五部
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古代都市ポンペイはかつて火山によって滅んだ場所を遺跡にしたものだった。噴火が起こる直前までの生活の様子をそのまま封じ込めたような姿で、千年以上の長い年月を過ごした後に発見された都市である。
一応トムも父のアマネと観光へ訪れたことがあった。ただ父のアマネは『昔火山を風呂代わりにしてた奴がいてなぁ』と全く関係ない事を話してくれただけである。火山を風呂代わりにして生きていられる人間がいるのかどうかは、アマネの知り合いなので真実かも知れない。
そのポンペイの中にある『悲劇詩人の家』という場所の床に描かれた、犬の床絵のところへ鍵が隠してあるという。周囲を警戒しながらそこへ向かう三人に、トムは少し考えてからナギニを普通の成体蛇の大きさにして地面へ話した。
「犬の床絵のところだよ。ここから百メートルくらい先のところだ」
ナギニが喉を鳴らして這っていく。それを見ていたフーゴとジョルノが不思議そうに寄ってきた。
「何をしたんです?」
「ナギニに犬の床絵のところへ言ってもらったんだ。敵の裏切り者がスタンド使いだとしても、もし待ち伏せして警戒してるのはジョルノ達や僕といった人間だけかも知れない。そうでなかったとしてもナギニが行くことで敵が怪しい動きをすれば敵の存在は分かるよ」
「なるほど。でもナギニが危険じゃないか?」
「少しはね。でもナギニは普通の蛇じゃないから」
「……まぁ、大きくなったり小さくなったりする蛇は普通じゃありませんね」
そういえばトムが魔法使いだと言うことは話したが、死ぬ気の炎やナギニのことはちゃんと話していない。話したところであまり信じてもらえるとは思わなかったが、必要があったなら話すべきなのだろう。
地面を犬の床絵がある場所へ向かっていたナギニが、ふと壁へ掛かっていた鏡の前で止まった。しばらくそれを見つめてから、振り返ってトムを見る。
「……ねえ、誰でもいいからあの鏡壊せない?」
「鏡を?」
「多分あの中にスタンド使いが潜んでる。僕を信じてくれなくてもいいけど僕はナギニを信じてるからね」
ナギニはトムに意思が通じたことを理解してか、再び犬の床絵がある場所へ向かって這い進んでいった。
「おいおい鏡の中に潜んでるなんて有り得るのかよ」
「昔、父さんが写真の中へ潜り込んでいたスタンド使いと出会ったことがある。写真よりは鏡の中の方が有り得ると思わない?」
かく言うトムも絵画の中で生き続ける幽霊などを知っている訳だが。
トムを信用したわけではないだろうが、フーゴが鏡の死角から近付いて鏡を壁から取り外して地面へ伏せて置いた。
暫くするとナギニが口へ鍵をくわえて戻ってくる。
一応トムも父のアマネと観光へ訪れたことがあった。ただ父のアマネは『昔火山を風呂代わりにしてた奴がいてなぁ』と全く関係ない事を話してくれただけである。火山を風呂代わりにして生きていられる人間がいるのかどうかは、アマネの知り合いなので真実かも知れない。
そのポンペイの中にある『悲劇詩人の家』という場所の床に描かれた、犬の床絵のところへ鍵が隠してあるという。周囲を警戒しながらそこへ向かう三人に、トムは少し考えてからナギニを普通の成体蛇の大きさにして地面へ話した。
「犬の床絵のところだよ。ここから百メートルくらい先のところだ」
ナギニが喉を鳴らして這っていく。それを見ていたフーゴとジョルノが不思議そうに寄ってきた。
「何をしたんです?」
「ナギニに犬の床絵のところへ言ってもらったんだ。敵の裏切り者がスタンド使いだとしても、もし待ち伏せして警戒してるのはジョルノ達や僕といった人間だけかも知れない。そうでなかったとしてもナギニが行くことで敵が怪しい動きをすれば敵の存在は分かるよ」
「なるほど。でもナギニが危険じゃないか?」
「少しはね。でもナギニは普通の蛇じゃないから」
「……まぁ、大きくなったり小さくなったりする蛇は普通じゃありませんね」
そういえばトムが魔法使いだと言うことは話したが、死ぬ気の炎やナギニのことはちゃんと話していない。話したところであまり信じてもらえるとは思わなかったが、必要があったなら話すべきなのだろう。
地面を犬の床絵がある場所へ向かっていたナギニが、ふと壁へ掛かっていた鏡の前で止まった。しばらくそれを見つめてから、振り返ってトムを見る。
「……ねえ、誰でもいいからあの鏡壊せない?」
「鏡を?」
「多分あの中にスタンド使いが潜んでる。僕を信じてくれなくてもいいけど僕はナギニを信じてるからね」
ナギニはトムに意思が通じたことを理解してか、再び犬の床絵がある場所へ向かって這い進んでいった。
「おいおい鏡の中に潜んでるなんて有り得るのかよ」
「昔、父さんが写真の中へ潜り込んでいたスタンド使いと出会ったことがある。写真よりは鏡の中の方が有り得ると思わない?」
かく言うトムも絵画の中で生き続ける幽霊などを知っている訳だが。
トムを信用したわけではないだろうが、フーゴが鏡の死角から近付いて鏡を壁から取り外して地面へ伏せて置いた。
暫くするとナギニが口へ鍵をくわえて戻ってくる。