ペルソナ3
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もうすぐ進路相談があるとあってクラスの意識もそちらへ向いている。アマネや寮の皆の場合、『ニュクスを無事に倒せた後』の話なので問題が山積みのような気もした。
一年とはいえ、既に決めてありその為にこの学校へ進学した者がいると思えばとりあえず進学という姿勢で進学した者だっている。アマネの場合は後者に近い。
世話になっていた叔父家族の、従妹に当たる娘と距離を置きたかったから叔父の家から遠い学校を選んだだけなのだ。親のいない事にはもう慣れているが、こればかりは面倒くさい。
職員室で担任と向かい合う。
「斑鳩は成績も優秀だし素行も特に問題ないしな……少し怪我が多いけど」
「すみません」
「謝ってもらいたかった訳じゃないよ。ただ、身体は大切にしなさい。で、進路については考えてる?」
「今のところは就職を考えています。取りたい資格はともかく、学びたい事はいくつかありますので、今後変わるでしょうけど」
担任は予想していたのか少し残念そうに『そうか』と言っただけだった。両親が居ないアマネだが、遺されている財産があるので大学へ行くとしても問題はない。けれどもそれは、後から出来る事でもある。
寮へ帰っても話題は進路相談の事で、岳羽や伊織の話を聞いて小学生である天田まで悩んでいた。
「アマネさんはどうするんですか?」
「俺? 俺は学校卒業したら就職を考えてるぜぇ。これ以上叔父夫婦に迷惑掛けたくねぇし、大学は働き始めてからでも入学出来るしなぁ」
「うわっ、生々しいなオイ」
「でもアマネ君はしっかり考えてるんだね」
山岸の言葉には曖昧に笑って返す。どこがしっかり考えているのかと自嘲気味に思ったのは、今までは中学生で裏社会に関わってマフィアとオトモダチになったり、物心ついてすぐに拉致されてボランティアに近いエクソシストになったり、幼少期に故郷の島を失ってからは傭兵家業だったからかもしれない。
どれも勉強をせずともなれると言えばなれる職業だった。というかまともな職に付いた事がなかった事に改めて気付いてしまう。
「あー……俺に合う職業って何だと思います?」
「え!? えーと……料理人?」
「サポートが得意だしな、私の秘書にでもなるか?」
「真面目だし警察官とかもいいんじゃない?」
「探偵とかどうよ」
何となく尋ねてみれば返ってきた返事は、それぞれ本気なのか冗談なのか分からない。
「私は『主夫』がいいと思います」
「……アイギスさん。それは結婚しねぇと成り立たねぇ職業では?」
「それでは嫁となる相手は私達が見定めなくてはな」
「え、ちょっ、桐条先輩?」
「そうだな。生半可な子は斑鳩の嫁には相応しくないだろ」
「真田先輩まで……」
何故かアマネの嫁の話になってしまったラウンジで、どうやって止めればいいのか悩んでいると後ろから袖を引かれた。振り返れば有里。
「アマネ、結婚してもご飯作ってくれる?」
この人もか。
一年とはいえ、既に決めてありその為にこの学校へ進学した者がいると思えばとりあえず進学という姿勢で進学した者だっている。アマネの場合は後者に近い。
世話になっていた叔父家族の、従妹に当たる娘と距離を置きたかったから叔父の家から遠い学校を選んだだけなのだ。親のいない事にはもう慣れているが、こればかりは面倒くさい。
職員室で担任と向かい合う。
「斑鳩は成績も優秀だし素行も特に問題ないしな……少し怪我が多いけど」
「すみません」
「謝ってもらいたかった訳じゃないよ。ただ、身体は大切にしなさい。で、進路については考えてる?」
「今のところは就職を考えています。取りたい資格はともかく、学びたい事はいくつかありますので、今後変わるでしょうけど」
担任は予想していたのか少し残念そうに『そうか』と言っただけだった。両親が居ないアマネだが、遺されている財産があるので大学へ行くとしても問題はない。けれどもそれは、後から出来る事でもある。
寮へ帰っても話題は進路相談の事で、岳羽や伊織の話を聞いて小学生である天田まで悩んでいた。
「アマネさんはどうするんですか?」
「俺? 俺は学校卒業したら就職を考えてるぜぇ。これ以上叔父夫婦に迷惑掛けたくねぇし、大学は働き始めてからでも入学出来るしなぁ」
「うわっ、生々しいなオイ」
「でもアマネ君はしっかり考えてるんだね」
山岸の言葉には曖昧に笑って返す。どこがしっかり考えているのかと自嘲気味に思ったのは、今までは中学生で裏社会に関わってマフィアとオトモダチになったり、物心ついてすぐに拉致されてボランティアに近いエクソシストになったり、幼少期に故郷の島を失ってからは傭兵家業だったからかもしれない。
どれも勉強をせずともなれると言えばなれる職業だった。というかまともな職に付いた事がなかった事に改めて気付いてしまう。
「あー……俺に合う職業って何だと思います?」
「え!? えーと……料理人?」
「サポートが得意だしな、私の秘書にでもなるか?」
「真面目だし警察官とかもいいんじゃない?」
「探偵とかどうよ」
何となく尋ねてみれば返ってきた返事は、それぞれ本気なのか冗談なのか分からない。
「私は『主夫』がいいと思います」
「……アイギスさん。それは結婚しねぇと成り立たねぇ職業では?」
「それでは嫁となる相手は私達が見定めなくてはな」
「え、ちょっ、桐条先輩?」
「そうだな。生半可な子は斑鳩の嫁には相応しくないだろ」
「真田先輩まで……」
何故かアマネの嫁の話になってしまったラウンジで、どうやって止めればいいのか悩んでいると後ろから袖を引かれた。振り返れば有里。
「アマネ、結婚してもご飯作ってくれる?」
この人もか。