後日談2
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
黒くて赤い目をしている、という特徴だけはエレボスとベアトリーチェに似たスライムの様な物体を蹴り飛ばす。見つけた階段を降りた先から現れるようになったそれは、どうも自分達を敵認定しているらしい。
ベアトリーチェは持っていた細身の鎚で応戦しているが、自分は武器になる物を何一つ持っていなかった。まさかエレボスを投げてぶつける訳にもいかず、仕方なしに足で蹴っての応戦である。
「何なんだろうなぁ。コレ」
最後の一匹を蹴り飛ばして壁へぶつけて消滅させたところで襲撃も一区切りし、深く息を吐いた。ずっと肩にしがみついていたエレボスが勝利宣言かカカカッと歯を鳴らすのに小突いて大人しくさせて、ベアトリーチェを見れば彼女は神妙に俯いている。
「ベアトリーチェ?」
「え、あ、何でしょうか?」
「いや、用は無かったんだが、大丈夫かぁ?」
「大丈夫、です」
そうは言ってもそうは見えない。もしかしたらずっと歩き通しで疲れたのかも知れなかった。
「次に階段か何かを見つけたら少し休憩するかぁ。別に時間制限がある訳でもねぇしなぁ」
「でも、先に進まなきゃ」
「先には進むよ。でも君が疲れてんのを見過ごす事も出来ねぇ。君が『悲しい顔をするのは嫌』なんだぁ」
目的地がどこなのか分かっていないが、先へは進む。けれどもその道行きには彼女も一緒にいなければいけない。
だがどうしてそう思ったのか分からず、内心首を傾げているとベアトリーチェは何を思ったのか強く口を引き結ぶと不満そうに頬を膨らませた。何かそんなに怒らせるような発言をしたかと思う。
少なくとも自分としては彼女を案じただけのつもりだった。
「悲しい顔をするのは嫌って、私だってそう思ってましたよ!」
「ごめん? ……ん? 俺がいつそんな顔したんだぁ?」
訊ねると彼女はしまったという顔をして視線を逸らす。小さな声で『忘れました』と呟くが、どう見てもそれは忘れたのではなく言いたくないといったところだろう。
頭を掻いてため息にはならないように息を吐いた。
彼女は頼まれて自分の元へ来たのだから、多分今の自分よりも自分について何かを知っている。だがそれを自分へ話すつもりはないのか、話してはいけないと言われているのかも知れない。
もしかしたら自分と同じで記憶にないのだけれど無意識に口をついて出たのではとも思ったが、それなら彼女ももう少し戸惑うだろうからその考えは捨てた。
色々な事を考えるのに情報や材料が全く足りない。
「まぁいいやぁ。とりあえず先へ進もうぜぇ」
ベアトリーチェは持っていた細身の鎚で応戦しているが、自分は武器になる物を何一つ持っていなかった。まさかエレボスを投げてぶつける訳にもいかず、仕方なしに足で蹴っての応戦である。
「何なんだろうなぁ。コレ」
最後の一匹を蹴り飛ばして壁へぶつけて消滅させたところで襲撃も一区切りし、深く息を吐いた。ずっと肩にしがみついていたエレボスが勝利宣言かカカカッと歯を鳴らすのに小突いて大人しくさせて、ベアトリーチェを見れば彼女は神妙に俯いている。
「ベアトリーチェ?」
「え、あ、何でしょうか?」
「いや、用は無かったんだが、大丈夫かぁ?」
「大丈夫、です」
そうは言ってもそうは見えない。もしかしたらずっと歩き通しで疲れたのかも知れなかった。
「次に階段か何かを見つけたら少し休憩するかぁ。別に時間制限がある訳でもねぇしなぁ」
「でも、先に進まなきゃ」
「先には進むよ。でも君が疲れてんのを見過ごす事も出来ねぇ。君が『悲しい顔をするのは嫌』なんだぁ」
目的地がどこなのか分かっていないが、先へは進む。けれどもその道行きには彼女も一緒にいなければいけない。
だがどうしてそう思ったのか分からず、内心首を傾げているとベアトリーチェは何を思ったのか強く口を引き結ぶと不満そうに頬を膨らませた。何かそんなに怒らせるような発言をしたかと思う。
少なくとも自分としては彼女を案じただけのつもりだった。
「悲しい顔をするのは嫌って、私だってそう思ってましたよ!」
「ごめん? ……ん? 俺がいつそんな顔したんだぁ?」
訊ねると彼女はしまったという顔をして視線を逸らす。小さな声で『忘れました』と呟くが、どう見てもそれは忘れたのではなく言いたくないといったところだろう。
頭を掻いてため息にはならないように息を吐いた。
彼女は頼まれて自分の元へ来たのだから、多分今の自分よりも自分について何かを知っている。だがそれを自分へ話すつもりはないのか、話してはいけないと言われているのかも知れない。
もしかしたら自分と同じで記憶にないのだけれど無意識に口をついて出たのではとも思ったが、それなら彼女ももう少し戸惑うだろうからその考えは捨てた。
色々な事を考えるのに情報や材料が全く足りない。
「まぁいいやぁ。とりあえず先へ進もうぜぇ」