後日談2
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人が磔に出来そうな十字架の並ぶ、少し不気味な場所だった。空に浮かぶ月は満月であるものの降る光は周囲全体を暗緑色に染め上げ、建造物の至る隙間からは血にも似た液体が零れ出ている。
バルコニーに相当する場所なのかと予測をつけて縁まで歩いていけば、手すりも金網もないそこからは簡単に地上を見下ろすことが出来た。真下に当たる部分へ何かが落下したような痕跡が僅かに見える。
ここから落ちたのだとしたらそれが何であれ本来の姿を留めてはいないだろう。身を乗り出してそれを見下ろし間抜けな声を出していたエレボスを、つま先でわき腹を引っかけるように持ち上げて後ろへ下がらせる。
落ちたら何処へ行けるのかと考えていると、後ろからベアトリーチェへ呼ばれた。
「▲▲▲さん」
「んだぁ?」
「そっちは危ないです」
ベアトリーチェは縁へ近付くのが怖くて堪らないとばかりに距離を取っている。その足下には誰かが血を流して倒れたような跡。周囲の液体とは違いそれは確実に生き物の血液だと知れた。誰かがそこで倒れたのだろう。
シルビは指で銃の形を作って人差し指の先をベアトリーチェへ向けた。指先を向けられたベアトリーチェがその行動の意味を図りかねたのか、シルビの真似をして指先をシルビへ向けてくる。
細めた視界で、ベアトリーチェの後ろへ誰かが立っているような気がした。
「バン」
銃を撃つ音を声で表してシルビはそのまま後ろへと倒れる。縁に立っていたから背後は何もなくて、倒れるというより落ちると言った方が正しいのかも知れない。
ベアトリーチェが目を見開いてシルビへ向かって駆けだしているのが見える。足下でエレボスが驚いていた。
やはりまた一回り大きくなっているそのエレボスと目を合わせたままシルビは笑う。笑いながらエレボスへ手を伸ばす。
すぐ耳元で声が聞こえた気がした。
エレボスへ伸ばしていた手を咄嗟に翻して、縁へ手を掛ける。落下しかかっていた全身の重量と勢いがその手へ掛かって肩が少し痛くなった。ベアトリーチェが泣きそうな顔で縁からシルビを見下ろし、手を掴んでシルビを引き上げようとする。
そうして引き上げられて座り込んだシルビへ抱きついて、離れないまま震えているベアトリーチェにシルビは頭を撫でてやりながら謝った。
「ごめん」
ベアトリーチェは聞こえているだろうに何も言わない。
元の大きさへ戻ったエレボスがシルビへと歩み寄ってくる。ベアトリーチェを抱きしめたままシルビはエレボスを見下ろした。
「ガァ」
バルコニーに相当する場所なのかと予測をつけて縁まで歩いていけば、手すりも金網もないそこからは簡単に地上を見下ろすことが出来た。真下に当たる部分へ何かが落下したような痕跡が僅かに見える。
ここから落ちたのだとしたらそれが何であれ本来の姿を留めてはいないだろう。身を乗り出してそれを見下ろし間抜けな声を出していたエレボスを、つま先でわき腹を引っかけるように持ち上げて後ろへ下がらせる。
落ちたら何処へ行けるのかと考えていると、後ろからベアトリーチェへ呼ばれた。
「▲▲▲さん」
「んだぁ?」
「そっちは危ないです」
ベアトリーチェは縁へ近付くのが怖くて堪らないとばかりに距離を取っている。その足下には誰かが血を流して倒れたような跡。周囲の液体とは違いそれは確実に生き物の血液だと知れた。誰かがそこで倒れたのだろう。
シルビは指で銃の形を作って人差し指の先をベアトリーチェへ向けた。指先を向けられたベアトリーチェがその行動の意味を図りかねたのか、シルビの真似をして指先をシルビへ向けてくる。
細めた視界で、ベアトリーチェの後ろへ誰かが立っているような気がした。
「バン」
銃を撃つ音を声で表してシルビはそのまま後ろへと倒れる。縁に立っていたから背後は何もなくて、倒れるというより落ちると言った方が正しいのかも知れない。
ベアトリーチェが目を見開いてシルビへ向かって駆けだしているのが見える。足下でエレボスが驚いていた。
やはりまた一回り大きくなっているそのエレボスと目を合わせたままシルビは笑う。笑いながらエレボスへ手を伸ばす。
すぐ耳元で声が聞こえた気がした。
エレボスへ伸ばしていた手を咄嗟に翻して、縁へ手を掛ける。落下しかかっていた全身の重量と勢いがその手へ掛かって肩が少し痛くなった。ベアトリーチェが泣きそうな顔で縁からシルビを見下ろし、手を掴んでシルビを引き上げようとする。
そうして引き上げられて座り込んだシルビへ抱きついて、離れないまま震えているベアトリーチェにシルビは頭を撫でてやりながら謝った。
「ごめん」
ベアトリーチェは聞こえているだろうに何も言わない。
元の大きさへ戻ったエレボスがシルビへと歩み寄ってくる。ベアトリーチェを抱きしめたままシルビはエレボスを見下ろした。
「ガァ」