後日談
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××××視点
〝朝〟を取り戻しに行こう
目を開けた先に見える、廃墟のような室内を彩る錆びた血の色。犬小屋だってもっと立派だろうと思える程度にボロい壁に、不釣合いな家具が並べられた部屋。
けれどもそれも、拾ってきては修理して置いていたもの。現に棚へ仕舞われた食器の殆どが割れているか皹が入っている。転がる水差し。
申し訳程度に飾られていた花瓶にささる花は枯れていて、そういえばもうすぐ春になるから、そうしたら花を摘みに行こうと話したことを『思い出した』
白骨化した死体の胸元へ刺さるナイフ。骸骨が着ている服は女物。
それを跨いで奥へ向かい、次の部屋へ繋がる扉を開ける。覚えている限り扉の向こうは寝室へ繋がる廊下だったはずだが、今は寮の廊下へと繋がっていた。
「……ふむ。これはヤバイな」
独り言は誰にも聞かれずに零れ落ちる。廊下の先の階下が騒がしい。
左手から『橙色』の炎が燃え上がって消えた。それを見てから廊下に出て後ろ手でドアを閉める。
廊下の端にある窓の外は暗く、よって廊下の明かりを反射して自分の姿が写っていた。何とはなしにそれを確認し、『自分の姿』がどうなっているのかを理解して眉を潜める。
「どうすりゃいいんだ」
一度目を閉じて、再び開ければ暗い窓へうつる眼の色は『金』
「……まぁ、いいか」
一応の満足をして、今度こそ階下のラウンジへ降りる為に廊下を歩き出した。こんなに自立した行動は初めてだったが、どうにかなるだろうと楽観視している。
その足元に『影』は無く。
〝朝〟を取り戻しに行こう
目を開けた先に見える、廃墟のような室内を彩る錆びた血の色。犬小屋だってもっと立派だろうと思える程度にボロい壁に、不釣合いな家具が並べられた部屋。
けれどもそれも、拾ってきては修理して置いていたもの。現に棚へ仕舞われた食器の殆どが割れているか皹が入っている。転がる水差し。
申し訳程度に飾られていた花瓶にささる花は枯れていて、そういえばもうすぐ春になるから、そうしたら花を摘みに行こうと話したことを『思い出した』
白骨化した死体の胸元へ刺さるナイフ。骸骨が着ている服は女物。
それを跨いで奥へ向かい、次の部屋へ繋がる扉を開ける。覚えている限り扉の向こうは寝室へ繋がる廊下だったはずだが、今は寮の廊下へと繋がっていた。
「……ふむ。これはヤバイな」
独り言は誰にも聞かれずに零れ落ちる。廊下の先の階下が騒がしい。
左手から『橙色』の炎が燃え上がって消えた。それを見てから廊下に出て後ろ手でドアを閉める。
廊下の端にある窓の外は暗く、よって廊下の明かりを反射して自分の姿が写っていた。何とはなしにそれを確認し、『自分の姿』がどうなっているのかを理解して眉を潜める。
「どうすりゃいいんだ」
一度目を閉じて、再び開ければ暗い窓へうつる眼の色は『金』
「……まぁ、いいか」
一応の満足をして、今度こそ階下のラウンジへ降りる為に廊下を歩き出した。こんなに自立した行動は初めてだったが、どうにかなるだろうと楽観視している。
その足元に『影』は無く。