだ。
「父さんは矢も探してる。貴方が矢のことを知ってるのなら、僕は貴方へ会いたい」