五部
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「もちろんボスにはボスの考えがあるのかも知れない。だから僕のこの考えだって無意味かも知れない。でも気になる。だから僕は一緒に行くことにしたんだ」
箒に座ったまま膝へ頬杖を突いて言う。信頼はされないだろうがトムが同行を求めた理由はこれで理解出来たはずだ。
一番の理由は彼らがスタンド使いであることではなく、ジョルノがこのギャングになるという選択を選んだことでいったいどの様な人物になるのかだが。けれどもそれは言ってもジョルノにだって理由が分からないだろう。
質問の数はもう一つ残っている。今答える最後の質問なので誰が訊ねてくるかなと待っていれば、外からミスタが入ってきた。
確か撃たれて貫通した腹部の銃創を診てもらいに病院へ行っていた筈で、片手に下げた薬袋からして診察を終えて戻ってきたのだろう。箒に座って浮いているトムを見て目を丸くし、次いで興奮気味に寄ってきた。
「スゲー! 浮いてるよコイツ! これも魔法だってか?」
「うん。良ければ乗ってみる?」
「マジか、乗る乗る!」
一応隠れているというのに騒がしい。一度箒を降ろして着地するとミスタが嬉々として箒を跨いだ。
「鞍がないから跨ぐのはやめた方がいいよ」
「あ? 箒つったら跨いで乗るモンだろ?」
「……僕は知らないから」
「おう! ――っ!」
宙に浮かせた箒がミスタの股間を強打する。箒を降ろして退かしてやれば、ミスタは股間を押さえて床へ這い蹲った。見ていたフーゴやアバッキオが思わずと言ったように吹き出し笑うのを堪えている。
箒へ乗り慣れているトムが横座りをしているのを見て、理由を察すれば良かったのに注意力が足りない。
「言ったよ。僕は知らないって。勝手に判断して跨がったのはミスタおにーさんだから」
「ぐ……テメェ、覚えてろよお……」
地べたからトムを見上げたミスタに、トムの肩にいたナギニが急に動いてミスタへ向かって襲いかかった。急にどうしたのかと思ったがナギニは空中で何かをくわえ込むと落ち着きを取り戻して平然と戻ってくる。
「ちょっ、おま、No,6!」
「え?」
「トム。君のナギニがミスタのスタンドを食べてしまったんだ」
見れば確かにナギニの喉元が変に蠢いていた。トムがそれに気付いた事でナギニがからかうように口を開ける。
喉の蠢きが消えたかと思うとジョルノ達の視線が揃ってミスタへと向けられた。おそらくナギニの口の中からミスタのスタンドが出て行ったのだろう。
「僕はスタンド使いじゃないからジョルノ達のスタンドは見えないけど、ナギニには見えてるから」
「魔法使いに蛇、ってか。黒猫侍らせてろよ」
「猫より蛇派なんだ」
箒に座ったまま膝へ頬杖を突いて言う。信頼はされないだろうがトムが同行を求めた理由はこれで理解出来たはずだ。
一番の理由は彼らがスタンド使いであることではなく、ジョルノがこのギャングになるという選択を選んだことでいったいどの様な人物になるのかだが。けれどもそれは言ってもジョルノにだって理由が分からないだろう。
質問の数はもう一つ残っている。今答える最後の質問なので誰が訊ねてくるかなと待っていれば、外からミスタが入ってきた。
確か撃たれて貫通した腹部の銃創を診てもらいに病院へ行っていた筈で、片手に下げた薬袋からして診察を終えて戻ってきたのだろう。箒に座って浮いているトムを見て目を丸くし、次いで興奮気味に寄ってきた。
「スゲー! 浮いてるよコイツ! これも魔法だってか?」
「うん。良ければ乗ってみる?」
「マジか、乗る乗る!」
一応隠れているというのに騒がしい。一度箒を降ろして着地するとミスタが嬉々として箒を跨いだ。
「鞍がないから跨ぐのはやめた方がいいよ」
「あ? 箒つったら跨いで乗るモンだろ?」
「……僕は知らないから」
「おう! ――っ!」
宙に浮かせた箒がミスタの股間を強打する。箒を降ろして退かしてやれば、ミスタは股間を押さえて床へ這い蹲った。見ていたフーゴやアバッキオが思わずと言ったように吹き出し笑うのを堪えている。
箒へ乗り慣れているトムが横座りをしているのを見て、理由を察すれば良かったのに注意力が足りない。
「言ったよ。僕は知らないって。勝手に判断して跨がったのはミスタおにーさんだから」
「ぐ……テメェ、覚えてろよお……」
地べたからトムを見上げたミスタに、トムの肩にいたナギニが急に動いてミスタへ向かって襲いかかった。急にどうしたのかと思ったがナギニは空中で何かをくわえ込むと落ち着きを取り戻して平然と戻ってくる。
「ちょっ、おま、No,6!」
「え?」
「トム。君のナギニがミスタのスタンドを食べてしまったんだ」
見れば確かにナギニの喉元が変に蠢いていた。トムがそれに気付いた事でナギニがからかうように口を開ける。
喉の蠢きが消えたかと思うとジョルノ達の視線が揃ってミスタへと向けられた。おそらくナギニの口の中からミスタのスタンドが出て行ったのだろう。
「僕はスタンド使いじゃないからジョルノ達のスタンドは見えないけど、ナギニには見えてるから」
「魔法使いに蛇、ってか。黒猫侍らせてろよ」
「猫より蛇派なんだ」