後日談2
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戻ってきたラウンジのソファへ座って渡されたタオルで顔を押さえながら、メティスは泣き腫らしたせいでより赤くなっている瞳でアイギス達を見回していた。
彼女がシャドウ、しかもアイギスの、という部分に疑問はあれど、まずは『アマネ』の事情を知ることが先決だと白蘭を囲む。
白蘭が取り出して置いたのは、彼が今までに時々広げていたノートだった。
「このノートに、アマネチャンが経験した事が全部書いてある。アマネチャンの体感時間で四年前、この辰巳ポートアイランドや巌戸台を含めた港区で起きた一連の騒動の事がネ。平行世界の定義は分かる?」
「この世界から分岐して並行に存在するとされる、IFの世界」
「……もっと詳しく説明してもらっていいッスかね?」
「つまり地点Aで選択肢が二つあった場合の、選択1と選択2の分岐って事だよ。もっと簡単に言うなら朝起きて、朝ご飯を食べた未来と食べなかった未来みたいな」
伊織が気恥ずかしげに言うのに白蘭が説明する。
「食べた未来と食べなかった未来って、別に何も変わらない気がするけど、結果的にお腹が空く時間が変わって行動が変わってって具合に色々変わっていくんだ。それが世界規模で起きてるのが並行世界だと思えばいいんじゃない?」
「分かるような分かんねーような……」
「もっと分かりやすく言えば、荒垣サンが死んだ未来と死んでない未来」
天田がビクリと反応するのを荒垣が横目で見ていた。
「アマネチャンが元々いた世界は、このノートによればキミ達のリーダーさんが『有里湊』っていう男の子だった。そういう並行世界でアマネチャンは今のキミ達と殆ど同じ経験をして、アマネチャンの世界で『有里湊』は死んだ」
過去の記憶の中で、彼が『兄が死んだ』と言っていたのを思い出す。血の繋がりは無く兄のように慕っていた人だと。
その人が死んだのは彼女と同じ『あの日』なのだろう。迫り来るニュクスへ対し、その人も同じように行動して。
「それから二年後、アマネチャンはまた違う騒動に巻き込まれた。巻き込まれて、シャドウの持つ『時を操る能力』なのカナ? それによって並行世界の一年前のここへ跳ばされたんだよ。そうしてキミ達を助けた。どうしてそのままの過去じゃなかったのかとか、そういうのはアマネチャン自身分かってなかったみたいだけど」
「……あの人が、そうしたんです」
タオルで顔を押さえていたメティスが呟く。アイギス達が振り向けばメティスはまだ涙の滲む目を瞬かせながら鼻を啜っていた。
「集合的無意識の最奥で、あの人がそうしたんです」
彼女がシャドウ、しかもアイギスの、という部分に疑問はあれど、まずは『アマネ』の事情を知ることが先決だと白蘭を囲む。
白蘭が取り出して置いたのは、彼が今までに時々広げていたノートだった。
「このノートに、アマネチャンが経験した事が全部書いてある。アマネチャンの体感時間で四年前、この辰巳ポートアイランドや巌戸台を含めた港区で起きた一連の騒動の事がネ。平行世界の定義は分かる?」
「この世界から分岐して並行に存在するとされる、IFの世界」
「……もっと詳しく説明してもらっていいッスかね?」
「つまり地点Aで選択肢が二つあった場合の、選択1と選択2の分岐って事だよ。もっと簡単に言うなら朝起きて、朝ご飯を食べた未来と食べなかった未来みたいな」
伊織が気恥ずかしげに言うのに白蘭が説明する。
「食べた未来と食べなかった未来って、別に何も変わらない気がするけど、結果的にお腹が空く時間が変わって行動が変わってって具合に色々変わっていくんだ。それが世界規模で起きてるのが並行世界だと思えばいいんじゃない?」
「分かるような分かんねーような……」
「もっと分かりやすく言えば、荒垣サンが死んだ未来と死んでない未来」
天田がビクリと反応するのを荒垣が横目で見ていた。
「アマネチャンが元々いた世界は、このノートによればキミ達のリーダーさんが『有里湊』っていう男の子だった。そういう並行世界でアマネチャンは今のキミ達と殆ど同じ経験をして、アマネチャンの世界で『有里湊』は死んだ」
過去の記憶の中で、彼が『兄が死んだ』と言っていたのを思い出す。血の繋がりは無く兄のように慕っていた人だと。
その人が死んだのは彼女と同じ『あの日』なのだろう。迫り来るニュクスへ対し、その人も同じように行動して。
「それから二年後、アマネチャンはまた違う騒動に巻き込まれた。巻き込まれて、シャドウの持つ『時を操る能力』なのカナ? それによって並行世界の一年前のここへ跳ばされたんだよ。そうしてキミ達を助けた。どうしてそのままの過去じゃなかったのかとか、そういうのはアマネチャン自身分かってなかったみたいだけど」
「……あの人が、そうしたんです」
タオルで顔を押さえていたメティスが呟く。アイギス達が振り向けばメティスはまだ涙の滲む目を瞬かせながら鼻を啜っていた。
「集合的無意識の最奥で、あの人がそうしたんです」