後日談2
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中心部へ噴水のある円形のモールだった。薬局やゲームセンター、喫茶店やCDショップが建ち並ぶそこを、シルビの腕の中から降りたエレボスが興味深げに歩き回る。海に続いて初めて見る光景なのだろう。
ベアトリーチェはこの場所を知っている様でエレボスの様にはしゃぐことはなく、どこか懐かしげにモール内を眺めていた。シルビ自身は見覚えがあるような無いような曖昧なところである。
多分“来たことはある”のだろう。けれども未だにハッキリとしないのでその来たことがある記憶が思い出せないのだ。
シルビ達以外に人や生き物の気配はない。本来であれば不気味だと思うはずだろうそれにけれども、シルビは逆に安心した気分になった。
鍵はされておらず、勝手に出入り出来るどころか電気もちゃんと通っているらしい薬局の中へと入り込む。棚へ並べられた商品の中から栄養補助食品を見つけて、そういえばと後ろをついてきていたベアトリーチェを振り返った。
「エレボスって腹減んのかぁ?」
「え? いえ、私は知りません」
「俺も腹は減らねぇし喉も乾かねぇんだよなぁ。そのせいで時間の経過が分かり難いっていうか」
言い難いことを誤魔化すように笑いながら言えば、ベアトリーチェは考え込む様に首を傾げる。
「お腹空かないんですか?」
「あんまり」
「それは変ですね。だって――」
ベアトリーチェの言葉を遮るように薬局の外からエレボスの鳴き声が聞こえた。何かしでかしたのかと慌てて薬局を出て声がした方へ向かえば、ゲームセンターの店頭にあった筐体の、景品取り出し口に入り込んだエレボスが出られなくなっている。
外からは蓋の部分を押してそのまま入ってしまえたのだろうが、内側からは引くしかない蓋をバンバンと叩いて戸惑っていた。
「……馬鹿ですね」
「ふふ。ほらエレボス、もう大丈夫だからなぁ」
呆れるベアトリーチェの横で笑って、景品取り出し口の蓋を押してエレボスへと手を差し伸べる。必死な様子でしがみついてくるエレボスを抱き上げて撫でてやれば、今度は自業自得だというのに筐体の景品取り出し口へ対して文句でも言う様に鳴き出した。
二つある口のうち一つを手で塞いでやると、不満そうに見上げてくる。
「今のはお前が悪かったよ。もう出られたんだから許してやんなさい」
「ガァアア」
「ハイハイがぁああ。まだ文句言うならもう一回放り込んじゃうぞぉ?」
「ガァッ!?」
もう一度閉じこめられるのは嫌らしく、シルビの言葉に反応したエレボスがシルビの腕から肩を経由してフードの中へと逃げ込んだ。身体を丸めて出来るだけ小さくなり身を隠しているらしいエレボスに、シルビは思わずベアトリーチェと顔を見合わせて笑った。
ベアトリーチェはこの場所を知っている様でエレボスの様にはしゃぐことはなく、どこか懐かしげにモール内を眺めていた。シルビ自身は見覚えがあるような無いような曖昧なところである。
多分“来たことはある”のだろう。けれども未だにハッキリとしないのでその来たことがある記憶が思い出せないのだ。
シルビ達以外に人や生き物の気配はない。本来であれば不気味だと思うはずだろうそれにけれども、シルビは逆に安心した気分になった。
鍵はされておらず、勝手に出入り出来るどころか電気もちゃんと通っているらしい薬局の中へと入り込む。棚へ並べられた商品の中から栄養補助食品を見つけて、そういえばと後ろをついてきていたベアトリーチェを振り返った。
「エレボスって腹減んのかぁ?」
「え? いえ、私は知りません」
「俺も腹は減らねぇし喉も乾かねぇんだよなぁ。そのせいで時間の経過が分かり難いっていうか」
言い難いことを誤魔化すように笑いながら言えば、ベアトリーチェは考え込む様に首を傾げる。
「お腹空かないんですか?」
「あんまり」
「それは変ですね。だって――」
ベアトリーチェの言葉を遮るように薬局の外からエレボスの鳴き声が聞こえた。何かしでかしたのかと慌てて薬局を出て声がした方へ向かえば、ゲームセンターの店頭にあった筐体の、景品取り出し口に入り込んだエレボスが出られなくなっている。
外からは蓋の部分を押してそのまま入ってしまえたのだろうが、内側からは引くしかない蓋をバンバンと叩いて戸惑っていた。
「……馬鹿ですね」
「ふふ。ほらエレボス、もう大丈夫だからなぁ」
呆れるベアトリーチェの横で笑って、景品取り出し口の蓋を押してエレボスへと手を差し伸べる。必死な様子でしがみついてくるエレボスを抱き上げて撫でてやれば、今度は自業自得だというのに筐体の景品取り出し口へ対して文句でも言う様に鳴き出した。
二つある口のうち一つを手で塞いでやると、不満そうに見上げてくる。
「今のはお前が悪かったよ。もう出られたんだから許してやんなさい」
「ガァアア」
「ハイハイがぁああ。まだ文句言うならもう一回放り込んじゃうぞぉ?」
「ガァッ!?」
もう一度閉じこめられるのは嫌らしく、シルビの言葉に反応したエレボスがシルビの腕から肩を経由してフードの中へと逃げ込んだ。身体を丸めて出来るだけ小さくなり身を隠しているらしいエレボスに、シルビは思わずベアトリーチェと顔を見合わせて笑った。