五部
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ヴェネツィアへ入る時のリベルタ橋で遭遇した超低温を駆使するスタンド使いにも言えたことだが、人間の人体は殆どが水分で構成されている。故に水を操る能力というのは殆どの人間にとって恐怖の対象であるはずだ。
しかし、今ナギニとナランチャが見たらしいスタンドは、水の中を移動するとはいえど人間の体内へ移動した様子はなかった。つまり人間の中の水分へは移動できないと考えていいだろう。
もしくは見えない場所への移動が無理なのか。
ナギニが路地を張っていく。トムは周囲を見回して怪しい人物を捜した。同じように周囲を警戒するジョルノが背中合わせに立つ。
「トム、君はどう考える?」
「スタンドのこと? 本体のこと?」
「両方だ」
「……そうだね。スタンドに関して言うなら遠隔操作型だと思う。でも遠隔操作の弱点は」
「単調な動きしか出来ない」
「そうだ。けれどさっきのアレは明確に判断して逃げた。だからさっきのアレには、近くに本体がいる」
ジョルノと一緒に遠隔操作系スタンドと対峙してから、まだ一週間も経っていない。当然それから何人ものスタンド使いと戦っている以上、そのことを忘れていられたら困る。
「何処にいると思う?」
「僕が敵なら蛇がスタンドを退けた事に驚いて、その蛇とあまり情報がないはずの新入りと謎の子供を観察するね。つまり僕とジョルノが見える位置にいる」
背中合わせに立っているジョルノとトムを敵は見ているはずだ。ジョルノのスタンド能力がどんなものであるのか、もしくはトムが何者かを探ろうとする。ブチャラティ達の暗殺任務が失敗しても、そうしておけば情報だけは手に入れられるからだ。
町中に怪しい人影はない。アバッキオ達もジョルノとトム同様周囲を警戒している。
「そういえばジョルノ知ってる? 蛇って嗅覚が発達してるんだよ」
「そうなんだ」
「視力はあまり良くないのだけれど嗅覚は凄い。ナギニはとっても特別な“バジリスク”だからね。しかもナギニは頭もいい」
きっとジョルノは後ろで、何故このタイミングでそんな話を始めたのかと不思議がっているだろう。トムもナギニの自慢になるからいいが、喋っているのは疲れる。
「つまり何が言いたいかっていうと、ナギニは怪しい殺し屋の匂いくらい分かるってことなんだ」
向かいの建物の屋根の上から男の悲鳴が聞こえた。そちらを見ればドサリと男が落ちてくる。
屋根の上にはもう一人男が残っていた。威嚇するナギニからこちらへ視線を投げ、自身の振りを悟ったのか逃げようとする。
その後ろ姿へブチャラテチィ達も気づいた。すぐにミスタが銃を構えナランチャが腕を伸ばすのに、トムはナギニへ向かって手を伸ばす。
「ナギニ!」
屋根の上から匣へナギニが戻ってくるのを、間髪置かず再び匣から出してチャクラムにし、投げる。だがその必要は無かったようで、チャクラムが当たる前に男は撃たれて倒れていた。
しかし、今ナギニとナランチャが見たらしいスタンドは、水の中を移動するとはいえど人間の体内へ移動した様子はなかった。つまり人間の中の水分へは移動できないと考えていいだろう。
もしくは見えない場所への移動が無理なのか。
ナギニが路地を張っていく。トムは周囲を見回して怪しい人物を捜した。同じように周囲を警戒するジョルノが背中合わせに立つ。
「トム、君はどう考える?」
「スタンドのこと? 本体のこと?」
「両方だ」
「……そうだね。スタンドに関して言うなら遠隔操作型だと思う。でも遠隔操作の弱点は」
「単調な動きしか出来ない」
「そうだ。けれどさっきのアレは明確に判断して逃げた。だからさっきのアレには、近くに本体がいる」
ジョルノと一緒に遠隔操作系スタンドと対峙してから、まだ一週間も経っていない。当然それから何人ものスタンド使いと戦っている以上、そのことを忘れていられたら困る。
「何処にいると思う?」
「僕が敵なら蛇がスタンドを退けた事に驚いて、その蛇とあまり情報がないはずの新入りと謎の子供を観察するね。つまり僕とジョルノが見える位置にいる」
背中合わせに立っているジョルノとトムを敵は見ているはずだ。ジョルノのスタンド能力がどんなものであるのか、もしくはトムが何者かを探ろうとする。ブチャラティ達の暗殺任務が失敗しても、そうしておけば情報だけは手に入れられるからだ。
町中に怪しい人影はない。アバッキオ達もジョルノとトム同様周囲を警戒している。
「そういえばジョルノ知ってる? 蛇って嗅覚が発達してるんだよ」
「そうなんだ」
「視力はあまり良くないのだけれど嗅覚は凄い。ナギニはとっても特別な“バジリスク”だからね。しかもナギニは頭もいい」
きっとジョルノは後ろで、何故このタイミングでそんな話を始めたのかと不思議がっているだろう。トムもナギニの自慢になるからいいが、喋っているのは疲れる。
「つまり何が言いたいかっていうと、ナギニは怪しい殺し屋の匂いくらい分かるってことなんだ」
向かいの建物の屋根の上から男の悲鳴が聞こえた。そちらを見ればドサリと男が落ちてくる。
屋根の上にはもう一人男が残っていた。威嚇するナギニからこちらへ視線を投げ、自身の振りを悟ったのか逃げようとする。
その後ろ姿へブチャラテチィ達も気づいた。すぐにミスタが銃を構えナランチャが腕を伸ばすのに、トムはナギニへ向かって手を伸ばす。
「ナギニ!」
屋根の上から匣へナギニが戻ってくるのを、間髪置かず再び匣から出してチャクラムにし、投げる。だがその必要は無かったようで、チャクラムが当たる前に男は撃たれて倒れていた。