ペルソナ4
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何処からでも入れるらしいからテレビヘ入る前に食事を、と思ってジュネスのフードコートに行くと家電売り場で見た男子生徒が一人で座っていた。
黙々とナプキンで鶴を折る姿は男子高校生として少し寂しいものがあるが、良く考えれば二年前には一日中部屋に篭もってネットゲームしている人がいたのだ。大して変わらないものかもしれない。
ずっと見ていれば後ろから来た誰かが横をすり抜けて彼の元へ行く。それがヘッドホンをしていたほうだと気付いて、静かに何事も無かったかのごとく近くの店で普通に昼食代わりと飲み物を買った。俄かに騒がしくなるフードコートも警備員に捕まる二人も見なかったことにする。
パトカーの音が遠ざかっていくのを聞きながら、話しかけなくて良かったと思った。服の下にはナイフを隠し持っていたから。
腹を満たして時間を潰した後、電化製品売り場で人が途切れたのを機にテレビへ入り込む。
落下する感覚というか実際に落下した先は、事件現場のように人の形が白線で何人分も引かれている場所で、靴底で擦ってみてもそれが消えるようなことはなかった。
道なりに進んでいけば、二年前にも見たのと同じようなシャドウの姿。
サテどうしようかと悩みながらも歩みは止めない。テレビの中と言う非現実的空間だけれども、もしここがタルタロスと同じような作りであれば時間が過ぎると死神のヤツがやってくるからだ。
時々襲い掛かってくるシャドウをナイフや足で蹴飛ばしながら進んでいけば、先日テレビで旅館の娘さんが映った時の後ろに見えた城のような光景が見えてくる。この先に彼女がいるのだろうかと思いながら足を踏み入れた。
そうして向かった先で人の気配がして立ち止まる。
壁に背中を押し当てるようにして隠れながら声がした先を見れば、やはり先日見た女生徒とテレビから出てきた二人組がいた。
ついでに何故か変な物体もいる。アレはシャドウだろうと思ったのだが、喋っている所や女生徒たちを攻撃する様子も無い。気配だけはシャドウの様なのに、雰囲気がいつかのアイギスに似ているところからして、アレもまた人に近いものなのだろうか。
出て行くのが憚られて隠れて観察していると、どうにか一段落着いたらしい。一際大きいシャドウが消えてカードになり、女生徒の手に落ちていく。
だが旅館の娘さんの姿は無い。
どういうことだろうと身を乗り出しかけたところでふと、色素の薄い男子生徒がこちらを振り返った。慌てて身を隠し、気配を消す。
彼らはペルソナを持っているらしいから、自分のことを見間違いがシャドウと勘違いしてくれればいいが、山岸の様な探索型のペルソナを持っていた場合すぐ見つかってしまう。
これは逃げたほうが良いだろうなとそっとその場を離れて、結局その日はテレビから出ることにした。
黙々とナプキンで鶴を折る姿は男子高校生として少し寂しいものがあるが、良く考えれば二年前には一日中部屋に篭もってネットゲームしている人がいたのだ。大して変わらないものかもしれない。
ずっと見ていれば後ろから来た誰かが横をすり抜けて彼の元へ行く。それがヘッドホンをしていたほうだと気付いて、静かに何事も無かったかのごとく近くの店で普通に昼食代わりと飲み物を買った。俄かに騒がしくなるフードコートも警備員に捕まる二人も見なかったことにする。
パトカーの音が遠ざかっていくのを聞きながら、話しかけなくて良かったと思った。服の下にはナイフを隠し持っていたから。
腹を満たして時間を潰した後、電化製品売り場で人が途切れたのを機にテレビへ入り込む。
落下する感覚というか実際に落下した先は、事件現場のように人の形が白線で何人分も引かれている場所で、靴底で擦ってみてもそれが消えるようなことはなかった。
道なりに進んでいけば、二年前にも見たのと同じようなシャドウの姿。
サテどうしようかと悩みながらも歩みは止めない。テレビの中と言う非現実的空間だけれども、もしここがタルタロスと同じような作りであれば時間が過ぎると死神のヤツがやってくるからだ。
時々襲い掛かってくるシャドウをナイフや足で蹴飛ばしながら進んでいけば、先日テレビで旅館の娘さんが映った時の後ろに見えた城のような光景が見えてくる。この先に彼女がいるのだろうかと思いながら足を踏み入れた。
そうして向かった先で人の気配がして立ち止まる。
壁に背中を押し当てるようにして隠れながら声がした先を見れば、やはり先日見た女生徒とテレビから出てきた二人組がいた。
ついでに何故か変な物体もいる。アレはシャドウだろうと思ったのだが、喋っている所や女生徒たちを攻撃する様子も無い。気配だけはシャドウの様なのに、雰囲気がいつかのアイギスに似ているところからして、アレもまた人に近いものなのだろうか。
出て行くのが憚られて隠れて観察していると、どうにか一段落着いたらしい。一際大きいシャドウが消えてカードになり、女生徒の手に落ちていく。
だが旅館の娘さんの姿は無い。
どういうことだろうと身を乗り出しかけたところでふと、色素の薄い男子生徒がこちらを振り返った。慌てて身を隠し、気配を消す。
彼らはペルソナを持っているらしいから、自分のことを見間違いがシャドウと勘違いしてくれればいいが、山岸の様な探索型のペルソナを持っていた場合すぐ見つかってしまう。
これは逃げたほうが良いだろうなとそっとその場を離れて、結局その日はテレビから出ることにした。