五部
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苦しみ悶える悲鳴のようなものが聞こえて、ジョルノが自由になったらしい足を動かす。耳元でナギニが影の中のスタンドの様子を教えてくれていなかったら、トムも鏡を持って遊んでいるだけの様な滑稽な姿だ。
けれどもトムが“増やして”反射させている鏡の攻撃は効いているようだから許してやろうと思う。でなければこんなふざけた行動をするものか。
周囲の影がなくなって逃げ場を失ったスタンドが、必死に近くの影を探して這いずり逃げようとしているらしい。ナギニが嘘を言うとは思えないのでそれは確実だ。
流石に足の自由が戻ったならスタンドを持つジョルノか康一が何とかするだろう。そこまでトムが手を貸してやる義理もなかった。ただ鏡で影だけは作らないでおいてやる。
「向かうべき道が二つあるって言ってたが、おまえにはそんな『多い』選択はありえないな」
立ち上がったジョルノがおそらくスタンドのいる辺りを指差して告げた。ナギニが興奮気味に影から出て苦しんでいたスタンドがジョルノのものと思われるスタンドへタコ殴りにされていると教えてくる。
そんな乱暴な行為を気に入らないでほしい。ナギニはレディなのだからもう少しお淑やかにするべきだ。いや、状況説明をより鮮明にする為に感情移入してしまっているのだとしたら可愛いのだが。
「ゆっくりとあじわいな日光浴を!たったそれひとつだけだ! おまえの行くべき道は!」
断末魔が小さくなって消えていく。トムがもういいだろうと思って鏡を地面へ置けば、ナギニがトムの肩から降りてスルスルと地面を這っていった。どこへ行くのかと思えばナギニはジョルノが落としたのだろう未だに火を灯し続けているライターへと近づき、吹き出ている炎に気を付けながらライターをくわえる。
首をもたげ上げたかと思うと方向転換をしジョルノへと近付いていって、ナギニがライターをくわえて傍へ来ることに目を丸くしていたジョルノへライターを差し出していた。
「あ、ありがとう?」
「どういたしまして。ナギニは親切だからね」
「そうなんだ……」
戸惑いながらもしゃがんでナギニからライターを受け取ったジョルノに、ナギニがトムの元へと戻ってくる。あげる炎の量を減らして大蛇から赤ん坊のサイズへまで小さくして肩へ乗せれば、ナギニは満足そうにそこへ落ち着いた。
ジョルノはナギニから受け取ったライターの火を眺めている。
「とはいえ、どうしたものか……。『組織』に入団できるのだろうか……困った」
けれどもトムが“増やして”反射させている鏡の攻撃は効いているようだから許してやろうと思う。でなければこんなふざけた行動をするものか。
周囲の影がなくなって逃げ場を失ったスタンドが、必死に近くの影を探して這いずり逃げようとしているらしい。ナギニが嘘を言うとは思えないのでそれは確実だ。
流石に足の自由が戻ったならスタンドを持つジョルノか康一が何とかするだろう。そこまでトムが手を貸してやる義理もなかった。ただ鏡で影だけは作らないでおいてやる。
「向かうべき道が二つあるって言ってたが、おまえにはそんな『多い』選択はありえないな」
立ち上がったジョルノがおそらくスタンドのいる辺りを指差して告げた。ナギニが興奮気味に影から出て苦しんでいたスタンドがジョルノのものと思われるスタンドへタコ殴りにされていると教えてくる。
そんな乱暴な行為を気に入らないでほしい。ナギニはレディなのだからもう少しお淑やかにするべきだ。いや、状況説明をより鮮明にする為に感情移入してしまっているのだとしたら可愛いのだが。
「ゆっくりとあじわいな日光浴を!たったそれひとつだけだ! おまえの行くべき道は!」
断末魔が小さくなって消えていく。トムがもういいだろうと思って鏡を地面へ置けば、ナギニがトムの肩から降りてスルスルと地面を這っていった。どこへ行くのかと思えばナギニはジョルノが落としたのだろう未だに火を灯し続けているライターへと近づき、吹き出ている炎に気を付けながらライターをくわえる。
首をもたげ上げたかと思うと方向転換をしジョルノへと近付いていって、ナギニがライターをくわえて傍へ来ることに目を丸くしていたジョルノへライターを差し出していた。
「あ、ありがとう?」
「どういたしまして。ナギニは親切だからね」
「そうなんだ……」
戸惑いながらもしゃがんでナギニからライターを受け取ったジョルノに、ナギニがトムの元へと戻ってくる。あげる炎の量を減らして大蛇から赤ん坊のサイズへまで小さくして肩へ乗せれば、ナギニは満足そうにそこへ落ち着いた。
ジョルノはナギニから受け取ったライターの火を眺めている。
「とはいえ、どうしたものか……。『組織』に入団できるのだろうか……困った」