ペルソナ3
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
雑誌の影響なのか周囲でのカルト集団への傾倒は以前にもまして強くなった。ポスターをファイリングしていたクラスメイトは学校へ来なくなったし、それ以外にも不登校が増えている。
「どうせ死ぬなら勉強なんてしなくたって、っていうのは試験勉強をしながら『こんな公式大人になったら使わねぇよ』って言ってるのに似てません?」
「……言われてみれば、そうかもしれないな」
「そう言う奴に限って、試験が終わったら試験前の苦労を忘れるんですよね。で、次の試験前にまた苦労する。どうにも直せねぇモンなんでしょうけどぉ」
スーパーの店内でカートを押しながら真田が付いて来る。夕食のリクエストを受けたはいいが材料が無かったので買出しに来たのだ。真田は別に来なくても良かったのだが、作ってもらうのだからと自分から荷物持ちを申し出た。
商品の値段が少し高騰しているのは、終末思想に取り付かれた者達が色々と食料として買い漁ったからだろう。休日の通販番組も防災用具がその番組が終わる前に売切れてしまっていたのを観た。とはいえ保存の利かないものは殆ど変わらない。
パン粉を籠へ入れながら他に何が必要だったかを思い出しつつ、アマネは売り切れていた缶詰に舌打ちする。
「だとしたらストレガは成績優秀者で、俺達はカンニングしてる奴等って事なんですかねぇ」
「……ストレガが成績優秀者とは思いたくないな。むしろあいつ等は試験を『受けない』んだろう。それはそれで卑怯だとオレは思うがな」
ジンとはこの前会って以来互いに接触はしていない。アマネは学校へ通っているので昼間からネットカフェで居場所を探ることは出来ないし、ジンのほうはそんな事をせずともアマネ達が住んでいる寮の場所を知っているので調べる必要など無いだろう。
『哀れな者達はここに住んでいます』とやればいっそ面白いとも思うが、おそらくジンはタカヤがやれと言ったとしてもやらない。やらせない為にもアマネは釘を刺しに行ったのだから。
取材でタカヤは今後、タルタロスへ行くと言ってしまっていた。ジンは所在不明だが探そうとすればこの前の様に探すことは出来る。彼はネットが繋がる場所へいる、というのは確定事項だからだ。
つまり互いに、手を出せない状況を作ったのである。
「ところで試験へは受験料が掛かったりもする訳ですが、ストレガや俺達はちゃんとそれを払っているんでしょうかねぇ?」
「そう何度も試験に例えるな。何が言いたい?」
「この例えで言うとペルソナ能力って領収書ですねっていう……」
「絶対美鶴には言うなよ。最悪な冗談だぞ」
呆れながら窘められた。
「どうせ死ぬなら勉強なんてしなくたって、っていうのは試験勉強をしながら『こんな公式大人になったら使わねぇよ』って言ってるのに似てません?」
「……言われてみれば、そうかもしれないな」
「そう言う奴に限って、試験が終わったら試験前の苦労を忘れるんですよね。で、次の試験前にまた苦労する。どうにも直せねぇモンなんでしょうけどぉ」
スーパーの店内でカートを押しながら真田が付いて来る。夕食のリクエストを受けたはいいが材料が無かったので買出しに来たのだ。真田は別に来なくても良かったのだが、作ってもらうのだからと自分から荷物持ちを申し出た。
商品の値段が少し高騰しているのは、終末思想に取り付かれた者達が色々と食料として買い漁ったからだろう。休日の通販番組も防災用具がその番組が終わる前に売切れてしまっていたのを観た。とはいえ保存の利かないものは殆ど変わらない。
パン粉を籠へ入れながら他に何が必要だったかを思い出しつつ、アマネは売り切れていた缶詰に舌打ちする。
「だとしたらストレガは成績優秀者で、俺達はカンニングしてる奴等って事なんですかねぇ」
「……ストレガが成績優秀者とは思いたくないな。むしろあいつ等は試験を『受けない』んだろう。それはそれで卑怯だとオレは思うがな」
ジンとはこの前会って以来互いに接触はしていない。アマネは学校へ通っているので昼間からネットカフェで居場所を探ることは出来ないし、ジンのほうはそんな事をせずともアマネ達が住んでいる寮の場所を知っているので調べる必要など無いだろう。
『哀れな者達はここに住んでいます』とやればいっそ面白いとも思うが、おそらくジンはタカヤがやれと言ったとしてもやらない。やらせない為にもアマネは釘を刺しに行ったのだから。
取材でタカヤは今後、タルタロスへ行くと言ってしまっていた。ジンは所在不明だが探そうとすればこの前の様に探すことは出来る。彼はネットが繋がる場所へいる、というのは確定事項だからだ。
つまり互いに、手を出せない状況を作ったのである。
「ところで試験へは受験料が掛かったりもする訳ですが、ストレガや俺達はちゃんとそれを払っているんでしょうかねぇ?」
「そう何度も試験に例えるな。何が言いたい?」
「この例えで言うとペルソナ能力って領収書ですねっていう……」
「絶対美鶴には言うなよ。最悪な冗談だぞ」
呆れながら窘められた。