五部
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問題なく離陸して車輪脚を格納する。高度も高く安定した飛行を維持したところで、手動操縦から自動操縦へ切り替えた。
緊急事態が発生した時といったとっさの対応には身構えていなければならないが、これで基本やることはない。全く現代社会の科学力の進歩が恐ろしいと考えていれば、隣の副操縦席へ座っていたアバッキオが見つめてきていた。
「何? 僕の見た目をやっと理解した感じ?」
「なワケねえだろ。……つくづく変なヤツだと思ってただけだ」
窓の外には雲以外には空の青色しか見えない。
「まぁ、オニーサン達から見たらそうだろうね。僕は面白いものや気になることがあったら観察したくなるだけなんだけど、普通はそうじゃない」
トムは面白いことが好きだ。正確には自分の知らないことを知るのが楽しくて仕方がない。
魔法や魔術に限らず、ペルソナの事や匣兵器のこと。スタンドのことだってトムは知りたいと思う。そういった能力的な事へ拘らず、人間関係や心理的な事に関してもだ。
そうしてトムは『自分を肯定したい』のである。
「様々な可能性を考えるのって面白くない?」
「……ガキの妄想だろ」
「妄想じゃないよ。オニーサン努力を認められない人?」
「徒労は嫌いだな」
「その努力が徒労かどうかなんて、結果が出ないと分からないよ。でもやらないと結果は出ないんだから、やっぱり僕は過程って大切だとも思う」
例えば、トムの『前世』の悪行に対して父が行動をしていなかったら。
行動していなかったら、魂を浄化して息子にまでするなんてしなかっただろう。そこまでする価値を見いだすという結果も無かったはずだ。
過程で何を知るのか、その行動から何を思うのかも重要だろう。だからトムは結果だけではなく観察も考察もする。
ジョルノのことだって、別にこうして一緒に行動せずとも数年経ってから調べる程度でも問題ない。けれどトムにとってはこうして一緒に行動する過程も大切なのだ。
「見えるものや残るものだけが全てじゃない。意志も大切なんだ。僕はそれを父さんから教えられた。『覚悟』ってそういうことだよ」
「……ただのファザコンなガキだと思ってたが、お前の親父は凄いヤツなんだな」
「父さんを褒める人はそれだけで素晴らしい人だ。アバッキオオニーサンも僕が思ってた以上に素晴らしいね」
「嬉しくねえ褒め言葉だ」
客室の気圧計が異常事態を知らせてきた。雑談を終わらせて急いで飛行に問題がないかを確かめていると、コクピットへブチャラティが入ってくる。
「何かあったの? 客室の気圧が変わったみたいだけど」
「ああ、問題発生だ」
「!――奇遇だね。こっちも問題発生だ」
緊急事態が発生した時といったとっさの対応には身構えていなければならないが、これで基本やることはない。全く現代社会の科学力の進歩が恐ろしいと考えていれば、隣の副操縦席へ座っていたアバッキオが見つめてきていた。
「何? 僕の見た目をやっと理解した感じ?」
「なワケねえだろ。……つくづく変なヤツだと思ってただけだ」
窓の外には雲以外には空の青色しか見えない。
「まぁ、オニーサン達から見たらそうだろうね。僕は面白いものや気になることがあったら観察したくなるだけなんだけど、普通はそうじゃない」
トムは面白いことが好きだ。正確には自分の知らないことを知るのが楽しくて仕方がない。
魔法や魔術に限らず、ペルソナの事や匣兵器のこと。スタンドのことだってトムは知りたいと思う。そういった能力的な事へ拘らず、人間関係や心理的な事に関してもだ。
そうしてトムは『自分を肯定したい』のである。
「様々な可能性を考えるのって面白くない?」
「……ガキの妄想だろ」
「妄想じゃないよ。オニーサン努力を認められない人?」
「徒労は嫌いだな」
「その努力が徒労かどうかなんて、結果が出ないと分からないよ。でもやらないと結果は出ないんだから、やっぱり僕は過程って大切だとも思う」
例えば、トムの『前世』の悪行に対して父が行動をしていなかったら。
行動していなかったら、魂を浄化して息子にまでするなんてしなかっただろう。そこまでする価値を見いだすという結果も無かったはずだ。
過程で何を知るのか、その行動から何を思うのかも重要だろう。だからトムは結果だけではなく観察も考察もする。
ジョルノのことだって、別にこうして一緒に行動せずとも数年経ってから調べる程度でも問題ない。けれどトムにとってはこうして一緒に行動する過程も大切なのだ。
「見えるものや残るものだけが全てじゃない。意志も大切なんだ。僕はそれを父さんから教えられた。『覚悟』ってそういうことだよ」
「……ただのファザコンなガキだと思ってたが、お前の親父は凄いヤツなんだな」
「父さんを褒める人はそれだけで素晴らしい人だ。アバッキオオニーサンも僕が思ってた以上に素晴らしいね」
「嬉しくねえ褒め言葉だ」
客室の気圧計が異常事態を知らせてきた。雑談を終わらせて急いで飛行に問題がないかを確かめていると、コクピットへブチャラティが入ってくる。
「何かあったの? 客室の気圧が変わったみたいだけど」
「ああ、問題発生だ」
「!――奇遇だね。こっちも問題発生だ」