ペルソナ3
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買出しから帰ってくると望月が来ていた。
「こんにちは綾時さん」
「こんにちはアマネ君!」
にこにことアマネへ笑顔を向ける望月は、どうやらまた伊織に招かれてきたらしい。伊織もチドリのことがあったばかりだというのに、友人を招くまで元気を取り戻したと思っていいのか。
アマネとしては後を引かないのはいい事だと思わなくもない。少し羨ましくさえある。
買い物袋を置く為に望月と別れてキッチンへ向かおうとすれば、伊織の部屋へ向かうらしい望月と入れ違いでアイギスがキッチンへやってきた。難しそうな顔をしてアマネを見ており、その口が開かれる前にアマネは先手を打つ。
「何が『ダメ』なのか分かりましたか?」
「いえ、分かりません。……不可解です」
「では、どう『気に入らない』のか曖昧な表現は出来ますか?」
救いの手を伸ばすように『ダメ』以外の表現をしてみろと促せば、アイギスはアマネから受け取った豆腐を冷蔵庫へ仕舞いながら考え込んでいだ。そういう仕草はもう機械ではない。
「……近付いて欲しくない? ですか?」
「誰が」
「湊さんとアマネさんがです」
「……綾時さんのことを嫌いな訳では無ぇんですよねぇ?」
「はい」
彼のことを嫌いな訳ではないというのに、アイギスはアマネと有里へ望月に近付いて欲しくないという。むしろアイギス自身、そう考えてしまうことを申し訳なく思っている節がある。
アマネの勘では望月はそう危険な人物でもないと思うのだ。
無論ただの勘ではあるが、今は『×××』も使えないとはいえ『昔』は自分の命さえ危うい場所で殺し屋をやっていたり、魔物と戦う事で生計を立てる傭兵をやっていたりしていた者の勘である。そう間違っているとも思えない。
この場合アイギスを機械的に見れば正確なのかもしれないが、最近のアイギスはとみに人間らしさを増している気もするので不安だった。
「……一応の用心をしようにも、綾時さんの何を用心すりゃいいのかも分からねぇですからねぇ」
「はい……」
申し訳なく思っているのは望月に対してだろう。アイギスとしてはアマネとこうして話し合うことも、望月に対して何だか悪いと思っているのかもしれない。それだけ望月が悪い人には見えないからだろうが。
夕方になっても望月は帰らず、せっかくだからと夕食をご馳走した。またベルベットルームにでも行っているのか帰ってこない有里と、食事の必要が無いアイギスを除いた寮生数人と一緒になっての食事で、メニューはアマネの作った煮物。
伊織の隣の席で何度も賞賛しながら頬張る望月は、帰国子女だからなのか、少し箸の扱いが上手くなかった。それが少し、アマネの中で印象に残っている。
「こんにちは綾時さん」
「こんにちはアマネ君!」
にこにことアマネへ笑顔を向ける望月は、どうやらまた伊織に招かれてきたらしい。伊織もチドリのことがあったばかりだというのに、友人を招くまで元気を取り戻したと思っていいのか。
アマネとしては後を引かないのはいい事だと思わなくもない。少し羨ましくさえある。
買い物袋を置く為に望月と別れてキッチンへ向かおうとすれば、伊織の部屋へ向かうらしい望月と入れ違いでアイギスがキッチンへやってきた。難しそうな顔をしてアマネを見ており、その口が開かれる前にアマネは先手を打つ。
「何が『ダメ』なのか分かりましたか?」
「いえ、分かりません。……不可解です」
「では、どう『気に入らない』のか曖昧な表現は出来ますか?」
救いの手を伸ばすように『ダメ』以外の表現をしてみろと促せば、アイギスはアマネから受け取った豆腐を冷蔵庫へ仕舞いながら考え込んでいだ。そういう仕草はもう機械ではない。
「……近付いて欲しくない? ですか?」
「誰が」
「湊さんとアマネさんがです」
「……綾時さんのことを嫌いな訳では無ぇんですよねぇ?」
「はい」
彼のことを嫌いな訳ではないというのに、アイギスはアマネと有里へ望月に近付いて欲しくないという。むしろアイギス自身、そう考えてしまうことを申し訳なく思っている節がある。
アマネの勘では望月はそう危険な人物でもないと思うのだ。
無論ただの勘ではあるが、今は『×××』も使えないとはいえ『昔』は自分の命さえ危うい場所で殺し屋をやっていたり、魔物と戦う事で生計を立てる傭兵をやっていたりしていた者の勘である。そう間違っているとも思えない。
この場合アイギスを機械的に見れば正確なのかもしれないが、最近のアイギスはとみに人間らしさを増している気もするので不安だった。
「……一応の用心をしようにも、綾時さんの何を用心すりゃいいのかも分からねぇですからねぇ」
「はい……」
申し訳なく思っているのは望月に対してだろう。アイギスとしてはアマネとこうして話し合うことも、望月に対して何だか悪いと思っているのかもしれない。それだけ望月が悪い人には見えないからだろうが。
夕方になっても望月は帰らず、せっかくだからと夕食をご馳走した。またベルベットルームにでも行っているのか帰ってこない有里と、食事の必要が無いアイギスを除いた寮生数人と一緒になっての食事で、メニューはアマネの作った煮物。
伊織の隣の席で何度も賞賛しながら頬張る望月は、帰国子女だからなのか、少し箸の扱いが上手くなかった。それが少し、アマネの中で印象に残っている。