後日談2
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次に潜った扉の先はシルビ達が毎度戻る地点である砂漠とは違い、海に面した砂浜だった。振り返るとそこへポツンと扉が立っていて、更に向こうには巨木の森が見える。
「屋久杉?」
屋久杉に思えるが確証はない。エレボスとベアトリーチェは目の前の海へ大興奮していて、シルビの肩から降りたエレボスが一直線に海へと走っていっては、押しては戻る波におもしろい動きをしていた。
靴を脱いでズボンの裾をまくり、エレボスへ近付いて抱き上げるとシルビはその身体を海へ向かって放り投げる。悲鳴のような鳴き声を上げて着水したエレボスに思わず声を上げて笑った。
「ベアトリーチェ! 君もやってあげよう!」
「えっ!? ホントですか!?」
足先だけを波に濡らしていたベアトリーチェが走り寄ってくるのにその身体を抱き上げ、海へ向かって勢いを付けてから一緒に飛び込んだ。必死に犬掻き紛いの動きをしていたエレボスが飛び込んだシルビ達に驚いている。
潮の香りと濃い樹の匂い。目が海水まみれになるのを覚悟して水中で目を開ければ、ベアトリーチェがシルビの手を握ってシルビを見つめていた。比重の関係で浮いていく身体に海面へ顔を出し、大きく息を吸う。
泳いできたエレボスがシルビの肩へしがみつく。これなら靴だけではなく上着も脱げば良かったと思う。
「ははっ! 気持ちいいなぁ!」
「しょっぱい!」
「そりゃそうだぁ。海水は塩分を含んでるんだよ。……ベアトリーチェ。お前錆びたりしねぇ?」
「大丈夫です!」
今更な質問をすればシルビの手にしがみついていたベアトリーチェが楽しそうに笑った。
足がどこにも届かない浮遊感。海水を吸って重くなった服。境目の分からない空と海の向こうから海鳥の鳴き声が聞こえてくる。
びしょ濡れの顔に潮風が気持ちいい。全身の力を抜いて浮いていたシルビにエレボスの手がシルビの前髪を払った。
潮風に乾いていく顔へ付いていた海水が、けれどもなかなか乾かない。
目が痛いのは海中で目を開けたせいだ。
楽しいのに、悲しい。なんて。
「▲▲▲さん?」
ベアトリーチェがシルビを呼ぶ。そのベアトリーチェを抱きしめて深く海の中へと潜り込んだ。
エレボスがシルビの服にしがみついている。その身体が少し大きくなった気がした。ベアトリーチェを解放してその手だけを掴む。
口からこぼれた気泡が上へと上がっていく。
####が困惑と悲しみとを混ぜた顔をしていた。海底の砂を蹴って再び海面へと顔を出す。浜からそう離れていないのだから海底なんて少し潜ればすぐにあることは分かっていた。
海面で息を吸って、もう一度ベアトリーチェを抱きしめる。
「屋久杉?」
屋久杉に思えるが確証はない。エレボスとベアトリーチェは目の前の海へ大興奮していて、シルビの肩から降りたエレボスが一直線に海へと走っていっては、押しては戻る波におもしろい動きをしていた。
靴を脱いでズボンの裾をまくり、エレボスへ近付いて抱き上げるとシルビはその身体を海へ向かって放り投げる。悲鳴のような鳴き声を上げて着水したエレボスに思わず声を上げて笑った。
「ベアトリーチェ! 君もやってあげよう!」
「えっ!? ホントですか!?」
足先だけを波に濡らしていたベアトリーチェが走り寄ってくるのにその身体を抱き上げ、海へ向かって勢いを付けてから一緒に飛び込んだ。必死に犬掻き紛いの動きをしていたエレボスが飛び込んだシルビ達に驚いている。
潮の香りと濃い樹の匂い。目が海水まみれになるのを覚悟して水中で目を開ければ、ベアトリーチェがシルビの手を握ってシルビを見つめていた。比重の関係で浮いていく身体に海面へ顔を出し、大きく息を吸う。
泳いできたエレボスがシルビの肩へしがみつく。これなら靴だけではなく上着も脱げば良かったと思う。
「ははっ! 気持ちいいなぁ!」
「しょっぱい!」
「そりゃそうだぁ。海水は塩分を含んでるんだよ。……ベアトリーチェ。お前錆びたりしねぇ?」
「大丈夫です!」
今更な質問をすればシルビの手にしがみついていたベアトリーチェが楽しそうに笑った。
足がどこにも届かない浮遊感。海水を吸って重くなった服。境目の分からない空と海の向こうから海鳥の鳴き声が聞こえてくる。
びしょ濡れの顔に潮風が気持ちいい。全身の力を抜いて浮いていたシルビにエレボスの手がシルビの前髪を払った。
潮風に乾いていく顔へ付いていた海水が、けれどもなかなか乾かない。
目が痛いのは海中で目を開けたせいだ。
楽しいのに、悲しい。なんて。
「▲▲▲さん?」
ベアトリーチェがシルビを呼ぶ。そのベアトリーチェを抱きしめて深く海の中へと潜り込んだ。
エレボスがシルビの服にしがみついている。その身体が少し大きくなった気がした。ベアトリーチェを解放してその手だけを掴む。
口からこぼれた気泡が上へと上がっていく。
####が困惑と悲しみとを混ぜた顔をしていた。海底の砂を蹴って再び海面へと顔を出す。浜からそう離れていないのだから海底なんて少し潜ればすぐにあることは分かっていた。
海面で息を吸って、もう一度ベアトリーチェを抱きしめる。