五部
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アバッキオが死んだ。
トリッシュが死んでいないことを意識的に掴んでいたのだろうボスによるものか、まだトリッシュを追っていた者の手かは分からない。ただ、皆が目を離したつかの間の出来事だった。
スタンド能力で十五年前にトリッシュの母親を撮影した人物を『再生』しようとしていたから、優先的に狙われていたのだろう。トムが亀の外へ出ていたとしても助けられたとは思えなかった。トムはただの魔法使いだ。
無力さに嘆いている暇もない。アバッキオが殺されたという事は確実に追っ手が一人はいるということ。一刻も早くこの場を去るか、次の手がかりを得なければならない。
そして、次へ繋がる手がかりはアバッキオが遺してくれていた。
石碑へめり込んで残っていた何者かのデスマスク。最後の力を振り絞って『再生』したトリッシュの父親の顔を、石面へ押しつけてクッキリと残していたのである。
デスマスクである故に開かれた目の形も、強く押しつけた故に手の指紋までもハッキリと分かった。型を取れば立体的に視認できる。
「……アバッキオの魂に、義伯父さんの加護がありますように」
アバッキオの遺体を見て、それだけを言うのがやっとだった。
型を取って石碑の傍を後にし、ミスタとナランチャが外で亀を持って移動している間に、トム達は亀の中でデスマスクから確認できた指紋や顔から該当者を探す。パソコンをネットへ繋げることは亀の中でも出来たので、そこから国際警察や地元警察のデータベースへ侵入した。
結果は芳しくない。当然だがそういった公的の機関に残されていたであろう記録は、ボスが既に削除しているだろう。実の娘の勘まで恐れて始末しようとする者がそんな情報を残しておくとは思えない。
同様に、死人の指紋にも該当者がいなかった。となればもう、デスマスクから十五年にこの顔を見たことのある人物を捜すしか手だてが無い。
せめて父のアマネへ連絡が取れたらとトムが歯噛みしたところで、逆探知をされたらしく音声通信が入ってきた。
『『ディアボロ』ヲ倒シタイノダロウ!? ワタシハ味方ダ!』
そんなに都合良く味方が現れるかと思ったが、ブチャラティが警戒しつつ話を続けさせる。
何か理由があって既に戦えない姿になっているというその通信の向こうの相手は、ボスのスタンドを知っていた。『時を吹き飛ばす』というその能力へ弱点が無いと言いながら、倒す可能性は知っているという。
ローマへ来てくれと言う通信相手が、その理由として一つの画像を送ってきた。
『矢』の画像だ。
トリッシュが死んでいないことを意識的に掴んでいたのだろうボスによるものか、まだトリッシュを追っていた者の手かは分からない。ただ、皆が目を離したつかの間の出来事だった。
スタンド能力で十五年前にトリッシュの母親を撮影した人物を『再生』しようとしていたから、優先的に狙われていたのだろう。トムが亀の外へ出ていたとしても助けられたとは思えなかった。トムはただの魔法使いだ。
無力さに嘆いている暇もない。アバッキオが殺されたという事は確実に追っ手が一人はいるということ。一刻も早くこの場を去るか、次の手がかりを得なければならない。
そして、次へ繋がる手がかりはアバッキオが遺してくれていた。
石碑へめり込んで残っていた何者かのデスマスク。最後の力を振り絞って『再生』したトリッシュの父親の顔を、石面へ押しつけてクッキリと残していたのである。
デスマスクである故に開かれた目の形も、強く押しつけた故に手の指紋までもハッキリと分かった。型を取れば立体的に視認できる。
「……アバッキオの魂に、義伯父さんの加護がありますように」
アバッキオの遺体を見て、それだけを言うのがやっとだった。
型を取って石碑の傍を後にし、ミスタとナランチャが外で亀を持って移動している間に、トム達は亀の中でデスマスクから確認できた指紋や顔から該当者を探す。パソコンをネットへ繋げることは亀の中でも出来たので、そこから国際警察や地元警察のデータベースへ侵入した。
結果は芳しくない。当然だがそういった公的の機関に残されていたであろう記録は、ボスが既に削除しているだろう。実の娘の勘まで恐れて始末しようとする者がそんな情報を残しておくとは思えない。
同様に、死人の指紋にも該当者がいなかった。となればもう、デスマスクから十五年にこの顔を見たことのある人物を捜すしか手だてが無い。
せめて父のアマネへ連絡が取れたらとトムが歯噛みしたところで、逆探知をされたらしく音声通信が入ってきた。
『『ディアボロ』ヲ倒シタイノダロウ!? ワタシハ味方ダ!』
そんなに都合良く味方が現れるかと思ったが、ブチャラティが警戒しつつ話を続けさせる。
何か理由があって既に戦えない姿になっているというその通信の向こうの相手は、ボスのスタンドを知っていた。『時を吹き飛ばす』というその能力へ弱点が無いと言いながら、倒す可能性は知っているという。
ローマへ来てくれと言う通信相手が、その理由として一つの画像を送ってきた。
『矢』の画像だ。