五部
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驚いた様子でミスタ達がトムを見ていたが、そんな時間もないだろう。
「亀も変温動物だよ。部屋の中の温度を亀が認識してるかどうかは分からないけど、冬眠しても中にいる僕達が無事って確証もない。行くなら早く倒しに行ってくれる?」
「お、おう……」
「トム、君は大丈夫なのか?」
「僕は大丈夫。でも今すぐにここから出てミスタおにーさんに加勢するのは無理だ」
ジョルノ達の老化が氷に冷やされたことで治っていく。このまま安静にしていれば体温の著しい変化も無いはずなので、再び老化するということも敵が能力の度合いを強めなければ安心だろう。
そこまで考えてナランチャがあそこまで急激に老けたのは、基の体温が高かったことあるだろうが動いて体温が上がっていたのもあるのではと思った。真実は定かではないが、今のところ急激な老化のショックで気絶したままなので問題はない。
敵を倒しにミスタが亀の外へ出て行く。出来るだけ氷を持って行ったのでしばらくは保つ筈だ。
ジョルノは肌こそ戻っているが再び気を失ってしまったようだった。今なら楽に皮膚や血液の採取が出来るなと思って手を伸ばし掛け、けれども考え直して止める。
氷が多すぎて老化は止まったものの寒い。だが暖を取ろうものなら老化する。
「氷を増やしたのも魔法かい?」
ふとブチャラティへ聞かれて顔を上げた。椅子に座って氷を手に持っていたブチャラティの吐く息も少し白い。
「やりすぎたかな。氷を増やしたのは魔法じゃないんだ」
「スタンド使いじゃない代わりに君は謎が多いな」
「謎だと思ってるのはお兄さん達だけさ。僕や僕の父さんにとっては『あるがままの力』だ。スタンドなんて――スタンド使いなんて、僕は本当のところ嫌いだよ」
壁へ寄りかかって膝を抱える。トリッシュは何のことだか分かっていないようだったけれど、黙って話を聞いているだけだった。
「だって父さんの友達を殺したのはスタンド使いだった。父さんがそれでどれだけ泣こうとして、泣くのを我慢したのかも誰も知らないんだ。それは僕じゃどうにも出来ない」
「……君のお父さんは、どんな人なんだ?」
「僕以上の魔法使いで魔術師で、精神的に弱い人だ」
ナギニを撫でられない手が寂しい。指へ填めたままの指輪が冷えてやけに冷たかった。
寝ているアバッキオとフーゴが寒そうに身を縮込ませている。そういえばこの部屋にはブランケットの類がない。
「ジョルノのお父さんがいなかったら、僕は産まれてなかったんだ」
「亀も変温動物だよ。部屋の中の温度を亀が認識してるかどうかは分からないけど、冬眠しても中にいる僕達が無事って確証もない。行くなら早く倒しに行ってくれる?」
「お、おう……」
「トム、君は大丈夫なのか?」
「僕は大丈夫。でも今すぐにここから出てミスタおにーさんに加勢するのは無理だ」
ジョルノ達の老化が氷に冷やされたことで治っていく。このまま安静にしていれば体温の著しい変化も無いはずなので、再び老化するということも敵が能力の度合いを強めなければ安心だろう。
そこまで考えてナランチャがあそこまで急激に老けたのは、基の体温が高かったことあるだろうが動いて体温が上がっていたのもあるのではと思った。真実は定かではないが、今のところ急激な老化のショックで気絶したままなので問題はない。
敵を倒しにミスタが亀の外へ出て行く。出来るだけ氷を持って行ったのでしばらくは保つ筈だ。
ジョルノは肌こそ戻っているが再び気を失ってしまったようだった。今なら楽に皮膚や血液の採取が出来るなと思って手を伸ばし掛け、けれども考え直して止める。
氷が多すぎて老化は止まったものの寒い。だが暖を取ろうものなら老化する。
「氷を増やしたのも魔法かい?」
ふとブチャラティへ聞かれて顔を上げた。椅子に座って氷を手に持っていたブチャラティの吐く息も少し白い。
「やりすぎたかな。氷を増やしたのは魔法じゃないんだ」
「スタンド使いじゃない代わりに君は謎が多いな」
「謎だと思ってるのはお兄さん達だけさ。僕や僕の父さんにとっては『あるがままの力』だ。スタンドなんて――スタンド使いなんて、僕は本当のところ嫌いだよ」
壁へ寄りかかって膝を抱える。トリッシュは何のことだか分かっていないようだったけれど、黙って話を聞いているだけだった。
「だって父さんの友達を殺したのはスタンド使いだった。父さんがそれでどれだけ泣こうとして、泣くのを我慢したのかも誰も知らないんだ。それは僕じゃどうにも出来ない」
「……君のお父さんは、どんな人なんだ?」
「僕以上の魔法使いで魔術師で、精神的に弱い人だ」
ナギニを撫でられない手が寂しい。指へ填めたままの指輪が冷えてやけに冷たかった。
寝ているアバッキオとフーゴが寒そうに身を縮込ませている。そういえばこの部屋にはブランケットの類がない。
「ジョルノのお父さんがいなかったら、僕は産まれてなかったんだ」