五部
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「『覚悟』とは! 暗闇の荒野に、進むべき道を切り開くことだ!」
ジョルノとトムの腕から吹き出した鮮血が男へと降りかかる。そうすることによって見えなかったものの凍らされていた空気の壁へ赤色を付け、何もない場所が見えるようになった。
これならば跳弾しない場所を見つけて射抜くことが出来る。ミスタなら。
「確かに進むべき道が暗闇に見えたぜッ!」
銃を構えたミスタが引き金を引く。トムは腕の痛みでそれを見ていることすら出来なかった。
チャクラムの姿を止めたナギニが、必死に切断したトムの腕へと絡みついて止血しようとする。下手に紐で止血するより強固なそれに、トムは地面へ膝を突いて落ちた腕を引き寄せた。
父のアマネならこのくらいでは弱音を吐かないだろうが、痛くて堪らない。やはり父の真似をするのは無謀すぎだと思っていると、岸へ上がってきたジョルノが駆け寄ってくる。
「トム! トムッ!」
「……いたい」
「しっかりして! 今腕を直しますから! ナギニ、そのまま止血してあげててください!」
ジョルノのスタンド能力でトムの腕が生えた。けれども痛みは残っていて、日本にいる仗助だったなら痛みも無く治してもらえただろうかと少し思う。あまり関係は良い気がしないけれど、彼は優しいからトムの傷だって治してくれる。
見えない防御壁があるのなら見えるようにすればいい。そう思いついたのは列車での襲撃の後、トリッシュの近くのあった手形を思い出したからだ。
見えなくとも存在はする。見えないけれど“在る”のなら他の質量が影響を受ける。ならばその影響を見つければいい。
けれどもやっぱり腕を切ったのはやりすぎだった。
痛みをこらえてうずくまっているトムを置いて、ジョルノがミスタの元へ向かっていく。ジョルノも折れた腕を叩きつけたりしているというのによく動けるなと思ったが、これが痛みに慣れているかどうかの違いなのだろう。
トムは魔法使いでゲームの中でも後衛ポジションにいるような人間だ。チャクラムだって本来は投擲武器である。
こんな、怪我をする立場ではない。
「……父さんにバレたら、泣かれるな」
少し引いた痛みに大きく息を吐いて立ち上がる。ナギニが心配そうに顔を寄せてくるのに顔を上げれば、男は既に倒れていてジョルノだけが立っていた。
ミスタも何故か何発もの銃弾を受けた様に血だらけになって倒れている。立ち上がったトムに気づいたらしいジョルノが振り返った。
「……ディスク、取ってるからミスタを治してあげてくれる?」
ジョルノとトムの腕から吹き出した鮮血が男へと降りかかる。そうすることによって見えなかったものの凍らされていた空気の壁へ赤色を付け、何もない場所が見えるようになった。
これならば跳弾しない場所を見つけて射抜くことが出来る。ミスタなら。
「確かに進むべき道が暗闇に見えたぜッ!」
銃を構えたミスタが引き金を引く。トムは腕の痛みでそれを見ていることすら出来なかった。
チャクラムの姿を止めたナギニが、必死に切断したトムの腕へと絡みついて止血しようとする。下手に紐で止血するより強固なそれに、トムは地面へ膝を突いて落ちた腕を引き寄せた。
父のアマネならこのくらいでは弱音を吐かないだろうが、痛くて堪らない。やはり父の真似をするのは無謀すぎだと思っていると、岸へ上がってきたジョルノが駆け寄ってくる。
「トム! トムッ!」
「……いたい」
「しっかりして! 今腕を直しますから! ナギニ、そのまま止血してあげててください!」
ジョルノのスタンド能力でトムの腕が生えた。けれども痛みは残っていて、日本にいる仗助だったなら痛みも無く治してもらえただろうかと少し思う。あまり関係は良い気がしないけれど、彼は優しいからトムの傷だって治してくれる。
見えない防御壁があるのなら見えるようにすればいい。そう思いついたのは列車での襲撃の後、トリッシュの近くのあった手形を思い出したからだ。
見えなくとも存在はする。見えないけれど“在る”のなら他の質量が影響を受ける。ならばその影響を見つければいい。
けれどもやっぱり腕を切ったのはやりすぎだった。
痛みをこらえてうずくまっているトムを置いて、ジョルノがミスタの元へ向かっていく。ジョルノも折れた腕を叩きつけたりしているというのによく動けるなと思ったが、これが痛みに慣れているかどうかの違いなのだろう。
トムは魔法使いでゲームの中でも後衛ポジションにいるような人間だ。チャクラムだって本来は投擲武器である。
こんな、怪我をする立場ではない。
「……父さんにバレたら、泣かれるな」
少し引いた痛みに大きく息を吐いて立ち上がる。ナギニが心配そうに顔を寄せてくるのに顔を上げれば、男は既に倒れていてジョルノだけが立っていた。
ミスタも何故か何発もの銃弾を受けた様に血だらけになって倒れている。立ち上がったトムに気づいたらしいジョルノが振り返った。
「……ディスク、取ってるからミスタを治してあげてくれる?」