ペルソナ3
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試験が数週間後に控えているからか、アマネが寮に帰ると天田以外の寮生の姿が無い。そういうアマネ自身、佐藤とクラスメイトに頼まれて学校で試験勉強をしてきていた。
ラウンジに居た天田は帰ってきたアマネに気付くと振り返る。
「おかえりなさい」
「ただいまぁ。先輩達はぁ?」
「みんな部屋に篭もって勉強ですよ。高校生は大変ですね」
「天田も中学生になったら苦労するぜぇ。……コロマルはぁ?」
「コロマルは二階に行くのを見ましたよ」
ともあれ二階にある自室へ行こうと階段を上がっていけば、二階の談話室のところでアイギスがコロマルと向かい合っていた。アイギスは思いつめたような真剣な表情をしていたが、コロマルは逆に不安そうな雰囲気だ。
一体何を話していたのかとアマネが声を掛ける前に、アイギスがアマネに気付いて顔を上げた。
「アマネさん。……おかえりなさい」
「ただいまです。どうしました?」
「……いえ、アマネさんを煩わせる内容ではありません」
そう言いながらも、アマネから目を逸らしている事にアイギスは気付いているのだろうか。
コロマルがアマネを見上げて困ったように鼻を鳴らしている。近付いてその頭を撫でて、軽く背を叩くとコロマルは階段を降りて行った。時々思うが、意思の疎通が完璧な犬である。
階段を降りていくコロマルを見送ってからアイギスへ向き直れば、アイギスは狼狽したような顔をしていた。
「で、何を考えているのか、俺に話せますか?」
「……それは命令ですか?」
「いいえ、強制力の無い質問です。アイギスさんがここで『話せない』とか『何でもない』って言うなら、俺はそれ以上を聞きません」
「では……」
「ただし、隠していると思ったら俺は調べます」
否定しようとした口が閉じられる。考え込むように俯いたアイギスが再び顔を上げるのを待っている間、アマネはアイギスの金色の髪を見つめていた。
綺麗であっても、人工の髪なのだと分かるそれ。
「……何でも、ありません」
やがて口を開いたアイギスがしたのは、『隠す事』だった。
「そうですか」
アイギスはアマネの返事に弱々しく頷く。それ以上の追究は出来そうになく、アマネは部屋に戻って試験勉強をするからとアイギスの前から離れる。
こういう時『×××』があれば便利なのにと思った。部屋へ戻りながら最近のアイギスの言動を思い起こして、何か思い当たるものはないかと考える。
後ろ手に閉めたドアに寄りかかり、深い溜め息。
「……綾時さんの何が悪ぃんだよ」
ラウンジに居た天田は帰ってきたアマネに気付くと振り返る。
「おかえりなさい」
「ただいまぁ。先輩達はぁ?」
「みんな部屋に篭もって勉強ですよ。高校生は大変ですね」
「天田も中学生になったら苦労するぜぇ。……コロマルはぁ?」
「コロマルは二階に行くのを見ましたよ」
ともあれ二階にある自室へ行こうと階段を上がっていけば、二階の談話室のところでアイギスがコロマルと向かい合っていた。アイギスは思いつめたような真剣な表情をしていたが、コロマルは逆に不安そうな雰囲気だ。
一体何を話していたのかとアマネが声を掛ける前に、アイギスがアマネに気付いて顔を上げた。
「アマネさん。……おかえりなさい」
「ただいまです。どうしました?」
「……いえ、アマネさんを煩わせる内容ではありません」
そう言いながらも、アマネから目を逸らしている事にアイギスは気付いているのだろうか。
コロマルがアマネを見上げて困ったように鼻を鳴らしている。近付いてその頭を撫でて、軽く背を叩くとコロマルは階段を降りて行った。時々思うが、意思の疎通が完璧な犬である。
階段を降りていくコロマルを見送ってからアイギスへ向き直れば、アイギスは狼狽したような顔をしていた。
「で、何を考えているのか、俺に話せますか?」
「……それは命令ですか?」
「いいえ、強制力の無い質問です。アイギスさんがここで『話せない』とか『何でもない』って言うなら、俺はそれ以上を聞きません」
「では……」
「ただし、隠していると思ったら俺は調べます」
否定しようとした口が閉じられる。考え込むように俯いたアイギスが再び顔を上げるのを待っている間、アマネはアイギスの金色の髪を見つめていた。
綺麗であっても、人工の髪なのだと分かるそれ。
「……何でも、ありません」
やがて口を開いたアイギスがしたのは、『隠す事』だった。
「そうですか」
アイギスはアマネの返事に弱々しく頷く。それ以上の追究は出来そうになく、アマネは部屋に戻って試験勉強をするからとアイギスの前から離れる。
こういう時『×××』があれば便利なのにと思った。部屋へ戻りながら最近のアイギスの言動を思い起こして、何か思い当たるものはないかと考える。
後ろ手に閉めたドアに寄りかかり、深い溜め息。
「……綾時さんの何が悪ぃんだよ」