後日談2
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「私は、あの人が経験した世界で発生した時の狭間に生まれた、アイギスのシャドウでした」
時の狭間の迷宮回廊を進みながら、泣きやんで落ち着いたメティスが口を開く。そのすぐ横にはコロマルが居て、彼女を気遣うように寄り添っていた。
「時の狭間が生まれた理由は、姉さん――アイギス達があの世界でのワイルド能力の持ち主が死んでしまった事を悲しんだことにありました。それを切っ掛けにアイギスから私が生まれ、真実を知っていく過程で私は再びアイギスと融合したんです」
「……? 融合したのならここにいるのはおかしくないか? そもそもシャドウとは」
「シャドウとは『もう一人の自分』『抑圧された精神』です。私はアイギスが抑圧した『一人になりたくない』という気持ちから生まれました。アマネさんのシャドウは『おいていかれたくない』という気持ちから生まれていました」
「アマネチャンにもシャドウがいたんだ」
「シャドウはどんな人の心にも存在してます。それが形になるかどうかはその人次第ですし、受け入れられるかもその人次第ですけど」
どんな人の心へもシャドウは存在する。それは機械であるアイギスにも同様で、その結果彼女が生まれたという事か。メティスはあまり気にしていないようだったけれど、アイギスとしては複雑な気分だった。
そんな思いが届いた訳ではないだろうが、メティスがアイギスを振り返る。
「大丈夫です姉さ――アイギス。私は今の貴女から生まれた訳じゃありません。というか、今の貴女から私は生まれようがありませんから」
「どうして?」
「だって、貴女の大切な人は生きてるでしょう?」
アイギスにとっての『大切な人』である彼女は、昏睡状態ではあるが生きていた。アイギス自身、彼女を守り続けることは出来るだろうと分かっている。ふと『メティスが生まれた世界の自分は、大切な人の死を受け入れられたのか』とも思ったが、メティスの話では自分は受け入れられたのだろう。
では彼は、と考える。
彼は、『アマネ』は受け入れられたのか。受け入れられたとしたら、どうやって。
「要はお前は、アイツと同じ場所から来たってことか」
「ごく簡略化して言えば、そうです」
荒垣にそう返してメティスが深く息を吐く。
「前に生まれたアマネさんのシャドウは、今のアマネさんからは生まれません。でもその代わり、あのエレボスがアマネさんの抑圧された気持ちから生まれました」
「……『置いていかれたくない』ではなく、別の抑圧された無意識?」
「はい。それは多分――」
メティスの言葉が続く前に、新しい扉の前へと到着した。
時の狭間の迷宮回廊を進みながら、泣きやんで落ち着いたメティスが口を開く。そのすぐ横にはコロマルが居て、彼女を気遣うように寄り添っていた。
「時の狭間が生まれた理由は、姉さん――アイギス達があの世界でのワイルド能力の持ち主が死んでしまった事を悲しんだことにありました。それを切っ掛けにアイギスから私が生まれ、真実を知っていく過程で私は再びアイギスと融合したんです」
「……? 融合したのならここにいるのはおかしくないか? そもそもシャドウとは」
「シャドウとは『もう一人の自分』『抑圧された精神』です。私はアイギスが抑圧した『一人になりたくない』という気持ちから生まれました。アマネさんのシャドウは『おいていかれたくない』という気持ちから生まれていました」
「アマネチャンにもシャドウがいたんだ」
「シャドウはどんな人の心にも存在してます。それが形になるかどうかはその人次第ですし、受け入れられるかもその人次第ですけど」
どんな人の心へもシャドウは存在する。それは機械であるアイギスにも同様で、その結果彼女が生まれたという事か。メティスはあまり気にしていないようだったけれど、アイギスとしては複雑な気分だった。
そんな思いが届いた訳ではないだろうが、メティスがアイギスを振り返る。
「大丈夫です姉さ――アイギス。私は今の貴女から生まれた訳じゃありません。というか、今の貴女から私は生まれようがありませんから」
「どうして?」
「だって、貴女の大切な人は生きてるでしょう?」
アイギスにとっての『大切な人』である彼女は、昏睡状態ではあるが生きていた。アイギス自身、彼女を守り続けることは出来るだろうと分かっている。ふと『メティスが生まれた世界の自分は、大切な人の死を受け入れられたのか』とも思ったが、メティスの話では自分は受け入れられたのだろう。
では彼は、と考える。
彼は、『アマネ』は受け入れられたのか。受け入れられたとしたら、どうやって。
「要はお前は、アイツと同じ場所から来たってことか」
「ごく簡略化して言えば、そうです」
荒垣にそう返してメティスが深く息を吐く。
「前に生まれたアマネさんのシャドウは、今のアマネさんからは生まれません。でもその代わり、あのエレボスがアマネさんの抑圧された気持ちから生まれました」
「……『置いていかれたくない』ではなく、別の抑圧された無意識?」
「はい。それは多分――」
メティスの言葉が続く前に、新しい扉の前へと到着した。