ペルソナ3
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「伏見さんはさ、来年も生徒会やろうって思ってんでしょ?」
「え、うん……だ、駄目かな?」
「いやいやいいと思うよ。そうじゃなくてさー、オレこの一年で成績スゲー上がったじゃん? それで先生に『生徒会入らないか』って打診されたんだよね」
人の弁当箱から卵焼きを奪い取り、口へ放り込んで佐藤が唸る。
「成績で入れられんのもどうかと思うけど、そもそもオレが生徒会? って感じで、返事保留にしてんだけど、どう思うよ二人とも」
「……いいんじゃないかな。私、その、佐藤君が居てくれたら、助かるかなって思う」
「お前は?」
「いいと思うぜぇ。佐藤結構面倒見いいしなぁ」
「うわー、それお前に言われると思わなかった。……っていうかそうだ、斑鳩にも入らないか聞いておいてくれって言われてたわ。もうこうなったら三人で頑張ろう! な!」
「他にも役員居ると思うよ……?」
***
「メカ部を作ろうと思うの」
「メカ部、ですか」
もう少しいいネーミングは無かったのだろうかと思うが、山岸は気にしている様子は無い。
「最低五人は部員を集めなくちゃいけなくて……もし良かったら、斑鳩君、入ってくれないかな」
「俺、ですか?」
「もちろん興味があったらでいいの! 斑鳩君部活入ってないし……その、やっぱりダメ、かな?」
「……いえ、山岸先輩。いいですよ。他にも、クラスの奴にも聞いてみますね」
「あ……ありがとう!」
山岸の笑顔に微笑む。了承してから生徒会と兼部は出来ただろうかと疑問に思ったが、生徒会はまだ確定していないことを思い出した。
***
「もうすぐ卒業式かー。卒業式が終わったら期末。期末が終わったら……春休み!」
「まだ桜は咲かないのかな」
「卒業式の日に咲いたらいいのになぁ」
「ねぇお願い無視しないで二人とも!」
校門の傍にある桜の木は、少し淡く色付いているが花は咲いていない。佐藤が隣へ来て窓枠へ腕を乗せて外を眺める。
「……従兄弟の兄ちゃんが大学で国文学やってたんだけどさ、児童文学? 分かんないけど宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』ってあるじゃん。アレって最初は今と違って、何かよく分かんない博士に実験の協力させられてあんな幻想的な場所を旅する話だったんだって」
「へぇ、そうなんだ。知らなかった」
「……それでぇ?」
「アレ最後カンパネルラ死ぬじゃん。一緒に旅した友人が死んでたって知ってもさ、ジョパンニは悲しむっていう描写が無いだろ? それがいっつも不満でさオレ。……桜が咲いてんの好きだけど、皆散ってくのはどうでもいいって感じしてる気が時々しねえ?」
季節外れの蝶が飛んでいた。
「……どうでもいいなんて、思ってねぇよ」
「そう?」
「え、うん……だ、駄目かな?」
「いやいやいいと思うよ。そうじゃなくてさー、オレこの一年で成績スゲー上がったじゃん? それで先生に『生徒会入らないか』って打診されたんだよね」
人の弁当箱から卵焼きを奪い取り、口へ放り込んで佐藤が唸る。
「成績で入れられんのもどうかと思うけど、そもそもオレが生徒会? って感じで、返事保留にしてんだけど、どう思うよ二人とも」
「……いいんじゃないかな。私、その、佐藤君が居てくれたら、助かるかなって思う」
「お前は?」
「いいと思うぜぇ。佐藤結構面倒見いいしなぁ」
「うわー、それお前に言われると思わなかった。……っていうかそうだ、斑鳩にも入らないか聞いておいてくれって言われてたわ。もうこうなったら三人で頑張ろう! な!」
「他にも役員居ると思うよ……?」
***
「メカ部を作ろうと思うの」
「メカ部、ですか」
もう少しいいネーミングは無かったのだろうかと思うが、山岸は気にしている様子は無い。
「最低五人は部員を集めなくちゃいけなくて……もし良かったら、斑鳩君、入ってくれないかな」
「俺、ですか?」
「もちろん興味があったらでいいの! 斑鳩君部活入ってないし……その、やっぱりダメ、かな?」
「……いえ、山岸先輩。いいですよ。他にも、クラスの奴にも聞いてみますね」
「あ……ありがとう!」
山岸の笑顔に微笑む。了承してから生徒会と兼部は出来ただろうかと疑問に思ったが、生徒会はまだ確定していないことを思い出した。
***
「もうすぐ卒業式かー。卒業式が終わったら期末。期末が終わったら……春休み!」
「まだ桜は咲かないのかな」
「卒業式の日に咲いたらいいのになぁ」
「ねぇお願い無視しないで二人とも!」
校門の傍にある桜の木は、少し淡く色付いているが花は咲いていない。佐藤が隣へ来て窓枠へ腕を乗せて外を眺める。
「……従兄弟の兄ちゃんが大学で国文学やってたんだけどさ、児童文学? 分かんないけど宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』ってあるじゃん。アレって最初は今と違って、何かよく分かんない博士に実験の協力させられてあんな幻想的な場所を旅する話だったんだって」
「へぇ、そうなんだ。知らなかった」
「……それでぇ?」
「アレ最後カンパネルラ死ぬじゃん。一緒に旅した友人が死んでたって知ってもさ、ジョパンニは悲しむっていう描写が無いだろ? それがいっつも不満でさオレ。……桜が咲いてんの好きだけど、皆散ってくのはどうでもいいって感じしてる気が時々しねえ?」
季節外れの蝶が飛んでいた。
「……どうでもいいなんて、思ってねぇよ」
「そう?」