五部
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ジョルノが語ったのは『ギャングになる』という夢と、その為にまずギャングになる為の試験の事。それからその試験の内容だった。
ギャングやマフィアは通常、一般人へその事を話はしない。イタリアのそれであるなら尚更の事だ。常に民衆へ紛れ平穏な生活を隠れ蓑として、けれども確実にその社会の裏側へ根を張っているのが裏社会というものである。
無論民衆側もそれを理解していて、相手がギャングだと分かっていてもあげつらったり忌避はしない。場合によっては町を守ってくれていると親好と感謝を持って接する。
少なくともトムが知っているマフィアとかギャングとはそういうものだ。そしてジョルノはそんなギャングの一員へなるのだという。
「――おもしろい!」
「は?」
「面白い。凄く興味深いな! 君が、『ジョルノ・ジョバァーナ』がギャングになるって言い出すなんて!」
話を聞いて声を上げたトムに康一もジョルノも驚いているようだった。けれどもトムにはジョルノのその行動が興味深くて仕方が無かったのだ。
ジョルノは『父の友人を殺した男の息子』である。本人はどうやらその事実どころか自分の生みの父親がどんな人物であるのかも殆ど知らないようだけれど、トムにとってはその部分も琴線に触れていた。
何故なら、トムもまた『友人の父の親を殺した』事があるからだ。
その記憶は当然今のトムにはない。父のアマネとその関係者がトムのその邪悪な魂を洗浄したと聞いている。つまりトムには初めてアマネと出会って息子になる人生より前世の記憶はない。
けれどもトムは自分の前世がいわゆるどんな悪人であったのかを知っている。生まれ直された世界と時代が死ぬ前とあまり変わらず、『トムの前世』は歴史へ名を残す程度の悪行を行なっていたからだ。その過程でトムの友人の祖父母を殺していた。
トムにその記憶は一切無いが、その時代を知っている年代の人は当然覚えていて、そうしてトムを“見てきた”のだ。
前世と父親の違いはあれど、トムとジョルノはそういう『立場』が似ている。
その似ているジョルノが、裏社会側から平和を見守るギャングになろうとしているのだ。
「ジョルノ。僕は君を観察したい。観察って言葉は物言いが悪かったな。僕と友達になってくれるかい?」
驚いていたジョルノの手を掴んで“お願い”する。
「と、友達……?」
「ちょっと、トム君ッ。そんな事アマネさんが知ったら」
「父さんなら僕に友達が出来たら諸手を上げて喜ぶさ。だって僕の父さんだよ?」
ギャングやマフィアは通常、一般人へその事を話はしない。イタリアのそれであるなら尚更の事だ。常に民衆へ紛れ平穏な生活を隠れ蓑として、けれども確実にその社会の裏側へ根を張っているのが裏社会というものである。
無論民衆側もそれを理解していて、相手がギャングだと分かっていてもあげつらったり忌避はしない。場合によっては町を守ってくれていると親好と感謝を持って接する。
少なくともトムが知っているマフィアとかギャングとはそういうものだ。そしてジョルノはそんなギャングの一員へなるのだという。
「――おもしろい!」
「は?」
「面白い。凄く興味深いな! 君が、『ジョルノ・ジョバァーナ』がギャングになるって言い出すなんて!」
話を聞いて声を上げたトムに康一もジョルノも驚いているようだった。けれどもトムにはジョルノのその行動が興味深くて仕方が無かったのだ。
ジョルノは『父の友人を殺した男の息子』である。本人はどうやらその事実どころか自分の生みの父親がどんな人物であるのかも殆ど知らないようだけれど、トムにとってはその部分も琴線に触れていた。
何故なら、トムもまた『友人の父の親を殺した』事があるからだ。
その記憶は当然今のトムにはない。父のアマネとその関係者がトムのその邪悪な魂を洗浄したと聞いている。つまりトムには初めてアマネと出会って息子になる人生より前世の記憶はない。
けれどもトムは自分の前世がいわゆるどんな悪人であったのかを知っている。生まれ直された世界と時代が死ぬ前とあまり変わらず、『トムの前世』は歴史へ名を残す程度の悪行を行なっていたからだ。その過程でトムの友人の祖父母を殺していた。
トムにその記憶は一切無いが、その時代を知っている年代の人は当然覚えていて、そうしてトムを“見てきた”のだ。
前世と父親の違いはあれど、トムとジョルノはそういう『立場』が似ている。
その似ているジョルノが、裏社会側から平和を見守るギャングになろうとしているのだ。
「ジョルノ。僕は君を観察したい。観察って言葉は物言いが悪かったな。僕と友達になってくれるかい?」
驚いていたジョルノの手を掴んで“お願い”する。
「と、友達……?」
「ちょっと、トム君ッ。そんな事アマネさんが知ったら」
「父さんなら僕に友達が出来たら諸手を上げて喜ぶさ。だって僕の父さんだよ?」