五部
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水の温度を低くすることで氷を作り出している。それが判明したところで問題は残っていた。一番の問題は人間の九割が水分であることだろうか。
敵の能力の精度がどんなものかは分からないが、やろうとすれば人間をそのまま凍らせることも可能である。車の上へ乗っていた段階でそれをしなかったということは出来ないのかも知れないが、用心に越したことはない。
目を離した隙にスリップしたのか故意にか車が運河へと突っ込んでいた。大量の水がある場でも車を中心に周囲の水が凍り始めている。流石に一気に運河の量の水を凍らせることは出来ないようだったが、それでも範囲は広い。
ボンネットをジョルノのスタンド能力で草にし、それをかき集めてワザと凍らせてソリにしたミスタが、凍った海面を駅前の岸辺へ向かって滑っていく。敵の男がそれに気付いてスタンド能力を解除し氷を溶かした。
「――ミスタ! 両手を上げろ!」
草と一緒に水面へ沈み掛けたミスタへ急接近する。トムの伸ばした手に気付いたミスタが血だらけの手を挙げるのに、それを掴んで急上昇した。
勢いを付けて宙返りし、ミスタを後ろへと座らせる。トムには成人男性を持ち上げられるだけの筋力はないが、箒へ二人乗り出来るくらいの魔力はあるのだ。
「鞍がないから落ちないようにね」
「ついでに股間強打にも気を付けるわ」
氷を解除し泳いでミスタを追いかけようとしていた男が、信じられないものでも見るようにトムを見た。
「なんだァ!? キサマァ! 新入りは一人だけだったろォがよぉ!」
やはりジョルノの情報は敵へ漏れているようだが、トムのことまでは伝わっていないらしい。ギャングと一緒にいる子供など真っ先に怪しんでもいいようなものだが、そういえば今のところ残党へ連絡を遺した者はトムの姿を目撃していないかも知れなかった。
列車の中で老化の能力のスタンド使いとモヒカン男はトムを見ているが、老化のスタンド使いの方はトムのことを知らせる前に死んだかも知れないし、モヒカン男は連絡する余裕が無かった筈だ。
「……超低温は『制止の世界』だ。低温世界では動ける物質はなにもなくなる。全てを止められる。オレの《ホワイト・アルバム》が完璧なのはそこなのだ! 爆走する機関車だろうと止められる! 荒巻く海だろうと止められる! その気になりゃあなあーッ!」
男が叫びながら水面へと手を叩きつける。その手元から音を立てて運河が凍り付いていくのに、トムは水から逃げるように高度を上げた。
「時間は止められないくせに。凍らせるくらいなら父さんの方が凄いし!」
敵の能力の精度がどんなものかは分からないが、やろうとすれば人間をそのまま凍らせることも可能である。車の上へ乗っていた段階でそれをしなかったということは出来ないのかも知れないが、用心に越したことはない。
目を離した隙にスリップしたのか故意にか車が運河へと突っ込んでいた。大量の水がある場でも車を中心に周囲の水が凍り始めている。流石に一気に運河の量の水を凍らせることは出来ないようだったが、それでも範囲は広い。
ボンネットをジョルノのスタンド能力で草にし、それをかき集めてワザと凍らせてソリにしたミスタが、凍った海面を駅前の岸辺へ向かって滑っていく。敵の男がそれに気付いてスタンド能力を解除し氷を溶かした。
「――ミスタ! 両手を上げろ!」
草と一緒に水面へ沈み掛けたミスタへ急接近する。トムの伸ばした手に気付いたミスタが血だらけの手を挙げるのに、それを掴んで急上昇した。
勢いを付けて宙返りし、ミスタを後ろへと座らせる。トムには成人男性を持ち上げられるだけの筋力はないが、箒へ二人乗り出来るくらいの魔力はあるのだ。
「鞍がないから落ちないようにね」
「ついでに股間強打にも気を付けるわ」
氷を解除し泳いでミスタを追いかけようとしていた男が、信じられないものでも見るようにトムを見た。
「なんだァ!? キサマァ! 新入りは一人だけだったろォがよぉ!」
やはりジョルノの情報は敵へ漏れているようだが、トムのことまでは伝わっていないらしい。ギャングと一緒にいる子供など真っ先に怪しんでもいいようなものだが、そういえば今のところ残党へ連絡を遺した者はトムの姿を目撃していないかも知れなかった。
列車の中で老化の能力のスタンド使いとモヒカン男はトムを見ているが、老化のスタンド使いの方はトムのことを知らせる前に死んだかも知れないし、モヒカン男は連絡する余裕が無かった筈だ。
「……超低温は『制止の世界』だ。低温世界では動ける物質はなにもなくなる。全てを止められる。オレの《ホワイト・アルバム》が完璧なのはそこなのだ! 爆走する機関車だろうと止められる! 荒巻く海だろうと止められる! その気になりゃあなあーッ!」
男が叫びながら水面へと手を叩きつける。その手元から音を立てて運河が凍り付いていくのに、トムは水から逃げるように高度を上げた。
「時間は止められないくせに。凍らせるくらいなら父さんの方が凄いし!」