五部
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回収したディスクの中へあったのは、トリッシュをどこでどうボスへ受け渡すのかという内容だった。水の都ヴェネツィアでも教会が建てられているだけの『サン・ジョルジョ・マジョーレ島』へ、トリッシュと護衛一人だけが上陸して大鐘楼塔の上へとトリッシュを連れてこいというそれに、トムとしては箒で上空から付いていったら怒られるだろうかと思った。だが今はまだ切断した腕の痛みが残っていて箒を掴んでいられそうにない。
アバッキオ達はこれで任務が完了すると気を抜き掛けている。ネアポリスへ帰る前にヴェネツィアで美味しい物を食べていこうとミスタが提案していた。
「トムも何かうまいモン食いたいだろ?」
「それよりナギニをお風呂へ入れてのんびりさせてあげたいな。鱗が少し傷ついちゃって」
「風呂で治んのか」
「お湯に浸かってのんびりするのがナギニの趣味だよ」
「おいナランチャ! レーダーを見張っていろ! てめーらもまだ気抜いてんじゃあねえッ!」
ブチャラティに怒られる。大詰めだから気を張っているのかと思うくらい今までより苛々している様子に、ナギニが舌を揺らしてトムの頬へ頬摺りをしてきた。
ジョルノが服へ付けていたテントウ虫のブローチを任務成功の御守りとして、ブチャラティが借りていく。今更そんな御守りに頼るなんてするとは思えなかったが、トムは何も言わなかった。
ブチャラティがトリッシュと一緒に島へ上陸する。トムも船へ残ってそれを見送った。すぐ近くで猫が二匹遊んでいる。
「猫こっちに来ないかな」
「エサでもやれば来るんじゃないですか?」
「父さんだったら呼ぶだけで来るんだよ。……そういえば父さんに電話してないや」
「出たぜトムのファザコン! パードレに心配かけちゃう~ってか」
「ブチャラティお兄さんが戻ってきたら電話しても良いかな」
「無視かよ」
「大丈夫じゃないですか? それにしてもトムのお父さんは何をしてる人なんです? あ、ジョルノ、そこの水を取ってくれないか?」
「僕の父さんは――だよ。……?」
フーゴの質問へ返したのだが、自分がなんと言ったのか自分でも分からなかった。フーゴも聞こえなかったのか首を傾げている。
ミスタが隠れて買っていたチョコをナランチャが見つけて、もらおうとしていたのが“いつの間にか”口の中へ入っていた。フーゴが“いつの間にか”ジョルノから受け取った水を飲んでいる。
何かがおかしい。そのことにジョルノも気付いたらしく、島へと上陸する。それを止めようとボートから片足を踏み出しただけだった筈のアバッキオが、“いつの間にか”数メートル先へ進んでいた。
アバッキオ達はこれで任務が完了すると気を抜き掛けている。ネアポリスへ帰る前にヴェネツィアで美味しい物を食べていこうとミスタが提案していた。
「トムも何かうまいモン食いたいだろ?」
「それよりナギニをお風呂へ入れてのんびりさせてあげたいな。鱗が少し傷ついちゃって」
「風呂で治んのか」
「お湯に浸かってのんびりするのがナギニの趣味だよ」
「おいナランチャ! レーダーを見張っていろ! てめーらもまだ気抜いてんじゃあねえッ!」
ブチャラティに怒られる。大詰めだから気を張っているのかと思うくらい今までより苛々している様子に、ナギニが舌を揺らしてトムの頬へ頬摺りをしてきた。
ジョルノが服へ付けていたテントウ虫のブローチを任務成功の御守りとして、ブチャラティが借りていく。今更そんな御守りに頼るなんてするとは思えなかったが、トムは何も言わなかった。
ブチャラティがトリッシュと一緒に島へ上陸する。トムも船へ残ってそれを見送った。すぐ近くで猫が二匹遊んでいる。
「猫こっちに来ないかな」
「エサでもやれば来るんじゃないですか?」
「父さんだったら呼ぶだけで来るんだよ。……そういえば父さんに電話してないや」
「出たぜトムのファザコン! パードレに心配かけちゃう~ってか」
「ブチャラティお兄さんが戻ってきたら電話しても良いかな」
「無視かよ」
「大丈夫じゃないですか? それにしてもトムのお父さんは何をしてる人なんです? あ、ジョルノ、そこの水を取ってくれないか?」
「僕の父さんは――だよ。……?」
フーゴの質問へ返したのだが、自分がなんと言ったのか自分でも分からなかった。フーゴも聞こえなかったのか首を傾げている。
ミスタが隠れて買っていたチョコをナランチャが見つけて、もらおうとしていたのが“いつの間にか”口の中へ入っていた。フーゴが“いつの間にか”ジョルノから受け取った水を飲んでいる。
何かがおかしい。そのことにジョルノも気付いたらしく、島へと上陸する。それを止めようとボートから片足を踏み出しただけだった筈のアバッキオが、“いつの間にか”数メートル先へ進んでいた。