五部
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「このまま岸に行くよ」
「いや待て。コイツをしとめるのが先だ!」
「ミスタ!」
「お前『オニーサン』はどうしたよ。……あの能力が完璧な訳ねえだろ。もし氷で完璧に包んでる防御なら、『呼吸』はどうしてんだよ。どこかから絶対に呼吸してるハズだろ。なら『空気』を取り入れる穴があるよなァ」
ミスタが銃を構える。男はこちらを睨みながら水を凍らせて伸ばしてきていた。
その立ち泳ぎをしている男の傍からは空泡が。
「弱点があるのなら、それはその穴だ!」
波立つ水面に出た男の首元へ飛んでいく銃弾。しかしそれは男を仰け反らせることは出来ても、空気穴はそこではなかったらしく致命傷を与えることは出来なかった。
「何の、つもりだ? ……え? まだ理解しねーのか!」
「失敗してるじゃないか! ただ撃てば当たると思ってるのならその銃捨てろ!」
「ミスタ! 草を集めるんだ!」
運河の凍らせられた水が、波を打って高くなった状態のまま凍ることでトムの足にまで届いてくる。氷によって周囲の空気もスタンドとは関係なく冷やされるのにナギニを匣へ戻し、トムは足へ絡み付いてきた氷を蹴り剥がした。
ジョルノに言われた通り、ミスタが水面へ浮かんでいる“車の部品だった”草を撃って飛び上がらせ、その部品を連続して撃つことで男のまとっていたスーツの額部分へ貫通させる。男の頭蓋を穿つことは出来なかったようだが、脳へ衝撃がいったのか男が水面へ沈んだ。
「トム! そのままミスタを岸へ! 今のうちに『例の物』を!」
部品がなくなり沈んでいくだけの車へしがみつきながらジョルノが叫ぶ。この場で追っ手を始末しておくべきだとも思うが、運河の中という敵にとって有利な場所で争い続けるよりは、確かにこの場は逃げるべきだろう。
箒を陸へと向けるが、トムの背後でミスタが箒から飛び降りた。バランスを崩して落ちたのかと思ったが、どうやら自分から降りたらしい。
「こいつは今始末する! 今しかねえッ! 殺るのは!」
馬鹿か。
水中へ潜り込んだミスタと、意識を取り戻したらしい男が水面へと浮かび上がってくる。案の定激昂している男に、ミスタが魚を撃って視線を逸らさせてから、スタンドによる跳弾を利用してうなじ辺りを撃とうとした。
だがそれは、男の周囲で何かが弾ける音がすることで失敗したのだと悟る。
超低温の制止の世界。なるほど男のスタンド能力は、決して水分だけを凍らせるのではない。
気体ですら、止められるのだ。
「いや待て。コイツをしとめるのが先だ!」
「ミスタ!」
「お前『オニーサン』はどうしたよ。……あの能力が完璧な訳ねえだろ。もし氷で完璧に包んでる防御なら、『呼吸』はどうしてんだよ。どこかから絶対に呼吸してるハズだろ。なら『空気』を取り入れる穴があるよなァ」
ミスタが銃を構える。男はこちらを睨みながら水を凍らせて伸ばしてきていた。
その立ち泳ぎをしている男の傍からは空泡が。
「弱点があるのなら、それはその穴だ!」
波立つ水面に出た男の首元へ飛んでいく銃弾。しかしそれは男を仰け反らせることは出来ても、空気穴はそこではなかったらしく致命傷を与えることは出来なかった。
「何の、つもりだ? ……え? まだ理解しねーのか!」
「失敗してるじゃないか! ただ撃てば当たると思ってるのならその銃捨てろ!」
「ミスタ! 草を集めるんだ!」
運河の凍らせられた水が、波を打って高くなった状態のまま凍ることでトムの足にまで届いてくる。氷によって周囲の空気もスタンドとは関係なく冷やされるのにナギニを匣へ戻し、トムは足へ絡み付いてきた氷を蹴り剥がした。
ジョルノに言われた通り、ミスタが水面へ浮かんでいる“車の部品だった”草を撃って飛び上がらせ、その部品を連続して撃つことで男のまとっていたスーツの額部分へ貫通させる。男の頭蓋を穿つことは出来なかったようだが、脳へ衝撃がいったのか男が水面へ沈んだ。
「トム! そのままミスタを岸へ! 今のうちに『例の物』を!」
部品がなくなり沈んでいくだけの車へしがみつきながらジョルノが叫ぶ。この場で追っ手を始末しておくべきだとも思うが、運河の中という敵にとって有利な場所で争い続けるよりは、確かにこの場は逃げるべきだろう。
箒を陸へと向けるが、トムの背後でミスタが箒から飛び降りた。バランスを崩して落ちたのかと思ったが、どうやら自分から降りたらしい。
「こいつは今始末する! 今しかねえッ! 殺るのは!」
馬鹿か。
水中へ潜り込んだミスタと、意識を取り戻したらしい男が水面へと浮かび上がってくる。案の定激昂している男に、ミスタが魚を撃って視線を逸らさせてから、スタンドによる跳弾を利用してうなじ辺りを撃とうとした。
だがそれは、男の周囲で何かが弾ける音がすることで失敗したのだと悟る。
超低温の制止の世界。なるほど男のスタンド能力は、決して水分だけを凍らせるのではない。
気体ですら、止められるのだ。