後日談2
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勝手な提案をしてしまったが、白蘭を疑っていた真田や岳羽達もこんな訳の分からない場所で好き勝手させるのもどうかという事で、アイギスの提案に賛同してくれた。当の白蘭は嫌そうだったが、一人で探索するにしても戻る拠点は分寮のラウンジだと気付いたらしく、アイギスの提案をやはり受け入れてくれる。
探索の為の下準備としてアイギス達が一度ラウンジへ戻るのに、白蘭も素直に付いてきた。念の為の召喚器や武器をそれぞれが用意している間、支度を終えたアイギスがラウンジへ戻ってくると白蘭は手持ちぶさたそうにラウンジのソファへ座って何かを弄んでいる。
近付いて見ればそれはさっきも持っていた正方形の匣だ。
「それは何ですか?」
「ここへ来る前、知り合いの変人に渡された預かり物。中には『リセットボタン』が入ってるんだよ」
「リセット、ボタン?」
「うん。キミは……アイギスチャンだっけ?」
紫の瞳。それに少しの懐かしさと安心を覚える。
「私のことを知ってるんですか?」
「ちょっとだけね。えーと『対シャドウ制圧兵器』っていうヒューマノイド」
「そうです。でも、どうして」
「『アマネチャン』がキミのことも気にしてたから。ボクはアマネチャンと違うけど、彼が気にしてるものを覚えてるくらいはするよ」
楽しそうに言って白蘭が匣を大事そうにポケットへと仕舞った。他のメンバーはまだラウンジへ集まっていなくて、アイギスは白蘭の隣へ腰を下ろす。
「その『アマネ』という方は、どんな人なんですか?」
「変わってなければ、他人の事に一生懸命になれる覚悟を持ってる、かな。でもすぐに落ち込んだり悩んだりもする面倒臭い性格してる」
少し『彼女』に似ているなと思った。そういえばアイギス達は『時の狭間』に閉じこめられてしまった訳だが、病院で眠っている彼女はどうなってしまったのだろう。
アイギス達と同じく『三月三十一日』を眠り続けているのか、それとも体感時間だけはアイギス達同様進んでいるのか。
黙って考え込んでしまったアイギスを不思議に思ってか、白蘭が顔を覗き込んできた。
「あの……?」
「アイギスチャンはちょっと『アマネチャン』に似てるね。そうやって思い悩むところとか」
「そうなんですか?」
「でもアマネチャンはね、絶望を知っても諦めないんだよ。それを絶望の底だとは絶対に思わないんだ」
絶望の底。それは望月綾時を殺さなかったSEESの面々と同じ様な、違うような。けれどもある意味、今のアイギス達は絶望の底へ居るような気分だ。
支度を終えた桐条達がラウンジへと降りてくる。
探索の為の下準備としてアイギス達が一度ラウンジへ戻るのに、白蘭も素直に付いてきた。念の為の召喚器や武器をそれぞれが用意している間、支度を終えたアイギスがラウンジへ戻ってくると白蘭は手持ちぶさたそうにラウンジのソファへ座って何かを弄んでいる。
近付いて見ればそれはさっきも持っていた正方形の匣だ。
「それは何ですか?」
「ここへ来る前、知り合いの変人に渡された預かり物。中には『リセットボタン』が入ってるんだよ」
「リセット、ボタン?」
「うん。キミは……アイギスチャンだっけ?」
紫の瞳。それに少しの懐かしさと安心を覚える。
「私のことを知ってるんですか?」
「ちょっとだけね。えーと『対シャドウ制圧兵器』っていうヒューマノイド」
「そうです。でも、どうして」
「『アマネチャン』がキミのことも気にしてたから。ボクはアマネチャンと違うけど、彼が気にしてるものを覚えてるくらいはするよ」
楽しそうに言って白蘭が匣を大事そうにポケットへと仕舞った。他のメンバーはまだラウンジへ集まっていなくて、アイギスは白蘭の隣へ腰を下ろす。
「その『アマネ』という方は、どんな人なんですか?」
「変わってなければ、他人の事に一生懸命になれる覚悟を持ってる、かな。でもすぐに落ち込んだり悩んだりもする面倒臭い性格してる」
少し『彼女』に似ているなと思った。そういえばアイギス達は『時の狭間』に閉じこめられてしまった訳だが、病院で眠っている彼女はどうなってしまったのだろう。
アイギス達と同じく『三月三十一日』を眠り続けているのか、それとも体感時間だけはアイギス達同様進んでいるのか。
黙って考え込んでしまったアイギスを不思議に思ってか、白蘭が顔を覗き込んできた。
「あの……?」
「アイギスチャンはちょっと『アマネチャン』に似てるね。そうやって思い悩むところとか」
「そうなんですか?」
「でもアマネチャンはね、絶望を知っても諦めないんだよ。それを絶望の底だとは絶対に思わないんだ」
絶望の底。それは望月綾時を殺さなかったSEESの面々と同じ様な、違うような。けれどもある意味、今のアイギス達は絶望の底へ居るような気分だ。
支度を終えた桐条達がラウンジへと降りてくる。