五部
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驚くジョルノを見てブチャラティと取り引きして良かったと思った。多少面倒事は増えるだろうけれどジョルノの観察は出来るし、同時にスタンド使いを観察することも出来て一石二鳥だ。ジョルノに関しては完全なるトムの興味本位であるが、スタンド使いについても多少調べておけば、後で父のアマネへ褒められるかも知れない。
そう考えての行動で、ブチャラティの協力を得られたのもトムからすれば僥倖だ。
公衆トイレの前で驚くジョルノへ向けて手を差し出す。
「ナギニを返してくれる?」
「そんなことより説明が先だ!」
「お兄さんに頼み事をされたから来ただけさ。スタンド使いの観察も出来るし君のことも観察できる。なかなかいい取り引きだったと思うよ」
「取り……引き?」
数日前のカフェでのことを思い出しているのだろう。黙り込んでしまったジョルノに代わり、長髪の男が威嚇しながら歩み寄ってきた。
「おいブチャラティ。なんだこのガキは」
「はじめましてオニーサン。僕はトム・オルカ・グラマト。スタンド使いについて貴方達より少しだけ詳しい魔法使いだ」
「はあん? 魔法使いだァ?」
「オニーサンは理性的そうだから、スタンドなんてものが顕現してるこの世界で魔法なんてナンセンスだなんて言わないでしょ?」
「ガキの戯れ言には構ってられ――」
「クルーシオ」
「グァッ!」
磔の呪文を唱えれば目の前で長髪の男が苦しみだす。途端一気にトムへの警戒を強める公衆トイレ前の三人に、トムは無視してジョルノへと近付いて手を差し出した。
「ナギニを返してくれる?」
「アバッキオに何をした!」
「ちょっと苦しめてるだけじゃないか。魔法使いを馬鹿にするのは構わないけれど僕を馬鹿にするのはやめてもらいたかったからね」
ジョルノの襟の中からナギニが出てくる。伸ばしていたトムの腕を伝って戻ってきたナギニを撫でて、アバッキオというらしい長髪の男へ掛けていた呪文を解いた。
地面へ膝を突いて呼吸を整えるアバッキオへ近づき、屈んで顔を覗き込む。
「ギャングだからって僕を馬鹿にするなよ。スタンドを使わせる間もなく殺す呪文だって僕は知ってる。残念なことにオニーサンを殺したらジョルノが怒りそうだからやらないけれど、今の苦しみを忘れたいなら僕を二度とガキと呼ぶな」
「う……ぐ」
「トム。あまりアバッキオを虐めないでくれないか」
ブチャラティに言われて肩を竦める。言うことを聞いてやる義理は無かったが、ここで好感度を無駄に下げても仕方がない。
そう考えての行動で、ブチャラティの協力を得られたのもトムからすれば僥倖だ。
公衆トイレの前で驚くジョルノへ向けて手を差し出す。
「ナギニを返してくれる?」
「そんなことより説明が先だ!」
「お兄さんに頼み事をされたから来ただけさ。スタンド使いの観察も出来るし君のことも観察できる。なかなかいい取り引きだったと思うよ」
「取り……引き?」
数日前のカフェでのことを思い出しているのだろう。黙り込んでしまったジョルノに代わり、長髪の男が威嚇しながら歩み寄ってきた。
「おいブチャラティ。なんだこのガキは」
「はじめましてオニーサン。僕はトム・オルカ・グラマト。スタンド使いについて貴方達より少しだけ詳しい魔法使いだ」
「はあん? 魔法使いだァ?」
「オニーサンは理性的そうだから、スタンドなんてものが顕現してるこの世界で魔法なんてナンセンスだなんて言わないでしょ?」
「ガキの戯れ言には構ってられ――」
「クルーシオ」
「グァッ!」
磔の呪文を唱えれば目の前で長髪の男が苦しみだす。途端一気にトムへの警戒を強める公衆トイレ前の三人に、トムは無視してジョルノへと近付いて手を差し出した。
「ナギニを返してくれる?」
「アバッキオに何をした!」
「ちょっと苦しめてるだけじゃないか。魔法使いを馬鹿にするのは構わないけれど僕を馬鹿にするのはやめてもらいたかったからね」
ジョルノの襟の中からナギニが出てくる。伸ばしていたトムの腕を伝って戻ってきたナギニを撫でて、アバッキオというらしい長髪の男へ掛けていた呪文を解いた。
地面へ膝を突いて呼吸を整えるアバッキオへ近づき、屈んで顔を覗き込む。
「ギャングだからって僕を馬鹿にするなよ。スタンドを使わせる間もなく殺す呪文だって僕は知ってる。残念なことにオニーサンを殺したらジョルノが怒りそうだからやらないけれど、今の苦しみを忘れたいなら僕を二度とガキと呼ぶな」
「う……ぐ」
「トム。あまりアバッキオを虐めないでくれないか」
ブチャラティに言われて肩を竦める。言うことを聞いてやる義理は無かったが、ここで好感度を無駄に下げても仕方がない。