後日談2
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彼女は言った。
『アマネ君に私は助けられない』と。
その通りだろうと思う理性の片隅で、けれどもまだ何か方法があるんじゃないかと考える感情が残っている。それが本当に無いとわかるときまでまだアマネは戻れない。
そもそも何処へ戻れというのか。戻れる場所ももう無いだろうに。
無駄なことをしているのはアマネも、あのSEESのメンバーもだ。何故か白蘭がいたけれど、アイツがいるということはもうこの『時の狭間』の外では全てが終わっているに違いない。
卒業式も、彼女の葬式も自分の葬式も既に済んでいるだろう。一度目の時の狭間が生まれたのは三月三十一日であったから、多分今日は三月の三十一日。
不思議なのはSEESの皆が『彼女』ではなくアマネを追いかけているように思えること。だがそれも、死んだ彼女とアマネとの分の負い目があるからだとかその程度だろう。彼女のことにちゃんと決着がつけられていたとしても、アマネの分の負い目も片付けなければ出られない。
そんな事をしてもらう程、アマネは大それた者でも無いというのにだ。
だから戻れない。あの“場所”へ戻る資格はアマネにはない。
もし出来ることならその場所へ望月を入れてあげて欲しいとも思うが、欲を言うならメティスもとも思えた。あの少女に、もっと世界を見せてやりたいのだと。
メティスが許されるのならやはり彼女も、『兄』もと願う。こんな欲は毒だ。
だからもう、この時の狭間は消えるべきだ。その為にはどうすればいいのか。
「……方法は、ある」
エレボスが何かを訴えるようにすり寄ってくる。その身体がまた大きくなっていて、アマネは少し困りながらもその身体を抱きしめた。
「別に、拒絶してねぇだろぉ?」
「……ガァ」
「ちゃんと“死のう”って思ってるから、もう大きくなるなよぉ」
エレボスは答えない。
砂漠の空間へと戻ってきて、真新しい扉の前へと立つ。今までの物とは違う厳かさを持つそれは、いつかどこかで見たことの在るような扉だった。
早く行かなければSEESのメンバーが追いかけてくる。そう思うのとは裏腹に、アマネは扉を開けずにその表面へと触れた。
冷たくも暖かくもない、不思議な手触り。少し『イブリス』に似ていると思う。
もうきっと、イブリスにも会えない。
「……大丈夫、大丈夫」
言葉の通り怖くはなかった。SEESのメンバーに未来へ進んでもらう為の足掛かりになるだけのことだ。
最初からずっと、そうであれと考えていたのだから今更な話である。
『アマネ君に私は助けられない』と。
その通りだろうと思う理性の片隅で、けれどもまだ何か方法があるんじゃないかと考える感情が残っている。それが本当に無いとわかるときまでまだアマネは戻れない。
そもそも何処へ戻れというのか。戻れる場所ももう無いだろうに。
無駄なことをしているのはアマネも、あのSEESのメンバーもだ。何故か白蘭がいたけれど、アイツがいるということはもうこの『時の狭間』の外では全てが終わっているに違いない。
卒業式も、彼女の葬式も自分の葬式も既に済んでいるだろう。一度目の時の狭間が生まれたのは三月三十一日であったから、多分今日は三月の三十一日。
不思議なのはSEESの皆が『彼女』ではなくアマネを追いかけているように思えること。だがそれも、死んだ彼女とアマネとの分の負い目があるからだとかその程度だろう。彼女のことにちゃんと決着がつけられていたとしても、アマネの分の負い目も片付けなければ出られない。
そんな事をしてもらう程、アマネは大それた者でも無いというのにだ。
だから戻れない。あの“場所”へ戻る資格はアマネにはない。
もし出来ることならその場所へ望月を入れてあげて欲しいとも思うが、欲を言うならメティスもとも思えた。あの少女に、もっと世界を見せてやりたいのだと。
メティスが許されるのならやはり彼女も、『兄』もと願う。こんな欲は毒だ。
だからもう、この時の狭間は消えるべきだ。その為にはどうすればいいのか。
「……方法は、ある」
エレボスが何かを訴えるようにすり寄ってくる。その身体がまた大きくなっていて、アマネは少し困りながらもその身体を抱きしめた。
「別に、拒絶してねぇだろぉ?」
「……ガァ」
「ちゃんと“死のう”って思ってるから、もう大きくなるなよぉ」
エレボスは答えない。
砂漠の空間へと戻ってきて、真新しい扉の前へと立つ。今までの物とは違う厳かさを持つそれは、いつかどこかで見たことの在るような扉だった。
早く行かなければSEESのメンバーが追いかけてくる。そう思うのとは裏腹に、アマネは扉を開けずにその表面へと触れた。
冷たくも暖かくもない、不思議な手触り。少し『イブリス』に似ていると思う。
もうきっと、イブリスにも会えない。
「……大丈夫、大丈夫」
言葉の通り怖くはなかった。SEESのメンバーに未来へ進んでもらう為の足掛かりになるだけのことだ。
最初からずっと、そうであれと考えていたのだから今更な話である。