五部
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スタンドが消滅すると同時に『矢』も消えてしまった。どうやらあの『矢』はジョルノを襲ったスタンドが何かしらの方法で持ち歩いているものだったのだろう。ということはこの場で回収は出来ないかと考える。
トムは別にスピードワゴン財団の職員でも何でもないが、あの『矢』の重要性は知っていた。だから回収でもすれば父のアマネが褒めてくれるだろうとは考えていたのだが、回収出来ないのなら潔く諦められる程度の執着だ。
康一も似たような考えをしたらしく、承太郎へ『矢』の事を知らせなければと校門の外へあった公衆電話へと走っていく。それをジョルノが追いかけていって阻止した。
「今、君は『増える』って言ったのか? 『矢』を持ったポルポのスタンドは見ての通りやっつけたぞ」
「君は勘違いしてる。今のスタンドは日光に当たって攻撃を“やめた”ってだけのことで、『本体』はダメージなくピンピンしてるさ」
「生きてるのか? ポルポは!?」
驚くジョルノの様子からして、彼はまだスタンドについて詳しくないのだと認識する。
「康一さんが『遠隔自動操縦』だって言っただろう? 簡単な命令だけを忠実にこなすしか脳のないスタンドに操縦者の監視なんて必要ないんだ。おそらくそのポルポっていう奴は自分のスタンドが動いたことにも気付いていないよ」
トムもナギニを撫でながら歩み寄れば、ジョルノは何も言わずにトムを振り返った。その手には相変わらず火が点いたままのライターが握られているが、アレが消えたらまたさっきのスタンドが出てくるのだろう。
スタンドが見えなくたって康一達の会話からそのくらいは推測出来る。
「それでジョルノ。君は不可抗力だろうとはいえスタンドの戦いへ僕達を巻き込んだ償いとして、何かしらの説明をしてくれるつもりはあるんだろう?」
「……コーイチ君がどこへ電話を掛けるつもりだったか分からないけれど、電話をさせるわけにはいかない」
「だろうね。僕でもそうする」
「トム君」
「でもジョルノ。僕達は知る権利がある。少なくとも君へそのライターを渡した相手がどんな存在なのかって事くらいはね」
二人へ近付いて公衆電話の通話ボタンを押して電話させないようにしていたジョルノの手をどかし、康一の手から受話器を取り返してそこへ置く。そうして行動で話をすることを強制させれば、ジョルノは深刻そうに口を開いた。
「……敵は一人じゃない。『組織』なんだ。君達が誰かにしゃべればそこからバレる可能性がある」
トムは別にスピードワゴン財団の職員でも何でもないが、あの『矢』の重要性は知っていた。だから回収でもすれば父のアマネが褒めてくれるだろうとは考えていたのだが、回収出来ないのなら潔く諦められる程度の執着だ。
康一も似たような考えをしたらしく、承太郎へ『矢』の事を知らせなければと校門の外へあった公衆電話へと走っていく。それをジョルノが追いかけていって阻止した。
「今、君は『増える』って言ったのか? 『矢』を持ったポルポのスタンドは見ての通りやっつけたぞ」
「君は勘違いしてる。今のスタンドは日光に当たって攻撃を“やめた”ってだけのことで、『本体』はダメージなくピンピンしてるさ」
「生きてるのか? ポルポは!?」
驚くジョルノの様子からして、彼はまだスタンドについて詳しくないのだと認識する。
「康一さんが『遠隔自動操縦』だって言っただろう? 簡単な命令だけを忠実にこなすしか脳のないスタンドに操縦者の監視なんて必要ないんだ。おそらくそのポルポっていう奴は自分のスタンドが動いたことにも気付いていないよ」
トムもナギニを撫でながら歩み寄れば、ジョルノは何も言わずにトムを振り返った。その手には相変わらず火が点いたままのライターが握られているが、アレが消えたらまたさっきのスタンドが出てくるのだろう。
スタンドが見えなくたって康一達の会話からそのくらいは推測出来る。
「それでジョルノ。君は不可抗力だろうとはいえスタンドの戦いへ僕達を巻き込んだ償いとして、何かしらの説明をしてくれるつもりはあるんだろう?」
「……コーイチ君がどこへ電話を掛けるつもりだったか分からないけれど、電話をさせるわけにはいかない」
「だろうね。僕でもそうする」
「トム君」
「でもジョルノ。僕達は知る権利がある。少なくとも君へそのライターを渡した相手がどんな存在なのかって事くらいはね」
二人へ近付いて公衆電話の通話ボタンを押して電話させないようにしていたジョルノの手をどかし、康一の手から受話器を取り返してそこへ置く。そうして行動で話をすることを強制させれば、ジョルノは深刻そうに口を開いた。
「……敵は一人じゃない。『組織』なんだ。君達が誰かにしゃべればそこからバレる可能性がある」