後日談2
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目的地もなくがむしゃらに走り続け、流石に息が切れて立ち止まる。最初に倒れていたような真っ白な空間で、今は自分以外に何も見えないことが腹立たしかった。
アマネは“あの日”、彼女と一緒にニュクスの封印へ挑んだ筈だ。アマネが代わりに“死ぬ”ことは誰にも許されず、けれども彼女を助ける術が見つからないまま土壇場へとなって。
全てが賭であったけれど、そこに希望だってあったはずだった。その希望は『アマネの存在の分だけ彼女も無事である』というもので、たった一人の死が大いなる封印になれるのなら、二人分の代償ならどうだろうか思ったのである。
そして今、アマネは『死んでいる』のだからその分だけ彼女は無事だと思っていた。
この時の狭間に自分が在る理由が分からない。けれどもその事を思い出したから、きっと自分は成功したのだと思ったのに。
あの場に彼女の姿は無かった。
彼女がいない。そして彼等がいる。それはアマネが初めてメティスと出会った時の様に、彼等が彼女の死を悲しんでいるという事に他ならない。
俯いた先の地面にボタボタと涙が落ちる。こんな事がしたかった訳でなかった。
後ろからペタペタと音がして振り返ると、大型の猫科動物並みの大きさになったエレボスが不安げに歩み寄ってくるところで。
「……おまえは」
言葉が続かないまま、すり寄ってくるエレボスに腕を伸ばして抱きしめる。大きくなってしまった理由は何となくもう分かっていたが、アマネにはその思いを改めるつもりはなかった。
おそらくこれからエレボスはもっと大きくなってしまうだろう。時間を置けば置くほど、アマネが強く思えば思うほどに。
それでもこのエレボスはアマネへとついてきた。
「もうメティスは傍にいねぇし、お前が最期を見てくれりゃいいやぁ」
エレボスが鳴こうとして、しかし口をつぐむ。そのエレボスの首へ手を添えたまま歩き出せば、エレボスも大人しく付いてきた。
何もない空間を歩きながら、先程メティスに向かって怒鳴ってしまった事を思い出す。彼女がいなければアマネはきっとここへ至る事なくちゃんと代償を払えたはずだ。しかしそれが出来なかったのはアマネの弱さだろう。
彼女を泣かせてしまったことを後悔する。彼女が悪かったわけではないだろうに。
エレボスが横を歩きながらアマネへとすり寄ってくる。歩きにくいと思ったがそれを訴えることはせず首筋を軽く叩いてやった。
アマネが抱えていた『死への渇望』は、もう抱き上げてやることもフードへ入れてやることも出来ない。
アマネは“あの日”、彼女と一緒にニュクスの封印へ挑んだ筈だ。アマネが代わりに“死ぬ”ことは誰にも許されず、けれども彼女を助ける術が見つからないまま土壇場へとなって。
全てが賭であったけれど、そこに希望だってあったはずだった。その希望は『アマネの存在の分だけ彼女も無事である』というもので、たった一人の死が大いなる封印になれるのなら、二人分の代償ならどうだろうか思ったのである。
そして今、アマネは『死んでいる』のだからその分だけ彼女は無事だと思っていた。
この時の狭間に自分が在る理由が分からない。けれどもその事を思い出したから、きっと自分は成功したのだと思ったのに。
あの場に彼女の姿は無かった。
彼女がいない。そして彼等がいる。それはアマネが初めてメティスと出会った時の様に、彼等が彼女の死を悲しんでいるという事に他ならない。
俯いた先の地面にボタボタと涙が落ちる。こんな事がしたかった訳でなかった。
後ろからペタペタと音がして振り返ると、大型の猫科動物並みの大きさになったエレボスが不安げに歩み寄ってくるところで。
「……おまえは」
言葉が続かないまま、すり寄ってくるエレボスに腕を伸ばして抱きしめる。大きくなってしまった理由は何となくもう分かっていたが、アマネにはその思いを改めるつもりはなかった。
おそらくこれからエレボスはもっと大きくなってしまうだろう。時間を置けば置くほど、アマネが強く思えば思うほどに。
それでもこのエレボスはアマネへとついてきた。
「もうメティスは傍にいねぇし、お前が最期を見てくれりゃいいやぁ」
エレボスが鳴こうとして、しかし口をつぐむ。そのエレボスの首へ手を添えたまま歩き出せば、エレボスも大人しく付いてきた。
何もない空間を歩きながら、先程メティスに向かって怒鳴ってしまった事を思い出す。彼女がいなければアマネはきっとここへ至る事なくちゃんと代償を払えたはずだ。しかしそれが出来なかったのはアマネの弱さだろう。
彼女を泣かせてしまったことを後悔する。彼女が悪かったわけではないだろうに。
エレボスが横を歩きながらアマネへとすり寄ってくる。歩きにくいと思ったがそれを訴えることはせず首筋を軽く叩いてやった。
アマネが抱えていた『死への渇望』は、もう抱き上げてやることもフードへ入れてやることも出来ない。