ペルソナ3
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「でさ、帰国子女なんだってよ!」
「今時帰国子女も珍しくねぇだろぉ」
放課後、自販機で買ったジュースが取り出し口へ落ちてくる。しゃがんで片手でそれを器用に取り出しながら、アマネは隣の佐藤を見上げた。
「昼休みに階段のとこですれ違ったんだけどさ、イケメンだった。帰国子女でイケメンで、神様ってのは不公平だと思う」
「安心しろぉ。お前も性格はイケメンだよ」
「え、ちょっ、マジ?」
「……ゴメンやっぱ気のせいだったみてぇ」
二年にまた転入生が来たらしい。今学期の最初にアイギスが転入してきていることを考えると、高校にしては転入生が多いと思う。
有里も今年からの転入という形だったらしいから、一年未満で三人。
「一年にも転校生来ないかなぁ。可愛い女子じゃなくてもいいよ。面白いヤツ」
「俺も実質転入生扱いだったろぉ」
「お前は入学が遅れただけじゃん。そーいうんじゃなくてさー、転校生ってのは学生のロマンなんだよ。行く側も来られる側もドキドキのレアイベント! 分かる斑鳩!?」
「全く分かんねぇ」
缶珈琲を開けて口を付け、失敗した事に気付いて顔を顰める。微糖を買ったつもりが隣の加糖を押してしまったらしい。
飲めない事はないが今の気分ではなかった。隣の佐藤はそんなアマネの様子に気付くことなく、ひたすら甘ったるそうなマンゴージュースを飲んでいる。
昇降口へ向かう道すがら、窓の外からはグラウンドが見えていた。その端のほうでは陸上部が放置しているらしいマットや走り高跳びで遊んでいる者が居る。
陸上部に怒られるのではと他人事の様に思いながら、なんとなくその遊んでいる人物を注視して、アマネは珈琲を噴出した。
「ぶふっ⁉」
「ぅわ汚なっ⁉ 何? いきなり何⁉」
気管へ入った珈琲を咳き込む事で出そうとする本能へ素直に従いながらも、アマネは改めて窓の外のグラウンドを見下ろす。
グラウンドでは、本来ベルベットルームへ居るはずのエリザベスが走り高跳びに熱中していた。その傍には見守っているのか有里の姿がある。
「……あの二人は」
「あれってお前と同じ寮の先輩だろ? もう一人は知り合いかな? ……スカートで背面飛びとか勇者だよな」
隣でエリザベスに気付き変な感心をしている佐藤をよそに、アマネは携帯を取り出して有里へ電話を掛けた。グラウンドで携帯を取り出す有里が見える。
『もしもし?』
「今すぐエリザベスに走り高跳びを止めさせましょう。せめて着替えるように言ってからやらせたらどうだったんですか」
『熱中してるしジャージも持ってない。……でも、うん。分かった。やめさせる』
「あと学校へ部外者を入れるのは怒られますから、気をつけてください」
『分かった』
携帯が切られてグラウンドでは有里がエリザベスへ声を掛けていた。それを見て溜め息を吐いたアマネに、佐藤が慰めるように肩を叩く。
「そういやあの人も転入生だよな……転入生ってのは、やっぱりキャラが立ってないとダメなんかな」
「……それ、俺も貶してねぇかぁ?」
「今時帰国子女も珍しくねぇだろぉ」
放課後、自販機で買ったジュースが取り出し口へ落ちてくる。しゃがんで片手でそれを器用に取り出しながら、アマネは隣の佐藤を見上げた。
「昼休みに階段のとこですれ違ったんだけどさ、イケメンだった。帰国子女でイケメンで、神様ってのは不公平だと思う」
「安心しろぉ。お前も性格はイケメンだよ」
「え、ちょっ、マジ?」
「……ゴメンやっぱ気のせいだったみてぇ」
二年にまた転入生が来たらしい。今学期の最初にアイギスが転入してきていることを考えると、高校にしては転入生が多いと思う。
有里も今年からの転入という形だったらしいから、一年未満で三人。
「一年にも転校生来ないかなぁ。可愛い女子じゃなくてもいいよ。面白いヤツ」
「俺も実質転入生扱いだったろぉ」
「お前は入学が遅れただけじゃん。そーいうんじゃなくてさー、転校生ってのは学生のロマンなんだよ。行く側も来られる側もドキドキのレアイベント! 分かる斑鳩!?」
「全く分かんねぇ」
缶珈琲を開けて口を付け、失敗した事に気付いて顔を顰める。微糖を買ったつもりが隣の加糖を押してしまったらしい。
飲めない事はないが今の気分ではなかった。隣の佐藤はそんなアマネの様子に気付くことなく、ひたすら甘ったるそうなマンゴージュースを飲んでいる。
昇降口へ向かう道すがら、窓の外からはグラウンドが見えていた。その端のほうでは陸上部が放置しているらしいマットや走り高跳びで遊んでいる者が居る。
陸上部に怒られるのではと他人事の様に思いながら、なんとなくその遊んでいる人物を注視して、アマネは珈琲を噴出した。
「ぶふっ⁉」
「ぅわ汚なっ⁉ 何? いきなり何⁉」
気管へ入った珈琲を咳き込む事で出そうとする本能へ素直に従いながらも、アマネは改めて窓の外のグラウンドを見下ろす。
グラウンドでは、本来ベルベットルームへ居るはずのエリザベスが走り高跳びに熱中していた。その傍には見守っているのか有里の姿がある。
「……あの二人は」
「あれってお前と同じ寮の先輩だろ? もう一人は知り合いかな? ……スカートで背面飛びとか勇者だよな」
隣でエリザベスに気付き変な感心をしている佐藤をよそに、アマネは携帯を取り出して有里へ電話を掛けた。グラウンドで携帯を取り出す有里が見える。
『もしもし?』
「今すぐエリザベスに走り高跳びを止めさせましょう。せめて着替えるように言ってからやらせたらどうだったんですか」
『熱中してるしジャージも持ってない。……でも、うん。分かった。やめさせる』
「あと学校へ部外者を入れるのは怒られますから、気をつけてください」
『分かった』
携帯が切られてグラウンドでは有里がエリザベスへ声を掛けていた。それを見て溜め息を吐いたアマネに、佐藤が慰めるように肩を叩く。
「そういやあの人も転入生だよな……転入生ってのは、やっぱりキャラが立ってないとダメなんかな」
「……それ、俺も貶してねぇかぁ?」