五部
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コクピット全体がゴムのように柔らかくなり、ドアを境に切り離される。ブチャラティ達が全身を突っ張ることでゴム状の壁や床が伸び、そこへ空気が入り込む事でパラシュートの様に膨らみ、落下速度がゆっくりとなった。
逆に重力へ引っ張られたままの落下速度で墜落していく客室側の機体は、スライム状のスタンドをへばりつかせたままティレニア海へと落ちていく。民家などがある大陸の上で墜落しなくて本当に良かった。
アバッキオの近くに残っていた追跡スタンドの残滓も、ブチャラティとトリッシュが片づける。まさかコクピットをパラシュートにして逃げるとは思わないだろうし、実質これで墜落した飛行機共々トム達の生死も不明になり、追っ手が追跡してくるのは困難になっただろう。
ブチャラティの肩にいたナギニがトリッシュへ近づき、何かを話しかけている。だがトリッシュは自分へ近付いてきたナギニへ不思議がっているだけだった。
「トリッシュお姉さん。コクピットの縁だけ固さを戻せるかってナギニが」
「え? ええ出来るわよ。ちょっと待ってね」
トリッシュが膨らんでいるコクピットの縁を見やる。するとナギニが降りてその縁へ沿うように伸びた。長さが足りないとトムへ訴えてきたのでトムが雲の炎の量を増やしてナギニを巨大化させると、ナギニは満足そうに縁へ沿って体を固定させ尾をくわえる。
そうすることで空気の入り口が固定され臨時パラシュートも安定した。体を突っ張っている必要が無くなったブチャラティとアバッキオが不思議そうにトムとナギニを見る。
「お前コイツの言葉分かるのかよ。つかなんでデカくなれるんだコイツ」
「ナギニだけじゃなくて蛇の言葉は喋れるし理解も出来るよ。大きくなれるのは元々大きい蛇だからさ」
「もう魔法使いは何でも有りだな」
ゆっくりと降下したゴム状のコクピットが着水した。内側へ空気を含ませるように一度水中へ潜ってからそれを浮き輪代わりに海面へ出て、上へ乗って周囲を見回す。中心へ乗っていれば内側にある空気が逃げることはそう無く、バランスを崩さなければ暫くは乗っていられるだろう。
墜落した飛行機は遠い。仮にあの場所からスタンドがこちらへ来るとしても波によって邪魔されて難しいだろう。その間にトム達はゆっくりと確実に離れなければならない。
「島まで誰かが泳いで進むか?」
「おい魔法使い。何か方法ねえのか」
「ナギニに引っ張ってもらおう」
雲の炎を注ぎ足して、更に恐竜並に巨大化したナギニが水面から顔だけを覗かせ、それからトム達の乗っているゴムコクピットを頭へ乗せて泳ぎだした。
「……ホントに大きいのね、この子」
「まだこの大きさだと小さいかな。ナギニは《蛇の王》だから」
「……ネッシーに乗ったらこんな気分だろうか?」
逆に重力へ引っ張られたままの落下速度で墜落していく客室側の機体は、スライム状のスタンドをへばりつかせたままティレニア海へと落ちていく。民家などがある大陸の上で墜落しなくて本当に良かった。
アバッキオの近くに残っていた追跡スタンドの残滓も、ブチャラティとトリッシュが片づける。まさかコクピットをパラシュートにして逃げるとは思わないだろうし、実質これで墜落した飛行機共々トム達の生死も不明になり、追っ手が追跡してくるのは困難になっただろう。
ブチャラティの肩にいたナギニがトリッシュへ近づき、何かを話しかけている。だがトリッシュは自分へ近付いてきたナギニへ不思議がっているだけだった。
「トリッシュお姉さん。コクピットの縁だけ固さを戻せるかってナギニが」
「え? ええ出来るわよ。ちょっと待ってね」
トリッシュが膨らんでいるコクピットの縁を見やる。するとナギニが降りてその縁へ沿うように伸びた。長さが足りないとトムへ訴えてきたのでトムが雲の炎の量を増やしてナギニを巨大化させると、ナギニは満足そうに縁へ沿って体を固定させ尾をくわえる。
そうすることで空気の入り口が固定され臨時パラシュートも安定した。体を突っ張っている必要が無くなったブチャラティとアバッキオが不思議そうにトムとナギニを見る。
「お前コイツの言葉分かるのかよ。つかなんでデカくなれるんだコイツ」
「ナギニだけじゃなくて蛇の言葉は喋れるし理解も出来るよ。大きくなれるのは元々大きい蛇だからさ」
「もう魔法使いは何でも有りだな」
ゆっくりと降下したゴム状のコクピットが着水した。内側へ空気を含ませるように一度水中へ潜ってからそれを浮き輪代わりに海面へ出て、上へ乗って周囲を見回す。中心へ乗っていれば内側にある空気が逃げることはそう無く、バランスを崩さなければ暫くは乗っていられるだろう。
墜落した飛行機は遠い。仮にあの場所からスタンドがこちらへ来るとしても波によって邪魔されて難しいだろう。その間にトム達はゆっくりと確実に離れなければならない。
「島まで誰かが泳いで進むか?」
「おい魔法使い。何か方法ねえのか」
「ナギニに引っ張ってもらおう」
雲の炎を注ぎ足して、更に恐竜並に巨大化したナギニが水面から顔だけを覗かせ、それからトム達の乗っているゴムコクピットを頭へ乗せて泳ぎだした。
「……ホントに大きいのね、この子」
「まだこの大きさだと小さいかな。ナギニは《蛇の王》だから」
「……ネッシーに乗ったらこんな気分だろうか?」