五部
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停まることを余儀なくされた列車から、追っ手の発見を少しでも遅くする為、スタンド使いである亀を利用してローマヘ向かうトラックの中へ潜り込んだ。トラックの最終目的地は分からないが、方向的に確実にヴェネツィアへ近づけることは確かで、列車よりも時間は掛かるが仕方がない。
そしてトムとナギニは、ブチャラティに命令されたジョルノに口を塞がれていた。
理由は簡単である。トムがトリッシュの質問へ答えないようにだ。
スタンド使いとして目覚めかけているとはいえ、トリッシュへブチャラティ達は何も答える事は出来ない。スタンド使いとは何なのかとか、何故自分が護衛されながら何処かへ連れて行かれようとしているのかもである。
しかし例外として、ギャングの一員ではなく勝手についてきているだけのトムはその二つの質問へ問題なく答える事が出来た。トム自身話したって構わないと思っているし、その結果トリッシュがどう考えてギャングのボスがどうなろうと関係ない。
だが、当然ブチャラティ達はそうはいかないのだ。だからジョルノへトムの口を塞がさせていた。
「知らないことを知ろうとするのは良いことだと思わない?」
「それには同意するけれど」
「僕は知的好奇心が強いから、教えてもらえないのなら自分で考えるかな。実際彼女は僕より考察の材料は持ってる」
「……それ以前の知識量が違うだろ」
トリッシュは一人掛けソファへ陣取ってふてくされている。ナランチャがそれを怖々と眺めていて、他のメンバーも触らぬ神に祟りなしという態度を取っていた。
「彼女、意思の強い人ですよね。泣いたりして騒がれない分だけましだと思います」
「ヒステリックな言動は馬鹿がやるものだと分かっている女性は貴重さ」
「トム。君はもう少し優しくなれないのか?」
「女性は今のところ姉さんとローズと徐倫以外に優しくするつもりはないかな」
トムの肩でくつろいでいたナギニが首をもたげる。
「もちろん一番大切なのは君だよ。言葉にするまでもないと思っただけさ」
ふいに部屋が揺れた。天井の外からブレーキ音と何かへ激突する衝撃が響いてくるのに、亀が隠れていたトラックに何かあったのだと悟る。
外を見張っていたはずのミスタは何があったのか見当がつかないと言っていたが、その足下に亀の中へは無かったはずのハンバーガーの食べ差しが落ちていた。ナギニが呆れたように舌を鳴らしてくる。
どうやらトムには見えないミスタのスタンドが、外の何も知らない運転手のハンバーガーを腹が減ったからと盗んでしまったらしい。それがバレるのを防ぐ為に、ハンバーガーを探して亀を見つけた運転手をミスタが殴った。
「イタリア人のそういうところはちょっと苦手かな」
「? トムもイタリア人でしょう?」
「僕はイギリス人だよ。国籍は違うけど」
そしてトムとナギニは、ブチャラティに命令されたジョルノに口を塞がれていた。
理由は簡単である。トムがトリッシュの質問へ答えないようにだ。
スタンド使いとして目覚めかけているとはいえ、トリッシュへブチャラティ達は何も答える事は出来ない。スタンド使いとは何なのかとか、何故自分が護衛されながら何処かへ連れて行かれようとしているのかもである。
しかし例外として、ギャングの一員ではなく勝手についてきているだけのトムはその二つの質問へ問題なく答える事が出来た。トム自身話したって構わないと思っているし、その結果トリッシュがどう考えてギャングのボスがどうなろうと関係ない。
だが、当然ブチャラティ達はそうはいかないのだ。だからジョルノへトムの口を塞がさせていた。
「知らないことを知ろうとするのは良いことだと思わない?」
「それには同意するけれど」
「僕は知的好奇心が強いから、教えてもらえないのなら自分で考えるかな。実際彼女は僕より考察の材料は持ってる」
「……それ以前の知識量が違うだろ」
トリッシュは一人掛けソファへ陣取ってふてくされている。ナランチャがそれを怖々と眺めていて、他のメンバーも触らぬ神に祟りなしという態度を取っていた。
「彼女、意思の強い人ですよね。泣いたりして騒がれない分だけましだと思います」
「ヒステリックな言動は馬鹿がやるものだと分かっている女性は貴重さ」
「トム。君はもう少し優しくなれないのか?」
「女性は今のところ姉さんとローズと徐倫以外に優しくするつもりはないかな」
トムの肩でくつろいでいたナギニが首をもたげる。
「もちろん一番大切なのは君だよ。言葉にするまでもないと思っただけさ」
ふいに部屋が揺れた。天井の外からブレーキ音と何かへ激突する衝撃が響いてくるのに、亀が隠れていたトラックに何かあったのだと悟る。
外を見張っていたはずのミスタは何があったのか見当がつかないと言っていたが、その足下に亀の中へは無かったはずのハンバーガーの食べ差しが落ちていた。ナギニが呆れたように舌を鳴らしてくる。
どうやらトムには見えないミスタのスタンドが、外の何も知らない運転手のハンバーガーを腹が減ったからと盗んでしまったらしい。それがバレるのを防ぐ為に、ハンバーガーを探して亀を見つけた運転手をミスタが殴った。
「イタリア人のそういうところはちょっと苦手かな」
「? トムもイタリア人でしょう?」
「僕はイギリス人だよ。国籍は違うけど」