五部
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父のアマネは命を創れない。生殖機能も不全で、だからトムは彼の血の繋がった息子として生まれることは出来なかった。
対してジョルノはあのスタンド能力で、様々な生命を生み出すことが出来る。サービスエリアではトムがいない間に敵の襲撃を受け、それによって切断された足を補修したらしいのだからその応用力も驚きだ。
けれどもイブリスが言いたいのはそういう事ではないのだろう。
「キメラは創らないと思うよ」
「彼の能力はもっと“罪深い”モノを生み出す可能性がある」
「罪深いもの?」
「……まぁ、大丈夫と言えば大丈夫なんだろうが、それによってお前が傷つくのは本意ではないね。だから忠告だけしてあげる」
ソファへ寝そべったままイブリスがトムを指差した。
「お前の魂は特別だが、それ故お前はすぐに気付いてしまうだろう。お前の力でも“アイツ”の力でもどうにもならん。まぁ、ウォレットチェーンで多少は安定させることは出来るだろうが」
「……何の話?」
「見えるものだけが全てじゃねぇんだぁ。お前はちゃんと力を持っているね? お前が持つその魔法は、決して苦しめるだけじゃない」
バッと目を覚ます。
トムが寝入ってからどのくらい経ったのか、ダイニングチェアの周りへ集まっていたブチャラティ達が飛び起きたトムへ驚いていた。だが不思議そうにはしていないから、トムがうなされていたとかそういうことはなかったのだろう。
トムが飛び起きたせいで目が覚めてしまったらしいナギニが、服の下から出てくる。それを撫でて呼吸を落ち着かせながらトムはブチャラティ達を見た。
「……僕、寝言言ってなかった?」
「? 言ってねーけど?」
「そっか。ならいいんだ」
イブリスが何を言いたかったのかは分からない。見えるモノだけが全てではないとう言葉が、トムには見えないジョルノ達のスタンド能力のことだとも何となく思えなかった。
ああいう助言はしてくるくせに、イブリスの説明はいつも的を得ない。ヤツの言葉を聞いて推察や考察をしなければならないこちらの身にもなれと思う。
だが、イブリスが父のシャドウであることを考えると、その性格も仕方ないのかと思えてしまうから不思議だ。父の言動を完全に把握出来る人物などトムは今までに二人しか見たことがないし、その二人だって言動と結果を見てから理解していたくらいである。
「でも父さんは平気なのにイブリスに言われると腹立つよな……」
ナギニがあくびを漏らしていた。まだ子供は充分寝ている時間だ。
対してジョルノはあのスタンド能力で、様々な生命を生み出すことが出来る。サービスエリアではトムがいない間に敵の襲撃を受け、それによって切断された足を補修したらしいのだからその応用力も驚きだ。
けれどもイブリスが言いたいのはそういう事ではないのだろう。
「キメラは創らないと思うよ」
「彼の能力はもっと“罪深い”モノを生み出す可能性がある」
「罪深いもの?」
「……まぁ、大丈夫と言えば大丈夫なんだろうが、それによってお前が傷つくのは本意ではないね。だから忠告だけしてあげる」
ソファへ寝そべったままイブリスがトムを指差した。
「お前の魂は特別だが、それ故お前はすぐに気付いてしまうだろう。お前の力でも“アイツ”の力でもどうにもならん。まぁ、ウォレットチェーンで多少は安定させることは出来るだろうが」
「……何の話?」
「見えるものだけが全てじゃねぇんだぁ。お前はちゃんと力を持っているね? お前が持つその魔法は、決して苦しめるだけじゃない」
バッと目を覚ます。
トムが寝入ってからどのくらい経ったのか、ダイニングチェアの周りへ集まっていたブチャラティ達が飛び起きたトムへ驚いていた。だが不思議そうにはしていないから、トムがうなされていたとかそういうことはなかったのだろう。
トムが飛び起きたせいで目が覚めてしまったらしいナギニが、服の下から出てくる。それを撫でて呼吸を落ち着かせながらトムはブチャラティ達を見た。
「……僕、寝言言ってなかった?」
「? 言ってねーけど?」
「そっか。ならいいんだ」
イブリスが何を言いたかったのかは分からない。見えるモノだけが全てではないとう言葉が、トムには見えないジョルノ達のスタンド能力のことだとも何となく思えなかった。
ああいう助言はしてくるくせに、イブリスの説明はいつも的を得ない。ヤツの言葉を聞いて推察や考察をしなければならないこちらの身にもなれと思う。
だが、イブリスが父のシャドウであることを考えると、その性格も仕方ないのかと思えてしまうから不思議だ。父の言動を完全に把握出来る人物などトムは今までに二人しか見たことがないし、その二人だって言動と結果を見てから理解していたくらいである。
「でも父さんは平気なのにイブリスに言われると腹立つよな……」
ナギニがあくびを漏らしていた。まだ子供は充分寝ている時間だ。