五部
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トムが寝ている間に組織のボスからメールが来て、ヴェネツィアの国鉄サンタ・ルチア駅前にあるグリフォンの像の中へ隠したディスクを手に入れろと言う指示が来ていた。トリッシュをヴェネツィアへ連れて行けば任務完了じゃ無かったのかと思ったが、細かいことはきっと気にしてはいけないのだろう。
「出島状態のヴェネツィアへ行く方法は一本の橋だけ。……全く、トリッシュお姉さんの父親はお姉さんを守るつもりあるのかな」
「どうしてそんなことを言うんです?」
「ヴェネツィアじゃイザという時の逃亡経路が海か空にしかないからだよ。車で逃げるには絶対にリベルタ橋を渡る事になる。それともアレかな? お姉さんと会ったらお姉さんを海外逃亡させるとか?」
実際、パッショーネのボスはトムが思うに無能だ。少なくとも娘の可能性があるトリッシュを守るつもりは殆ど無さそうに思える。
カプリ島でトリッシュ護衛の任務を受けてから既に数十時間が経っているというのに、トリッシュを狙う裏切り者を処分したという知らせも、その裏切り者へ関する情報も寄越してこない。倒してきたとはいえ実は今までの追っ手が組織の中では有能な者達だったというのならまだ笑って許してもいいが、それだとジョルノやブチャラティ達はすこぶる有能ということになる。
観察したい相手が、そんなに軽々しく順調な未来を辿るのはあまり面白いとは言えなかった。
「ともかく今はディスクを手に入れることが重要だ」
トリッシュの安全を考え、作戦はこうである。
まず車でジョルノとミスタがリベルタ橋を渡り、駅前の像へ隠されているディスクを回収。亀を連れたナランチャがスタンド能力で周囲を警戒しながらボートでヴェネツィアへ上陸。
そしてトムはまだ暗い朝方であることを利用し、箒で空から追っ手がいないかの監視である。
「了承しておいてあれだけど、あまり飛びたくないんだよね」
「そもそも飛べるのが間違ってる」
「ミスタおにーさんも一緒に空の旅はどう?」
「い、いや……遠慮しとくぜ」
その辺の民家から勝手に拝借した箒を手に、トムはヴェネツィアへ向かうジョルノ達の車とナランチャが乗ったボートを見送った。それから空へと飛び上がり、ジョルノ達が乗る車を上空から追いかける。
トムが先にヴェネツィアへ行ってディスクを回収するという提案もしたのだが、ディスクの存在に気付いた敵へ先回りされていたら困るとブチャラティへ却下されていた。
「ブチャラティお兄さんは僕を侮ってるよね」
ナギニがそんなことはないと言ってくる。
「出島状態のヴェネツィアへ行く方法は一本の橋だけ。……全く、トリッシュお姉さんの父親はお姉さんを守るつもりあるのかな」
「どうしてそんなことを言うんです?」
「ヴェネツィアじゃイザという時の逃亡経路が海か空にしかないからだよ。車で逃げるには絶対にリベルタ橋を渡る事になる。それともアレかな? お姉さんと会ったらお姉さんを海外逃亡させるとか?」
実際、パッショーネのボスはトムが思うに無能だ。少なくとも娘の可能性があるトリッシュを守るつもりは殆ど無さそうに思える。
カプリ島でトリッシュ護衛の任務を受けてから既に数十時間が経っているというのに、トリッシュを狙う裏切り者を処分したという知らせも、その裏切り者へ関する情報も寄越してこない。倒してきたとはいえ実は今までの追っ手が組織の中では有能な者達だったというのならまだ笑って許してもいいが、それだとジョルノやブチャラティ達はすこぶる有能ということになる。
観察したい相手が、そんなに軽々しく順調な未来を辿るのはあまり面白いとは言えなかった。
「ともかく今はディスクを手に入れることが重要だ」
トリッシュの安全を考え、作戦はこうである。
まず車でジョルノとミスタがリベルタ橋を渡り、駅前の像へ隠されているディスクを回収。亀を連れたナランチャがスタンド能力で周囲を警戒しながらボートでヴェネツィアへ上陸。
そしてトムはまだ暗い朝方であることを利用し、箒で空から追っ手がいないかの監視である。
「了承しておいてあれだけど、あまり飛びたくないんだよね」
「そもそも飛べるのが間違ってる」
「ミスタおにーさんも一緒に空の旅はどう?」
「い、いや……遠慮しとくぜ」
その辺の民家から勝手に拝借した箒を手に、トムはヴェネツィアへ向かうジョルノ達の車とナランチャが乗ったボートを見送った。それから空へと飛び上がり、ジョルノ達が乗る車を上空から追いかける。
トムが先にヴェネツィアへ行ってディスクを回収するという提案もしたのだが、ディスクの存在に気付いた敵へ先回りされていたら困るとブチャラティへ却下されていた。
「ブチャラティお兄さんは僕を侮ってるよね」
ナギニがそんなことはないと言ってくる。