ペルソナ3
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三が日を過ぎて日帰りの形で叔父の家へも挨拶へ行って、一応地元でもあるその町を寮へ帰る為に駅へ向かっていると、中学時代の同窓生に遭遇した。
「あれ、斑鳩じゃん。あけおめー」
「なんかスッゲー久しぶりに斑鳩見たわ。お前月光館行ったんだっけ?」
「あ、お年玉くれてもいいのよ。なんちゃって!」
まだ中学生らしさの残る彼らを思わず胡乱げに見やり、それから深く溜息を吐く。
「……お年玉を同い年から貰って嬉しいのかぁ?」
「金が貰えんなら嬉しいね!」
そう言って何の悩みも無さそうに笑う同窓生達は、きっとアマネが『あと一ヶ月も無いうちに世界の命運が決まるかもなんだ』と言ったところで、変な冗談を言うなんて珍しいと思うだけだろう。いきなり最後の日が訪れて、色々後悔をしても遅い。
ニュクスを倒せなかった場合、最後の日はどういう風に訪れるのだろうと不思議に思った。眠るように、もしくは何にも気付かないままであればいいと考えかけて、アマネは首を振る。
「マイナス思考は良くねぇなぁ」
「良く分かんないけど正月からしみったれてんなよ。オレらこれからゲーセン行くんだけど、お前も行く?」
同窓生へ誘われたものの、電車の時刻表を思い出して断った。
「今から電車に乗らねぇと帰るの遅くなるし」
「え? 電車乗って何処の『家』に帰るつもりだよ? 生まれた家?」
「正月なんだしこっちに帰ってきてたんじゃないのか?」
「あーそういやお前んち、叔父さん家だっけ。それじゃ帰るなんて言いにくい系か」
同情と半端な理解を含めた言葉に苦笑する。彼らは優しさを持ってはいるがどうにも配慮が足りない。今は相手がアマネだからいいとは言え、これで高校生活は無事に送れているのだろうかと妙な心配をしてしまった。
アマネはちゃんと、叔父家族だって従妹は苦手だが大事に思っている。叔父夫婦は実の娘と同じようにアマネをしっかりと育ててくれた人達だ。
だけど今、『帰りたい』のは巌戸台分寮なのである。
同級生達と別れ、電車に乗って巌戸台へ戻ってきた。お土産を買い忘れていたことを思い出して、しかし地元へは何の特産物も無いからいいかと何処へも寄らずに寮へと帰る。
一年近く経って見慣れた光景には、最近はカルト集団による落書きや捨てられたチラシが溢れているが、それでもアマネは気にしない。
寮の玄関を入るとラウンジには天田と真田、山岸とコロマルが揃っていた。玄関が開く音に振り向いた彼らの視線が、アマネを見て和らぐ。
「おかえりなさい、アマネさん」
「……ただいま」
もう後一ヶ月もない。ないからこそ、アマネはここへ居たい。
「あれ、斑鳩じゃん。あけおめー」
「なんかスッゲー久しぶりに斑鳩見たわ。お前月光館行ったんだっけ?」
「あ、お年玉くれてもいいのよ。なんちゃって!」
まだ中学生らしさの残る彼らを思わず胡乱げに見やり、それから深く溜息を吐く。
「……お年玉を同い年から貰って嬉しいのかぁ?」
「金が貰えんなら嬉しいね!」
そう言って何の悩みも無さそうに笑う同窓生達は、きっとアマネが『あと一ヶ月も無いうちに世界の命運が決まるかもなんだ』と言ったところで、変な冗談を言うなんて珍しいと思うだけだろう。いきなり最後の日が訪れて、色々後悔をしても遅い。
ニュクスを倒せなかった場合、最後の日はどういう風に訪れるのだろうと不思議に思った。眠るように、もしくは何にも気付かないままであればいいと考えかけて、アマネは首を振る。
「マイナス思考は良くねぇなぁ」
「良く分かんないけど正月からしみったれてんなよ。オレらこれからゲーセン行くんだけど、お前も行く?」
同窓生へ誘われたものの、電車の時刻表を思い出して断った。
「今から電車に乗らねぇと帰るの遅くなるし」
「え? 電車乗って何処の『家』に帰るつもりだよ? 生まれた家?」
「正月なんだしこっちに帰ってきてたんじゃないのか?」
「あーそういやお前んち、叔父さん家だっけ。それじゃ帰るなんて言いにくい系か」
同情と半端な理解を含めた言葉に苦笑する。彼らは優しさを持ってはいるがどうにも配慮が足りない。今は相手がアマネだからいいとは言え、これで高校生活は無事に送れているのだろうかと妙な心配をしてしまった。
アマネはちゃんと、叔父家族だって従妹は苦手だが大事に思っている。叔父夫婦は実の娘と同じようにアマネをしっかりと育ててくれた人達だ。
だけど今、『帰りたい』のは巌戸台分寮なのである。
同級生達と別れ、電車に乗って巌戸台へ戻ってきた。お土産を買い忘れていたことを思い出して、しかし地元へは何の特産物も無いからいいかと何処へも寄らずに寮へと帰る。
一年近く経って見慣れた光景には、最近はカルト集団による落書きや捨てられたチラシが溢れているが、それでもアマネは気にしない。
寮の玄関を入るとラウンジには天田と真田、山岸とコロマルが揃っていた。玄関が開く音に振り向いた彼らの視線が、アマネを見て和らぐ。
「おかえりなさい、アマネさん」
「……ただいま」
もう後一ヶ月もない。ないからこそ、アマネはここへ居たい。