後日談
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湊さんが死んだ。幸せそうに穏やかに苦しまず悲しまず満足そうに。
彼が見つけた『命の答え』。それと同じものを俺は既に得てはいた。だがそれだけだ。
それでも湊さんが犠牲になる必要なんて無かった。
ニュクスを守る? 一人でなくたって良かったはずだ。
エレボスを倒す? 何度来るかも分からない強敵を何度も?
貴方は『封印』になっている間、ずっと死ぬ事も生まれ変わる事も出来ない。俺のように記憶を持って無くてもいいから、せめてまっさらな魂としてでも、生まれ変わって生きてくれたら。
生きてくれたら、もう少し俺は救われた。
ニュクスの元へ向かっていった貴方へ言った言葉が思い出せません。貴方はそれを聞いて微笑んだけれど、そんな微笑ましいことを言った訳では無かったはずだ。
聞いてください兄さん。俺は『大いなる全知の亜種』なんだそうです。けれどそれが何なのかは知りません。今まで知ろうとも思ってなかった。必要はありませんでした。
でもその力で砂になってしまった死んだ人を、元通りにした事があります。周りの人の記憶から、自分のことを消した事があります。死にかけだった人を、救った事もあります。
全て俺の自己満足ではありました。誰かが、泣いているのを見るのが嫌でした。
泣いているのを見ると、俺はどうすればいいのか分からなくなって、俺のせいではないとしても酷く苦しむのです。
だから俺は今まで自分が何事の矢面にへも立っていた。何も無い手で鏡を抱きしめ、千切れて失った脚で立ち、何でも見えるつもりでいた眼で星の記憶を見た。
……兄さん、貴方へ対して一つ悔やんでいる事があります。
俺の昔話なんて話さなけりゃ良かった。
「……ぁ」
突き落されたように眼を覚ました。零れて顔を濡らしている涙を拭って起き上がる。何故だか酷く喉が渇いていた。
何でもいいから水を飲もうと皹が入り一部が欠けている水差しを拾い上げ、傾けてみるが水は出てこない。ぼんやりとした頭でキッチンへ行くかと部屋を出る。
時計を見ていないので時間は分からなかったが、ラウンジのほうが騒がしいので深夜では無いのだろう。
一階へ降りればアイギス達が揃っており、更に見覚えの無い黒い少女と、自分そっくりの男が集まっていた。
そういえば寝起きだから髪の毛を梳かしていないなと、後頭部を軽く掻く。
天田が振り返り俺を見て、驚いていた。
「アマネさん!?」
その声へ反応して他の面々も振り返る。俺にそっくりの男は金色の目をしていた。
彼が見つけた『命の答え』。それと同じものを俺は既に得てはいた。だがそれだけだ。
それでも湊さんが犠牲になる必要なんて無かった。
ニュクスを守る? 一人でなくたって良かったはずだ。
エレボスを倒す? 何度来るかも分からない強敵を何度も?
貴方は『封印』になっている間、ずっと死ぬ事も生まれ変わる事も出来ない。俺のように記憶を持って無くてもいいから、せめてまっさらな魂としてでも、生まれ変わって生きてくれたら。
生きてくれたら、もう少し俺は救われた。
ニュクスの元へ向かっていった貴方へ言った言葉が思い出せません。貴方はそれを聞いて微笑んだけれど、そんな微笑ましいことを言った訳では無かったはずだ。
聞いてください兄さん。俺は『大いなる全知の亜種』なんだそうです。けれどそれが何なのかは知りません。今まで知ろうとも思ってなかった。必要はありませんでした。
でもその力で砂になってしまった死んだ人を、元通りにした事があります。周りの人の記憶から、自分のことを消した事があります。死にかけだった人を、救った事もあります。
全て俺の自己満足ではありました。誰かが、泣いているのを見るのが嫌でした。
泣いているのを見ると、俺はどうすればいいのか分からなくなって、俺のせいではないとしても酷く苦しむのです。
だから俺は今まで自分が何事の矢面にへも立っていた。何も無い手で鏡を抱きしめ、千切れて失った脚で立ち、何でも見えるつもりでいた眼で星の記憶を見た。
……兄さん、貴方へ対して一つ悔やんでいる事があります。
俺の昔話なんて話さなけりゃ良かった。
「……ぁ」
突き落されたように眼を覚ました。零れて顔を濡らしている涙を拭って起き上がる。何故だか酷く喉が渇いていた。
何でもいいから水を飲もうと皹が入り一部が欠けている水差しを拾い上げ、傾けてみるが水は出てこない。ぼんやりとした頭でキッチンへ行くかと部屋を出る。
時計を見ていないので時間は分からなかったが、ラウンジのほうが騒がしいので深夜では無いのだろう。
一階へ降りればアイギス達が揃っており、更に見覚えの無い黒い少女と、自分そっくりの男が集まっていた。
そういえば寝起きだから髪の毛を梳かしていないなと、後頭部を軽く掻く。
天田が振り返り俺を見て、驚いていた。
「アマネさん!?」
その声へ反応して他の面々も振り返る。俺にそっくりの男は金色の目をしていた。