五部
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ナギニが持ってきてくれた鍵の飾り部分の石には透かしが入っており、そこにはこの鍵を持ってネアポリス駅六番ホームへ向かうことと、そこで亀のいる水飲み場で鍵を使えと書かれていた。
そこから列車でヴェネツィアへトリッシュを護衛すれば任務は完了。なんだか少しあっけないような感じではあるが、ギャングのボスが考える事なんてトムには分からない。
「お兄さん。駅に着いたら父さんに電話してきてもいいかな」
「おい、オレ達の居場所がバレたらどーすんだよ! 駄目に決まってんだろ!」
「まぁそう言うよね。じゃあ諦めるよ」
「お前ポンペイでちょっと活躍したからっていい気になってねーだろうな? 活躍したのはお前の蛇だからな!」
「評価するならちゃんと名前を呼ぶべきだ。彼女にはナギニっていう立派な名前がある」
トムの肩から首をもたげ上げたナギニがチロチロと舌を揺らす。ナギニの名前はトムが付けたものだが、付けた時に父が複雑そうな顔をしていたのは覚えていた。
多分、覚えていないトムの『前世』が関わっているのだろう。けれどもどうしようもないのでトムはそのことについてあまり考えないようにしていた。
「トムってよく父親父親言うけど、もしかしてファザコンってやつ?」
「そうだよ」
「ヒュー! 断言したぜコイツ」
「僕は父さんの為だけに産まれて父さんの為に生きてる。父さんが友達を作れって言うから二年前から友達候補は探してたけど、別にいなくても構わないしね」
そこまで断言すれば流石にナランチャやミスタ達も黙る。重すぎる父親愛だとは思うが、けれどもトムにとっては真実なので他に言いようもなかった。
運転しながらも話を聞きながら今まで黙っていたジョルノが口を開く。
「トム。君はボクの父親の事も知ってるだろう」
答えていいのかどうか悩む質問だ。何も知らないブチャラティ達がジョルノの父親がどうしたのかと不思議がっている。
トムだってジョルノの父親である『ディオ』の事は又聞きか調書を盗み見た程度しか知らない。ただジョルノ自身はどこまで知っているのかも分からず、父親に対してどんな印象を持っているのかも気持ちを抱えているのかも分からなかった。
だからおいそれと『君の父親は吸血鬼だった』なんて言えないだろう。
「直接会ったことはないよ」
「……そうか」
ネアポリス駅が見えてくる。直接ヴェネツィアへ行く列車はすぐにはなかったが、フェレンツェ行きの特急列車が十六時三十五分へ出る予定だ。
駅へ着いて構内へと駆け込む。
そこから列車でヴェネツィアへトリッシュを護衛すれば任務は完了。なんだか少しあっけないような感じではあるが、ギャングのボスが考える事なんてトムには分からない。
「お兄さん。駅に着いたら父さんに電話してきてもいいかな」
「おい、オレ達の居場所がバレたらどーすんだよ! 駄目に決まってんだろ!」
「まぁそう言うよね。じゃあ諦めるよ」
「お前ポンペイでちょっと活躍したからっていい気になってねーだろうな? 活躍したのはお前の蛇だからな!」
「評価するならちゃんと名前を呼ぶべきだ。彼女にはナギニっていう立派な名前がある」
トムの肩から首をもたげ上げたナギニがチロチロと舌を揺らす。ナギニの名前はトムが付けたものだが、付けた時に父が複雑そうな顔をしていたのは覚えていた。
多分、覚えていないトムの『前世』が関わっているのだろう。けれどもどうしようもないのでトムはそのことについてあまり考えないようにしていた。
「トムってよく父親父親言うけど、もしかしてファザコンってやつ?」
「そうだよ」
「ヒュー! 断言したぜコイツ」
「僕は父さんの為だけに産まれて父さんの為に生きてる。父さんが友達を作れって言うから二年前から友達候補は探してたけど、別にいなくても構わないしね」
そこまで断言すれば流石にナランチャやミスタ達も黙る。重すぎる父親愛だとは思うが、けれどもトムにとっては真実なので他に言いようもなかった。
運転しながらも話を聞きながら今まで黙っていたジョルノが口を開く。
「トム。君はボクの父親の事も知ってるだろう」
答えていいのかどうか悩む質問だ。何も知らないブチャラティ達がジョルノの父親がどうしたのかと不思議がっている。
トムだってジョルノの父親である『ディオ』の事は又聞きか調書を盗み見た程度しか知らない。ただジョルノ自身はどこまで知っているのかも分からず、父親に対してどんな印象を持っているのかも気持ちを抱えているのかも分からなかった。
だからおいそれと『君の父親は吸血鬼だった』なんて言えないだろう。
「直接会ったことはないよ」
「……そうか」
ネアポリス駅が見えてくる。直接ヴェネツィアへ行く列車はすぐにはなかったが、フェレンツェ行きの特急列車が十六時三十五分へ出る予定だ。
駅へ着いて構内へと駆け込む。