後日談2
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明けない夜など無い。そんなことアマネだって知っていた。最初の人生で母親が死んだ夜も、弟たちを庇って死んだ夜にも次の日の朝が訪れたことを知っている。だってそうでなければアマネは白蘭やあの後輩達へ会えなかった。
明けない夜があったなら、アマネは『兄』を得ることが出来なかっただろう。
「だからアマネ。お前が謝る必要なんてねえだろ」
荒垣がニット帽を抑えながら言うのに望月を見れば望月もニコリと微笑んだ。
なら、悔やむ事なんて何一つ無いのではと思って。
思って、心残りはなくなった気がした。
「メティス」
呼びかければ知識だけしか持たない少女は、小さく怯えるように肩をすくませてアマネを見る。
「さっきは怒鳴ってごめん。お前はずっと、俺のことを考えてくれてたのになぁ」
「……仕方なかったんです。貴方は忘れてたから」
「俺には、奏さんを助けられない」
アマネには彼女を助けることが出来ない。アマネはあの人達に手を伸ばすことすら出来ない。伸ばせるだけの実力も、経験も大切な何かも欠落して不足しているからだ。
「でも俺は、それでもやっぱり諦めることが出来ません」
彼女と彼を助けることを彼ら自身が望んでいなくとも、アマネは彼等にも生きて欲しかった。まだ知らない事を知ることも、まだ見てない物を見ることも、生きていなければ出来ない。
アマネは彼女等に生きて欲しいのだ。
その為ならば、この残滓など。
「でも、だから貴方達から『悪い経験じゃない』と聞けて良かった」
傍にいたエレボスが何故か大きく膨れ上がる。下手な動物以上に大きくなったエレボスへ驚いてエレボスを見上げたSEESメンバーへと素早く詰め寄り、呆然としていた伊織の大剣を奪って構えた。
伊織が突き飛ばされたことと、アマネが剣を構えたことでアイギス達も一斉に身構える。驚いているがどうせ何を言われても戻るつもりがないアマネが相手では、最終的には実力行使になることくらい分かっていただろうに。
「アマネ!」
「どうして、なんて言わねぇでくださいね」
アマネに武器を奪われた伊織が困っているが、彼は暴力行為が嫌いなのだ。本当はアマネだってコロマルの短剣のように使い慣れている武器が良かった。
振り上げて構えた大剣の先をSEESの皆へと向ける。
諦めることなんてアマネには到底出来ない。出来る訳がなかった。だからこそ、彼等に諦めて貰うしかない訳で。
こんな自分に幻滅して諦めてくれればいいのだと願う。そうすればきっと、彼等はこの時の狭間から出ていけるのだ。
明けない夜があったなら、アマネは『兄』を得ることが出来なかっただろう。
「だからアマネ。お前が謝る必要なんてねえだろ」
荒垣がニット帽を抑えながら言うのに望月を見れば望月もニコリと微笑んだ。
なら、悔やむ事なんて何一つ無いのではと思って。
思って、心残りはなくなった気がした。
「メティス」
呼びかければ知識だけしか持たない少女は、小さく怯えるように肩をすくませてアマネを見る。
「さっきは怒鳴ってごめん。お前はずっと、俺のことを考えてくれてたのになぁ」
「……仕方なかったんです。貴方は忘れてたから」
「俺には、奏さんを助けられない」
アマネには彼女を助けることが出来ない。アマネはあの人達に手を伸ばすことすら出来ない。伸ばせるだけの実力も、経験も大切な何かも欠落して不足しているからだ。
「でも俺は、それでもやっぱり諦めることが出来ません」
彼女と彼を助けることを彼ら自身が望んでいなくとも、アマネは彼等にも生きて欲しかった。まだ知らない事を知ることも、まだ見てない物を見ることも、生きていなければ出来ない。
アマネは彼女等に生きて欲しいのだ。
その為ならば、この残滓など。
「でも、だから貴方達から『悪い経験じゃない』と聞けて良かった」
傍にいたエレボスが何故か大きく膨れ上がる。下手な動物以上に大きくなったエレボスへ驚いてエレボスを見上げたSEESメンバーへと素早く詰め寄り、呆然としていた伊織の大剣を奪って構えた。
伊織が突き飛ばされたことと、アマネが剣を構えたことでアイギス達も一斉に身構える。驚いているがどうせ何を言われても戻るつもりがないアマネが相手では、最終的には実力行使になることくらい分かっていただろうに。
「アマネ!」
「どうして、なんて言わねぇでくださいね」
アマネに武器を奪われた伊織が困っているが、彼は暴力行為が嫌いなのだ。本当はアマネだってコロマルの短剣のように使い慣れている武器が良かった。
振り上げて構えた大剣の先をSEESの皆へと向ける。
諦めることなんてアマネには到底出来ない。出来る訳がなかった。だからこそ、彼等に諦めて貰うしかない訳で。
こんな自分に幻滅して諦めてくれればいいのだと願う。そうすればきっと、彼等はこの時の狭間から出ていけるのだ。