五部
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ジョルノ視点
「君達にナギニを貸してあげる。何かあったらナギニへ僕を呼ぶように言ってくれたら僕も行くよ」
そう言って渡された白い蛇は、手首へ一巻きすれば尾が少し余る程度の大きさだった。
一昨日は大蛇になったというのにどうなっているのかと訪ねると、トムは『じゃあそれが僕のスタンドってことにしようかな』と言う。それを聞いたブチャラティがスタンド使いではないのかと聞いたらトムはあっけらかんと肯定していた。
「言ったでしょう? 僕は魔法使いだ。父さんが調べてたからスタンドについては多分二人よりも詳しいけれど、僕自身はスタンド使いじゃない」
「スタンド使いと魔法使いは違うのか?」
「おにいさんは自分のスタンドで箒に跨がって飛ぶの?」
「飛ばないな。トムは飛べるのか?」
「飛べるよ。でも今は箒が無いから実演できないね」
「それは残念だ」
スタンド使いではないのにスタンドへ詳しいと言う。その理由らしい『父親』のことが気にならなかったと言えば嘘になるが、ジョルノはそれを聞くことが出来なかった。
聞くこと自体は話の流れで出来ただろう。答えてくれるかどうかは分からないが、トムはジョルノの友達へなろうとしているらしいのでその辺りを突けば少しは情報を手に入れられた筈だ。
出来なかったのは『それをしていいのか』と思ったからである。
ブチャラティと同じチームの仲間達との顔合わせを終わらせ、学校の寄宿舎へ戻る途中で手首へ絡んでいた白蛇を見た。
確か名前はナギニだっただろうか。時計を見るようにナギニを見やれば彼女はジョルノの視線に気付いて手首を離れ、腕を伝って服の下から襟首へと昇ってきた。
赤い舌がチロチロと揺れて、息が抜けるような音がする。
「……君の飼い主は、何を考えているんだ?」
差し出した指先を舐められた。当然だが蛇の言葉など分からない。
ナギニはしばらくジョルノへ何かを訴えるようにジョルノを見上げたり言葉を発したいとばかりに口を開けていたりしたが、やがてどう考えても言葉が通じないと悟ったらしく、諦めた様子でジョルノの手首へと戻って落ち着いた。彼女も彼女で不思議な蛇である。
友達になりたいなんて変な話だ。よくは分からないが友達とはそういう風に作るものではないだろう。
『君が僕の選ばないであろう選択をしたのが楽しくて仕方がない。その結果で君がどうなるのかが僕は知りたいんだ』
あの言葉だって、友達になりたい相手に言う言葉じゃない。
「……分からないな」
「君達にナギニを貸してあげる。何かあったらナギニへ僕を呼ぶように言ってくれたら僕も行くよ」
そう言って渡された白い蛇は、手首へ一巻きすれば尾が少し余る程度の大きさだった。
一昨日は大蛇になったというのにどうなっているのかと訪ねると、トムは『じゃあそれが僕のスタンドってことにしようかな』と言う。それを聞いたブチャラティがスタンド使いではないのかと聞いたらトムはあっけらかんと肯定していた。
「言ったでしょう? 僕は魔法使いだ。父さんが調べてたからスタンドについては多分二人よりも詳しいけれど、僕自身はスタンド使いじゃない」
「スタンド使いと魔法使いは違うのか?」
「おにいさんは自分のスタンドで箒に跨がって飛ぶの?」
「飛ばないな。トムは飛べるのか?」
「飛べるよ。でも今は箒が無いから実演できないね」
「それは残念だ」
スタンド使いではないのにスタンドへ詳しいと言う。その理由らしい『父親』のことが気にならなかったと言えば嘘になるが、ジョルノはそれを聞くことが出来なかった。
聞くこと自体は話の流れで出来ただろう。答えてくれるかどうかは分からないが、トムはジョルノの友達へなろうとしているらしいのでその辺りを突けば少しは情報を手に入れられた筈だ。
出来なかったのは『それをしていいのか』と思ったからである。
ブチャラティと同じチームの仲間達との顔合わせを終わらせ、学校の寄宿舎へ戻る途中で手首へ絡んでいた白蛇を見た。
確か名前はナギニだっただろうか。時計を見るようにナギニを見やれば彼女はジョルノの視線に気付いて手首を離れ、腕を伝って服の下から襟首へと昇ってきた。
赤い舌がチロチロと揺れて、息が抜けるような音がする。
「……君の飼い主は、何を考えているんだ?」
差し出した指先を舐められた。当然だが蛇の言葉など分からない。
ナギニはしばらくジョルノへ何かを訴えるようにジョルノを見上げたり言葉を発したいとばかりに口を開けていたりしたが、やがてどう考えても言葉が通じないと悟ったらしく、諦めた様子でジョルノの手首へと戻って落ち着いた。彼女も彼女で不思議な蛇である。
友達になりたいなんて変な話だ。よくは分からないが友達とはそういう風に作るものではないだろう。
『君が僕の選ばないであろう選択をしたのが楽しくて仕方がない。その結果で君がどうなるのかが僕は知りたいんだ』
あの言葉だって、友達になりたい相手に言う言葉じゃない。
「……分からないな」