五部
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一度作ってしまえば作り方は解明されたも同然で、父はオジリナル程の性能はないものの、旅行鞄として使える程度には便利な匣をいくつかトムへくれたのである。メッセンジャーバッグへ入っているのはそういったいくつかの匣で、マウンテンバイクの他にもあまりやらないが携帯ゲーム機などが入っていた。
バッグを背中から降ろして中から一つ匣を取り出す。それにもナギニの匣と同じように雲の炎を流し込んで、マウンテンバイクを出現させた。
二回目だったからかあまり驚かなかったジョルノに、マウンテンバイクへと跨がる。
「立ち乗り出来るよね?」
すぐに意味を理解したらしいジョルノが、トムの肩へ手を掛けて後輪の軸の部分へ足を引っかけて後ろへと立った。
「二人乗りなんて初めてだ。イタリアじゃあまり自転車に乗らないし日本に居た頃もやる相手が居なかったし」
「自転車って慣れたら箒より便利な乗り物だと思うよ」
ペダルを踏み込んで前へと進む。トムとジョルノが話している間に随分と先へ行っていたフーゴとナランチャにもすぐに追いついて、そのまま追い抜かす。
後ろからナランチャの声が追いかけてきたので、しばらく進んでから自転車を止めれば、走ってきた二人が不思議そうにトム達と自転車を見比べていた。
「どこにあったんだよ! そんなモン!」
「言っただろ? マウンテンバイクなら持ってるって」
「魔法ですか?」
「ううん。これは『科学』だ。ただし僕と父さん限定」
「でもこれで、次の車を探せる場所へまで行くのに苦労しませんよ」
トムの後ろからジョルノが降りる。
「ボク達は亀の中へ戻って、トムが自転車で何処かの休憩所までこれで走ればいいんです。トムはおそらくボク達と違って顔が敵にバレてないし、歩いていくよりは断然早いかと。ただ、トムが嫌でなければですが」
「ジョルノの頼みなら僕は構わないよ。何ならローマまででもいい。もうどうせ十数キロだしね」
隠れて乗っていたトラックが事故を起こしたのはここより数キロ前だ。その時点で既にローマヘは近かったのだし、ここからローマまでなら深夜になる前にはたどり着けるだろう。
ジョルノ達が亀に入ってくれれば亀自体もさほど荷物にもならない。
「どーせなら車も持ってろよ」
「運転出来ない物を持ち歩く趣味は無いんだ。ブチャラティお兄さんに聞いてみてよ」
フーゴが持っていた亀の中にいるブチャラティへ指示を仰いだ。本来ならヴェネツィアまでならトムが姿現しをしたっていいのだけれど、そのふつうならあり得ない移動時間に、情報伝達が狂ってもブチャラティ達が困るだけである。
「トム。ブチャラティがお願いしたいとこのことです。でもローマではなくサービスエリアまででいいと」
「分かった」
バッグを背中から降ろして中から一つ匣を取り出す。それにもナギニの匣と同じように雲の炎を流し込んで、マウンテンバイクを出現させた。
二回目だったからかあまり驚かなかったジョルノに、マウンテンバイクへと跨がる。
「立ち乗り出来るよね?」
すぐに意味を理解したらしいジョルノが、トムの肩へ手を掛けて後輪の軸の部分へ足を引っかけて後ろへと立った。
「二人乗りなんて初めてだ。イタリアじゃあまり自転車に乗らないし日本に居た頃もやる相手が居なかったし」
「自転車って慣れたら箒より便利な乗り物だと思うよ」
ペダルを踏み込んで前へと進む。トムとジョルノが話している間に随分と先へ行っていたフーゴとナランチャにもすぐに追いついて、そのまま追い抜かす。
後ろからナランチャの声が追いかけてきたので、しばらく進んでから自転車を止めれば、走ってきた二人が不思議そうにトム達と自転車を見比べていた。
「どこにあったんだよ! そんなモン!」
「言っただろ? マウンテンバイクなら持ってるって」
「魔法ですか?」
「ううん。これは『科学』だ。ただし僕と父さん限定」
「でもこれで、次の車を探せる場所へまで行くのに苦労しませんよ」
トムの後ろからジョルノが降りる。
「ボク達は亀の中へ戻って、トムが自転車で何処かの休憩所までこれで走ればいいんです。トムはおそらくボク達と違って顔が敵にバレてないし、歩いていくよりは断然早いかと。ただ、トムが嫌でなければですが」
「ジョルノの頼みなら僕は構わないよ。何ならローマまででもいい。もうどうせ十数キロだしね」
隠れて乗っていたトラックが事故を起こしたのはここより数キロ前だ。その時点で既にローマヘは近かったのだし、ここからローマまでなら深夜になる前にはたどり着けるだろう。
ジョルノ達が亀に入ってくれれば亀自体もさほど荷物にもならない。
「どーせなら車も持ってろよ」
「運転出来ない物を持ち歩く趣味は無いんだ。ブチャラティお兄さんに聞いてみてよ」
フーゴが持っていた亀の中にいるブチャラティへ指示を仰いだ。本来ならヴェネツィアまでならトムが姿現しをしたっていいのだけれど、そのふつうならあり得ない移動時間に、情報伝達が狂ってもブチャラティ達が困るだけである。
「トム。ブチャラティがお願いしたいとこのことです。でもローマではなくサービスエリアまででいいと」
「分かった」