後日談2
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遠く離れた筈なのに、どうしてか戻ってきてしまった砂漠の扉が立ち並ぶ場所でアマネは足を止める。メティスの姿も桐条達の姿もなく、それどころかあれだけ残っていた足跡も全て無くなっていた。
風が吹いて足跡をかき消したのかも知れない。だがこれでは彼女達がどこへいるのか分からないなと考えていると、地面の砂へ顔を近付けて匂いを嗅いだエレボスが何かを感じ取ったのか上へと昇る階段へと向かっていった。
一段目へ前足を掛けて上を見上げたエレボスの後面の顔がアマネを手招きするのに、アマネは少し迷ってからエレボスを追いかける。
階段の先は光っていて何処へ繋がっているのか分からない。だがアマネが近付くとエレボスが先導するように階段を上っていくので、仕方なくアマネもそれを追いかけて階段を昇った。
昇った先は先程青年を追いかけて走ったラウンジへと繋がっていたらしい。しかし同じ場所だとは到底思えない程現在のラウンジは崩壊していて、隅の方などは既に床も壁も消滅していた。
色々思い出しはしたが完全にとは言い切れない為か、この場所も既視感はあっても明確に覚えがあるとは断言できない。
まだ何かを忘れている。
何か残っていないかと辺りを見回して、辛うじて残っている玄関へ気付いた。消滅している床から落ちないようにそこへ向かい、玄関を開ければタルタロスの内部へと繋がっている。
壁際へ気を失って倒れているタカヤの姿があり、ここがタルタロスの中でも頂上の真下だと推測した。階段の上から響いてくる騒音に、アマネは気付くのと同時に走り出す。後ろからエレボスの制止する様な鳴き声が聞こえたが構っていられない。
これは『あの日』の『あの時』だ。
階段を駆け上がった先では、彼女が空から降りてくるニュクスへ向けて手を挙げようとしているところで。
「待っ――」
彼女へ向かって走りながら伸ばした手が、彼女へ触れる寸前で空を切って落ちる。堕ちたのは伸ばした手だけではなくアマネの身体もで、次の瞬間にはアマネは砂漠へと戻ってきていた。
思わずへたり込んだアマネの後ろから、エレボスが気遣うように寄ってくる。
助けられなかった。
「……もう一度、行かなきゃ」
砂を握りしめてから立ち上がる。それからまだ通っていない扉を探してその扉をくぐり抜けた。
彼女を助けなければならない。そうして彼等の悲しみを無くしてやりたいと願ったのだ。だからもう一度。
エレボスが寂しげに鳴いて後ろから付いてくる。
風が吹いて足跡をかき消したのかも知れない。だがこれでは彼女達がどこへいるのか分からないなと考えていると、地面の砂へ顔を近付けて匂いを嗅いだエレボスが何かを感じ取ったのか上へと昇る階段へと向かっていった。
一段目へ前足を掛けて上を見上げたエレボスの後面の顔がアマネを手招きするのに、アマネは少し迷ってからエレボスを追いかける。
階段の先は光っていて何処へ繋がっているのか分からない。だがアマネが近付くとエレボスが先導するように階段を上っていくので、仕方なくアマネもそれを追いかけて階段を昇った。
昇った先は先程青年を追いかけて走ったラウンジへと繋がっていたらしい。しかし同じ場所だとは到底思えない程現在のラウンジは崩壊していて、隅の方などは既に床も壁も消滅していた。
色々思い出しはしたが完全にとは言い切れない為か、この場所も既視感はあっても明確に覚えがあるとは断言できない。
まだ何かを忘れている。
何か残っていないかと辺りを見回して、辛うじて残っている玄関へ気付いた。消滅している床から落ちないようにそこへ向かい、玄関を開ければタルタロスの内部へと繋がっている。
壁際へ気を失って倒れているタカヤの姿があり、ここがタルタロスの中でも頂上の真下だと推測した。階段の上から響いてくる騒音に、アマネは気付くのと同時に走り出す。後ろからエレボスの制止する様な鳴き声が聞こえたが構っていられない。
これは『あの日』の『あの時』だ。
階段を駆け上がった先では、彼女が空から降りてくるニュクスへ向けて手を挙げようとしているところで。
「待っ――」
彼女へ向かって走りながら伸ばした手が、彼女へ触れる寸前で空を切って落ちる。堕ちたのは伸ばした手だけではなくアマネの身体もで、次の瞬間にはアマネは砂漠へと戻ってきていた。
思わずへたり込んだアマネの後ろから、エレボスが気遣うように寄ってくる。
助けられなかった。
「……もう一度、行かなきゃ」
砂を握りしめてから立ち上がる。それからまだ通っていない扉を探してその扉をくぐり抜けた。
彼女を助けなければならない。そうして彼等の悲しみを無くしてやりたいと願ったのだ。だからもう一度。
エレボスが寂しげに鳴いて後ろから付いてくる。