後日談2
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「あの人って、ダレ?」
白蘭が出来るだけ優しく訊ねる。けれどもメティスは申し訳なさそうに少し俯いただけだった。
「私は、あの人に頼まれてアマネさんを」
「アマネチャンを?」
「アマネさんを、連れ帰さないと」
そう言ってまた泣き出すメティスに岳羽が伊織達と顔を見合わせている。訳が分からないのは全員一緒だった。コロマルが慰めるようにメティスの傍へ向かうのに、白蘭も立ち上がってメティスの隣へと移動する。
「アマネチャンを何処から連れ帰すの?」
「頼まれたんです」
「ウン」
「アマネさんは、死んでません」
「――ウン」
「でも自分は死んだって勘違いしてて、私、どうしたらあの人を助けられますか」
彼を助けようとしていた彼女は、困り果てた様子で顔を上げてアイギス達を見回した。
「この時の狭間は、アマネさんを連れ帰すまで消えることはありません」
それは、ある意味での宣告だ。
訳の分からないまま時の狭間へ閉じ込められて、その打開策を探していく過程で彼の事を思い出していったのはそういう事かと理解する。同時に彼女へ“頼んだ”相手が誰であるのかも分かった気がした。
例えばもし、『彼女』はアイギス達と違って忘れてなどいなかったら。
白蘭が最初の頃に『捜し物がここにある』と言っていた。『キミ達が求めてるものだってある』とも。
もしそれが『彼』のことであったのなら。
「あのねメティスチャン。ボクもアマネチャンを迎えに来たんだ」
白蘭がメティスへと優しく話しかける。
「だからね、今までアマネチャンの傍にいてくれてありがとう。アマネチャンは寂しがり屋だから、キミが傍にいてくれてきっととても嬉しかったと思うよ」
「……うれしかった?」
「キミがアマネチャンに繋がってた紐を掴んでいてくれたから、アマネチャンは完全に消えることはなかった。だから大丈夫」
メティスの頭を撫でて立ち上がった白蘭が、テーブルの上へ広げたままだったノートをとって鞄へ仕舞う。代わりに服の下から、鎖で首から提げていたらしい指輪を取り外して指へと填めた。
そうして時の狭間へと続く階段へと向かうのに、アイギス達も慌てて立ち上がって後を追いかける。
彼が本来いた世界とは違うこの世界の一年前へと来てしまった事は分かったけれど、そこから『自分の世界の過去ではない』と気付いただろう彼は、それでも行動した。自分の知っている最悪から、この世界の結末だけでも『最』悪にならないように。
そうしたところで自分のいた世界の未来は変わらないと分かっていても。『彼女』へ、アイギス達へ自分と同じ悲しみを与えない様に。
「“アマネチャン”を取り戻しに行こう」
白蘭が出来るだけ優しく訊ねる。けれどもメティスは申し訳なさそうに少し俯いただけだった。
「私は、あの人に頼まれてアマネさんを」
「アマネチャンを?」
「アマネさんを、連れ帰さないと」
そう言ってまた泣き出すメティスに岳羽が伊織達と顔を見合わせている。訳が分からないのは全員一緒だった。コロマルが慰めるようにメティスの傍へ向かうのに、白蘭も立ち上がってメティスの隣へと移動する。
「アマネチャンを何処から連れ帰すの?」
「頼まれたんです」
「ウン」
「アマネさんは、死んでません」
「――ウン」
「でも自分は死んだって勘違いしてて、私、どうしたらあの人を助けられますか」
彼を助けようとしていた彼女は、困り果てた様子で顔を上げてアイギス達を見回した。
「この時の狭間は、アマネさんを連れ帰すまで消えることはありません」
それは、ある意味での宣告だ。
訳の分からないまま時の狭間へ閉じ込められて、その打開策を探していく過程で彼の事を思い出していったのはそういう事かと理解する。同時に彼女へ“頼んだ”相手が誰であるのかも分かった気がした。
例えばもし、『彼女』はアイギス達と違って忘れてなどいなかったら。
白蘭が最初の頃に『捜し物がここにある』と言っていた。『キミ達が求めてるものだってある』とも。
もしそれが『彼』のことであったのなら。
「あのねメティスチャン。ボクもアマネチャンを迎えに来たんだ」
白蘭がメティスへと優しく話しかける。
「だからね、今までアマネチャンの傍にいてくれてありがとう。アマネチャンは寂しがり屋だから、キミが傍にいてくれてきっととても嬉しかったと思うよ」
「……うれしかった?」
「キミがアマネチャンに繋がってた紐を掴んでいてくれたから、アマネチャンは完全に消えることはなかった。だから大丈夫」
メティスの頭を撫でて立ち上がった白蘭が、テーブルの上へ広げたままだったノートをとって鞄へ仕舞う。代わりに服の下から、鎖で首から提げていたらしい指輪を取り外して指へと填めた。
そうして時の狭間へと続く階段へと向かうのに、アイギス達も慌てて立ち上がって後を追いかける。
彼が本来いた世界とは違うこの世界の一年前へと来てしまった事は分かったけれど、そこから『自分の世界の過去ではない』と気付いただろう彼は、それでも行動した。自分の知っている最悪から、この世界の結末だけでも『最』悪にならないように。
そうしたところで自分のいた世界の未来は変わらないと分かっていても。『彼女』へ、アイギス達へ自分と同じ悲しみを与えない様に。
「“アマネチャン”を取り戻しに行こう」