五部
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入り口である部屋の天井を見張る以外にはやることもない亀の中で、ジョルノ達もそうそう襲撃される心配はなさそうだと少し気が抜けたのか、ジョルノやフーゴが寝息を立てている。あのアバッキオも近くにトムが居るというのに眠っていた。
おそらくポンペイへ行って鍵を取ってくるのに、敵のスタンド使いへ襲撃されるかも知れないという緊張感がここへきて緩んだのだろう。トムがナギニに協力してもらってそう身体を動かすような事はなかったが、精神的な疲れは蓄積している筈だ。
ナギニも床へ胡座を掻いたトムの足の上で、とぐろを巻いてうとうとしている。匣へ戻してやったほうがいいだろうかと考えながら撫でていると、ブチャラティへ呼ばれた。
「何?」
「スタンド使いについて教えてくれないか。さっきの動物がスタンド使いになることといい、知らない事が多そうだしな」
一人掛けソファへ座っていたブチャラティに、壁へ寄りかかって天井を見張っているナランチャの傍の椅子を持って行こうと立ち上がる。
冷蔵庫を開けてミスタが飲み物を物色していた。冷蔵庫からの冷気が足へぶつかる。
「トムもなんか飲むか?」
「僕は――僕よりナランチャにあげて。彼なんだか顔色が悪いよ」
「あ? おいナランチャ、疲れてんのか?」
天井をぼんやりと見上げていたナランチャはそれにすぐ反応しなかった。それだけぼうっとしていたのかと思ったが、何かがおかしい。
まさかと思って天井を見上げるも何も異常は見当たらなかった。だがミスタに見張りを変わってもらって椅子へ座ったナランチャが、咳き込んだかと思うとその口から歯を吐き出す。
「ナランチャ!」
大声で話しかけたからかナランチャが顔を上げた。その顔が老いている。
ナランチャが取り上げたばかりだったバナナが古く固くなっている事に気付いた。ここでスタンド攻撃だと考えない方が馬鹿らしい。
気付いたらしいブチャラティやトリッシュが立ち上がって警戒する。ナランチャは自分が老けたという事へまだ気付いていないようだったが、気付くのも時間の問題だろう。
トムが自分の手を見下ろせば、多少皮がたるんでいたもののナランチャ程ではない。ミスタとブチャラティ、トリッシュもそうでも無かったがソファで寝ている三人もトムより老いている。
「お、『老いさせるスタンド』……このままどんどん老いていったら」
ジョルノが騒がしいのに気付いてか目を覚ました。その顔も老いていて、血筋的にかジョセフ・ジョースターへ少し似ている。
おそらくポンペイへ行って鍵を取ってくるのに、敵のスタンド使いへ襲撃されるかも知れないという緊張感がここへきて緩んだのだろう。トムがナギニに協力してもらってそう身体を動かすような事はなかったが、精神的な疲れは蓄積している筈だ。
ナギニも床へ胡座を掻いたトムの足の上で、とぐろを巻いてうとうとしている。匣へ戻してやったほうがいいだろうかと考えながら撫でていると、ブチャラティへ呼ばれた。
「何?」
「スタンド使いについて教えてくれないか。さっきの動物がスタンド使いになることといい、知らない事が多そうだしな」
一人掛けソファへ座っていたブチャラティに、壁へ寄りかかって天井を見張っているナランチャの傍の椅子を持って行こうと立ち上がる。
冷蔵庫を開けてミスタが飲み物を物色していた。冷蔵庫からの冷気が足へぶつかる。
「トムもなんか飲むか?」
「僕は――僕よりナランチャにあげて。彼なんだか顔色が悪いよ」
「あ? おいナランチャ、疲れてんのか?」
天井をぼんやりと見上げていたナランチャはそれにすぐ反応しなかった。それだけぼうっとしていたのかと思ったが、何かがおかしい。
まさかと思って天井を見上げるも何も異常は見当たらなかった。だがミスタに見張りを変わってもらって椅子へ座ったナランチャが、咳き込んだかと思うとその口から歯を吐き出す。
「ナランチャ!」
大声で話しかけたからかナランチャが顔を上げた。その顔が老いている。
ナランチャが取り上げたばかりだったバナナが古く固くなっている事に気付いた。ここでスタンド攻撃だと考えない方が馬鹿らしい。
気付いたらしいブチャラティやトリッシュが立ち上がって警戒する。ナランチャは自分が老けたという事へまだ気付いていないようだったが、気付くのも時間の問題だろう。
トムが自分の手を見下ろせば、多少皮がたるんでいたもののナランチャ程ではない。ミスタとブチャラティ、トリッシュもそうでも無かったがソファで寝ている三人もトムより老いている。
「お、『老いさせるスタンド』……このままどんどん老いていったら」
ジョルノが騒がしいのに気付いてか目を覚ました。その顔も老いていて、血筋的にかジョセフ・ジョースターへ少し似ている。