五部
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「ギャングもマフィアも麻薬に手を出したら終わりだよ。――違うな。麻薬に頼らないとやっていけないほど落ちぶれたら終わりだ」
「麻薬そのものが嫌いというわけじゃないのか」
「もちろん麻薬そのものも嫌いだよ。脳を破壊してまで得たい物はないね」
ブチャラティの奢りで入ったレストランで、彼が顔色を悪くしていた理由を聞いた。なんでもブチャラティとジョルノが所属している組織のエリアで麻薬が必要以上に出回っているかも知れないらしい。
エリアはネアポリスだ。つまり現在トム達がいる場所であるのだが、元々ギャング・パッショーネは麻薬を扱うことは殆どないギャングだったという。
それが最近になって麻薬常習者の話を聞くようになった。ギャングであるブチャラティも知らないところで。
普通に考えれば、ブチャラティより上の幹部の誰かが麻薬を持ち込んでいるという事になるだろう。だが問題はその幹部の行動を更に上の立場であるはずのボスが黙認している可能性があるということだ。
父のアマネが居ればすぐに調べてくれるだろうなと思ったが、忙しいであろう彼にトムの気まぐれで頼むことは出来ない。それにアマネもトムもギャングとは無関係だ。
だからその事実をどうにかするのなら、ギャングであるブチャラティかジョルノが動くべきだろう。そしてブチャラティは、正攻法でそれを行おうとしている様だった。
つまり組織の中で堂々とのし上がっていく。
「時間も手間もかかりそうだけれど周りを黙らせるのにはちょうどいいだろうね」
「そう言ってくれるか」
「愚直だとは思うけど。あ、褒め言葉だよ今回は」
トムはギャングに詳しい訳ではないので上手くは言えないが、犯罪などを犯す集団組織であっても暗黙のルールというのはある。そのルールに従っている間なら誰も文句は言えない。文句を言おうものならそのルールに不満があると、自分達のやり方へ不満があるととられるからだ。
「でも面白そうだ。ジョルノも一緒なんでしょ? 観察してもいいかな」
「どうやって?」
「それはこれから考えるよ。近いうちに何かするつもりでもあるなら教えて欲しいね」
注文したエスプレッソが運ばれてくる。ブチャラティが何か考えるように額を指先で掻いていた。
本場イタリアであるからか珈琲の酸味がたまらない。ナギニにも飲ませたかったが、ナギニは今ジョルノの監視だ。
「……トム。取り引きをしないか?」
「内容によるかな」
ブチャラティが声を潜めて問いかけてくるのに、対して興味がない体を装って答えた。
「麻薬そのものが嫌いというわけじゃないのか」
「もちろん麻薬そのものも嫌いだよ。脳を破壊してまで得たい物はないね」
ブチャラティの奢りで入ったレストランで、彼が顔色を悪くしていた理由を聞いた。なんでもブチャラティとジョルノが所属している組織のエリアで麻薬が必要以上に出回っているかも知れないらしい。
エリアはネアポリスだ。つまり現在トム達がいる場所であるのだが、元々ギャング・パッショーネは麻薬を扱うことは殆どないギャングだったという。
それが最近になって麻薬常習者の話を聞くようになった。ギャングであるブチャラティも知らないところで。
普通に考えれば、ブチャラティより上の幹部の誰かが麻薬を持ち込んでいるという事になるだろう。だが問題はその幹部の行動を更に上の立場であるはずのボスが黙認している可能性があるということだ。
父のアマネが居ればすぐに調べてくれるだろうなと思ったが、忙しいであろう彼にトムの気まぐれで頼むことは出来ない。それにアマネもトムもギャングとは無関係だ。
だからその事実をどうにかするのなら、ギャングであるブチャラティかジョルノが動くべきだろう。そしてブチャラティは、正攻法でそれを行おうとしている様だった。
つまり組織の中で堂々とのし上がっていく。
「時間も手間もかかりそうだけれど周りを黙らせるのにはちょうどいいだろうね」
「そう言ってくれるか」
「愚直だとは思うけど。あ、褒め言葉だよ今回は」
トムはギャングに詳しい訳ではないので上手くは言えないが、犯罪などを犯す集団組織であっても暗黙のルールというのはある。そのルールに従っている間なら誰も文句は言えない。文句を言おうものならそのルールに不満があると、自分達のやり方へ不満があるととられるからだ。
「でも面白そうだ。ジョルノも一緒なんでしょ? 観察してもいいかな」
「どうやって?」
「それはこれから考えるよ。近いうちに何かするつもりでもあるなら教えて欲しいね」
注文したエスプレッソが運ばれてくる。ブチャラティが何か考えるように額を指先で掻いていた。
本場イタリアであるからか珈琲の酸味がたまらない。ナギニにも飲ませたかったが、ナギニは今ジョルノの監視だ。
「……トム。取り引きをしないか?」
「内容によるかな」
ブチャラティが声を潜めて問いかけてくるのに、対して興味がない体を装って答えた。