五部
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
駅の構内六番ホーム。そこの水飲み場に鍵を持ったブチャラティが向かい、トム達は発車前の列車へ乗って待っていた。
一号車の搭乗口から見える水飲み場には確かに亀が一匹だけ居て、こんなところではエサも無いだろうにと思う。
「かわいい」
「蛇の次は亀かよ」
「ナギニが一番かわいいに決まってるだろ。目を合わせるだけで相手を石化出来るキュートさは父さんのエレボスにも匹敵するね」
「エレ何?」
アマネの匣生物である(あれを匣生物と言っていいのかは分からない)エレボスは、アマネの愛情が途切れればその瞬間には世界を破滅へ追いやることが出来る。元々アマネの感情が具現化したような存在なので、それが突き放されれば本来の役目を思い出して世界は消滅へ真っ逆様だ。
そうならないように死んでしまったカキョウインの代わりにトムが産まれた訳だけれど。
ともあれエレボスは本気を出すと怖い。ナギニもナギニで普通の蛇ではなくバジリスクだ。目を合わせて本気を出せば文字通り相手を石化させることが出来る。
発車の時間が迫っているというのにブチャラティがなかなか列車へ乗り込んでこない。どうしたのかと搭乗口の方を見やれば、様子を見に行っていたジョルノとブチャラティが駆け込んできた。
何かを言う間もなく腕が引っ張られ、何か圧迫するものへ引きずり込まれる。ナギニはちゃんといるかと慌ててナギニを掴み、目を開けるとそこは列車の中ではなく何処かの部屋の中のようだった。
「水飲み場にいたこの『亀』! スタンド使いだった! そしてここはどうやら亀の中のようだ」
ブチャラティが言うにはポンペイで手に入れたあの鍵が文字通り『鍵』となっていてこの空間の出入り口と空間という能力を発現させるらしい。
そう広くはないが、トムを含めたジョルノ達が全員居ても狭いと感じない程度には空間がある。窓はないがちゃんと電気の通ったテレビや冷蔵庫もあり、中身も充実していた。
「『スタンド使いの亀』……。しかしこの部屋幻覚とかではない、本物の部屋ですよ、これ。ソファとか家具も本物だ」
「亀がスタンド使いになるなんてことがあるのかよ」
「動物がスタンド使いになった例は他にもいくつか確認されているよ。犬とかネズミとか、鳥とかね。僕は見たこと無いけど父さんがネズミに攻撃されたことがある」
「お前の父親何者?」
ナランチャが思わずと言ったように聞いてくるので、肩を竦めておく。
まさか亀の中にいると考える可能性は低く、これで追っ手や襲撃者から見つかる確率は減ったはずだ。
亀の外では列車が発進した筈である。
一号車の搭乗口から見える水飲み場には確かに亀が一匹だけ居て、こんなところではエサも無いだろうにと思う。
「かわいい」
「蛇の次は亀かよ」
「ナギニが一番かわいいに決まってるだろ。目を合わせるだけで相手を石化出来るキュートさは父さんのエレボスにも匹敵するね」
「エレ何?」
アマネの匣生物である(あれを匣生物と言っていいのかは分からない)エレボスは、アマネの愛情が途切れればその瞬間には世界を破滅へ追いやることが出来る。元々アマネの感情が具現化したような存在なので、それが突き放されれば本来の役目を思い出して世界は消滅へ真っ逆様だ。
そうならないように死んでしまったカキョウインの代わりにトムが産まれた訳だけれど。
ともあれエレボスは本気を出すと怖い。ナギニもナギニで普通の蛇ではなくバジリスクだ。目を合わせて本気を出せば文字通り相手を石化させることが出来る。
発車の時間が迫っているというのにブチャラティがなかなか列車へ乗り込んでこない。どうしたのかと搭乗口の方を見やれば、様子を見に行っていたジョルノとブチャラティが駆け込んできた。
何かを言う間もなく腕が引っ張られ、何か圧迫するものへ引きずり込まれる。ナギニはちゃんといるかと慌ててナギニを掴み、目を開けるとそこは列車の中ではなく何処かの部屋の中のようだった。
「水飲み場にいたこの『亀』! スタンド使いだった! そしてここはどうやら亀の中のようだ」
ブチャラティが言うにはポンペイで手に入れたあの鍵が文字通り『鍵』となっていてこの空間の出入り口と空間という能力を発現させるらしい。
そう広くはないが、トムを含めたジョルノ達が全員居ても狭いと感じない程度には空間がある。窓はないがちゃんと電気の通ったテレビや冷蔵庫もあり、中身も充実していた。
「『スタンド使いの亀』……。しかしこの部屋幻覚とかではない、本物の部屋ですよ、これ。ソファとか家具も本物だ」
「亀がスタンド使いになるなんてことがあるのかよ」
「動物がスタンド使いになった例は他にもいくつか確認されているよ。犬とかネズミとか、鳥とかね。僕は見たこと無いけど父さんがネズミに攻撃されたことがある」
「お前の父親何者?」
ナランチャが思わずと言ったように聞いてくるので、肩を竦めておく。
まさか亀の中にいると考える可能性は低く、これで追っ手や襲撃者から見つかる確率は減ったはずだ。
亀の外では列車が発進した筈である。