ペルソナ3
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ニュクスを倒したら何をしたい?」
有里へ聞かれて振り返った。
「綾時さんを助ける方法を探したいです。俺ならそれが出来るんじゃねぇかとは思ってます」
散開中のタルタロス内。近くには有里以外いない。だから聞かれたのだろうと思ってそう答えれば、有里は何か言いたげに首を傾げる。
ニュクスの前身だと自分のことを言った望月。ではニュクスを倒したら彼はどうなるのだろうか。
望月はアマネに少し似た存在だ。シャドウよりの人間だとか人間よりのシャドウだとか、今までにもそんな表現をしたがソレは結局見方を変えれば同じだろう。
だからニュクスを倒して全てが片付いて、アマネが平穏にその後を暮らせるのであれば望月だってそれを望んでいいはずだ。片方が良くて片方が悪いなんて二元論は好きではない。
「綾時のこと好き?」
「『友達』ですから。もちろん湊さんのことも好きですよ」
「嬉しい」
端的に感想を述べて有里は微笑む。
「オレは、ニュクスを倒した後のことあまり考えてないんだ。進路相談じゃ就職って答えたけど、どんな仕事が出来るのかも分からないし」
「喫茶店でバイトとかしてたじゃねぇですか」
「バイトと就職は違うと思う。……アイギスとか、ずっと一緒に居たいって言ってくれてるけど、社会的にオレって生きていけるのかなって思った」
「いいですね、それ」
「どうして?」
「だって未来は無限だってことでしょう? 想像出来ねぇのなら想像出来ねぇ数だけ選択肢があるんですから」
シャドウが通路の先を横切ったが、こちらへは気付かずに去っていく。
「それは、決められた未来があるってのよりも絶対に、いいと思いますよ」
決められた未来などいらない。それでは敷かれたレールの上を意味も無く歩いているだけだ。そんな人生に意味は無いだろう。
未来を『預言』で決める世界でもないのだから、好きな生き方をするべきだ。
「……だから、アマネは自分が名乗り出たの?」
隣に並んでいた有里が呟く。
「自分の未来は無いかもしれないって、思わなかった?」
それがアマネの『昔』の話についてだと気付いて、アマネは少し困ってしまった。あの頃のアマネは自分の未来が無いかもしれないなんて考えた事も無かったからだ。
必ず戻るからとか、お前が苦しむ必要は無いとか、全力で時間稼ぎしてやるとか、その場その時はただそれだけを思って考えて、アマネ自身について考えた事は、そういえばあまり無い。
「土壇場になったら、結構自分のことは考えませんでしたよ」
微笑んで詳しい事を誤魔化して答える。有里は考え込むようにアマネを見てから、手を伸ばしてアマネの頭を撫でてきた。
何故撫でられたのかは分からなかったが、それを尋ねる前に散開していた天田が戻ってくる。見つけたらしい宝箱の中身を受け取る有里を眺めながら、この人達にも生きて欲しいと思った。
有里へ聞かれて振り返った。
「綾時さんを助ける方法を探したいです。俺ならそれが出来るんじゃねぇかとは思ってます」
散開中のタルタロス内。近くには有里以外いない。だから聞かれたのだろうと思ってそう答えれば、有里は何か言いたげに首を傾げる。
ニュクスの前身だと自分のことを言った望月。ではニュクスを倒したら彼はどうなるのだろうか。
望月はアマネに少し似た存在だ。シャドウよりの人間だとか人間よりのシャドウだとか、今までにもそんな表現をしたがソレは結局見方を変えれば同じだろう。
だからニュクスを倒して全てが片付いて、アマネが平穏にその後を暮らせるのであれば望月だってそれを望んでいいはずだ。片方が良くて片方が悪いなんて二元論は好きではない。
「綾時のこと好き?」
「『友達』ですから。もちろん湊さんのことも好きですよ」
「嬉しい」
端的に感想を述べて有里は微笑む。
「オレは、ニュクスを倒した後のことあまり考えてないんだ。進路相談じゃ就職って答えたけど、どんな仕事が出来るのかも分からないし」
「喫茶店でバイトとかしてたじゃねぇですか」
「バイトと就職は違うと思う。……アイギスとか、ずっと一緒に居たいって言ってくれてるけど、社会的にオレって生きていけるのかなって思った」
「いいですね、それ」
「どうして?」
「だって未来は無限だってことでしょう? 想像出来ねぇのなら想像出来ねぇ数だけ選択肢があるんですから」
シャドウが通路の先を横切ったが、こちらへは気付かずに去っていく。
「それは、決められた未来があるってのよりも絶対に、いいと思いますよ」
決められた未来などいらない。それでは敷かれたレールの上を意味も無く歩いているだけだ。そんな人生に意味は無いだろう。
未来を『預言』で決める世界でもないのだから、好きな生き方をするべきだ。
「……だから、アマネは自分が名乗り出たの?」
隣に並んでいた有里が呟く。
「自分の未来は無いかもしれないって、思わなかった?」
それがアマネの『昔』の話についてだと気付いて、アマネは少し困ってしまった。あの頃のアマネは自分の未来が無いかもしれないなんて考えた事も無かったからだ。
必ず戻るからとか、お前が苦しむ必要は無いとか、全力で時間稼ぎしてやるとか、その場その時はただそれだけを思って考えて、アマネ自身について考えた事は、そういえばあまり無い。
「土壇場になったら、結構自分のことは考えませんでしたよ」
微笑んで詳しい事を誤魔化して答える。有里は考え込むようにアマネを見てから、手を伸ばしてアマネの頭を撫でてきた。
何故撫でられたのかは分からなかったが、それを尋ねる前に散開していた天田が戻ってくる。見つけたらしい宝箱の中身を受け取る有里を眺めながら、この人達にも生きて欲しいと思った。